くまがわ号の今後

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 ここで述べることは一個人の単なる想像です。「ああ、そうなるのか」と納得したり(そんな人いないか)、「事実と違う」と怒ったりしないでください。事実誤認があれば、やさしく教えて下さいませ。(この文章は04年2月にアップしたものです。私は九州新幹線が全通すると、鹿児島本線の八代-博多間が第3セクターに移管するものと思っており、この文章を書きました。05.5.26に掲示板で名無し様に「八代-熊本に移管はやめたのでは?」とのご指摘をいただきました。これについては自分でも調べてみたいと思います。ご指摘ありがとうございました)。
 
 04年3月13日に九州新幹線が開業し、急行くまがわは特急に格上げされる。現行の特急あそが人吉まで乗り入れて、特急九州横断特急となる。「九州横断特急」という名前の特急列車である(別府-人吉)。特急くまがわは、この九州横断特急の区間運転列車のような位置づけとなるとも言える。急行券でなく、今後は特急券が必要になるので値上げになるが、「車両も変わるし少しは早くなるので許してね」というところだろう。

 だが、話はこれで終わりではない。九州新幹線は今後、順次、博多に向かって北進を続けるからだ。熊本まで九州新幹線が開業すると、当然この九州横断特急の別府-人吉間の直通は廃止されると思われる。熊本以南の肥薩おれんじ鉄道には乗り入れず、別府-熊本間のみの運転になる。現行の特急あそと同じ運転区間である。
 そうなると、熊本-人吉の交通の便はどうなるか。現在の急行くまがわ、または3/14以降の特急くまがわ又は九州横断特急では乗り換えなしに移動できる。
 ところが、九州新幹線が熊本まで開業し、八代-熊本が第3セクター化された時は、熊本-人吉の直通列車は消滅するだろう。当然JRとしては、熊本-八代は新幹線に乗せようとするはずだからだ。
 こうなってくると、熊本-新八代は新幹線特急券、新八代-人吉は在来線特急券が必要になってくる。八代-人吉間の特急料金は新幹線乗り継ぎ割引で半額になるとはいえ、値上げになることには変わりない。
 それだけではない。その時代には新八代-八代は肥薩おれんじ鉄道に変わっているはずなので、この一駅間の運賃も、別途必要になってくる。
 では、利便性はどのくらい増すかというと、熊本-八代(正確には熊本-新八代)が在来線特急から新幹線に変わるので時間が短縮される。しかし、現行の急行くまがわでも20分しかかかっていない区間である。これが新幹線になって、例えば半分になったところで、たかだか10分の短縮である。これに乗換の時間・手間もかかってくる。新八代での、新幹線つばめと在来特急リレーつばめの接続のように、同一ホームで行われればまだ良いのだが。

つまり、段階を追うとこうなる(あくまで熊本-人吉の移動に限った話)。
現行・・・急行くまがわで乗り換えなしに移動できる。
3/14以降・・・特急になり値上がりはするが、乗り換えなしに移動できる。
九州新幹線の熊本延伸以降・・・新八代での乗り換え発生。新幹線になる分の特急料金の値上げ。八代-新八代間の肥薩おれんじ鉄道の初乗り運賃分の値上げ。
 と、トリプルパンチとなる。これでは、鉄道離れが発生しかねない。
 新幹線開業により、博多-人吉とか、鹿児島-人吉は便利になるといえる。多少高くなっても、移動時間の大幅な短縮がそれを補うからだ。しかし、熊本-人吉のような短距離だと、逆に不便になってしまうことになる。高くなる割にはたいした時間短縮にならず、逆に乗換の面倒ばかり増えてしまう。
 安くあげようとして、全区間を普通列車で移動したとしても、あまり旨みはない。JRから第3セクターに以降することによる値上げがあるためだ。
 
 その時代は、新八代-人吉間に何らかの優等列車が運転されると思われる。新八代で新幹線に乗り換えて人吉に出るのである。その新八代-人吉間の新列車は何か。
1.特急くまがわが運転区間を短縮し、そのまま特急くまがわとして同任務にあたる。
2.新幹線分の値上げの救済措置として、急行に格下げされ、元通りの急行くまがわ号として運行される。
3.いっそのこと、300円の乗車整理券で乗れるライナーに格下げする。(冗談です、これはあり得ません)
4.いや、出血大サービスで、料金券不要の快速に格下げする。
5.肥薩線を電化し、広軌対応の路線にして、新幹線を人吉に直通させる。
・・・と妄想は広がっていく。。。

 一番あり得るのは1.の特急として運転し、熊本-人吉で通して利用する場合には格安な特定特急料金を設定するといったところだろう。ただ、急行や快速への格下げもないとは言えない。今後も新幹線の延伸の度に、優等列車は大幅に変更され、新幹線への接続列車に役割を変えていくだろう。くまがわ号の変遷は3/13の新幹線開業で終わりではない。今後も新幹線関連のニュースには要注目である。

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