○かすが(名古屋-奈良) 時刻・運賃

前頁戻る

時刻表

 全区間、定期と急行券で乗車できる。名古屋-奈良を約2時間で結ぶ。所要時間、費用とも近鉄特急といい勝負なのだが、いかんせん「かすが」は一日一往復。いつでも気が向いたときにふらっと乗るというわけにはいかない。
 しかも、朝、名古屋を出て、夕方奈良を出るという片道通行ダイヤ。ちなみに、私が乗ったときは(名古屋発奈良行き)、名古屋では指定席はほぼ満員。自由席は若干空席が多かった。が、伊賀上野で大勢降りていってガラガラになった。

下り

名古屋 8:55
桑名 9:14
四日市 9:24
亀山 9:45
柘植 10:10
伊賀上野 10:23
奈良 11:03

上り

奈良 17:16
伊賀上野 17:58
柘植 18:11
亀山 18:33
四日市 18:51
桑名 19:01
名古屋 19:26

運賃・料金

 東海道本線(新幹線)・奈良線経由よりも距離が短いので運賃は安い。名古屋-桑名は急行料金の特例があるので310円で乗れる。私が乗ったときは、指定席よりもむしろ自由席の方が空いていた。通常であれば、あえて指定席を取る必要はなさそうである。

桑名 四日市 亀山 柘植 伊賀上野 奈良
名古屋からの営業キロ 23.8 37.2 59.9 79.9 94.5 133.9
運賃 400 650 950 1280 1620 2210
急行料金 310 530 730 730 730 950
指定席(閑散期) 310 310 310 310 310 310
指定席(通常期) 510 510 510 510 510 510
自由席合計 710 1180 1680 2010 2350 3160
指定席(閑散期)合計 1020 1490 1990 2320 2660 3470
指定席(通常期)合計 1220 1690 2190 2520 2860 3670

車両

 快速みえを初めとして、快速・普通列車に使われる近郊型車両。急行料金を取る列車としては、車両のグレードは低いと言える。転換式クロスシートで、リクライニングはしない。私が取った指定席は、なんと後ろ向き!だった。転換式クロスシートに乗ったことがある方はわかると思うが、車両の一番前や後ろの座席は固定されており、背もたれを動かせないため後ろ向きとなる。まさか、追加の指定料金を払って後ろ向きに乗るとは思わなかったので絶句した。。。
 少しでも優等列車らしさをアピールするためか、3ドア車両だが、まんなかのドアは開閉せず、実質2ドアのようにしている。
 しかし、所要時間は変わらないまま(下手すると遅くなって)車両だけが新型に置き換わって特急格上げにされるよりは、このような車両で急行のままあり続けるのが良心的とも言える。逆に快速に格下げすればどうかという意見もあるだろうが、見たところ年輩の乗客が多く、急行料金を払ってでも落ち着いて乗りたい需要があるように見受けられた。

かすが号を利用した奈良旅行の勧め

東京から奈良を旅行する場合を考える。前提として、新幹線は「のぞみ」指定席利用(JR東海の思惑どおりのようで、少し悔しいのだが)、急行かすがも指定席利用としている。あとは各自でアレンジして、指定を取るまでもないと判断すれば、自由席を使い、その分は安くあげればいい。ここでは、着席保証前提とした。

1.一番一般的、かつ、速いのは
新幹線のぞみで京都へ。京都からは奈良線のみやこ路快速で奈良に行く。
行程だと思われる。この場合の費用は、
東京-京都経由-奈良の運賃8510円プラス東京-京都の新幹線特急券5540円の二倍で、
28100円と相成る。東京-京都-奈良を1枚の乗車券で購入するので、京都での途中下車が可能。間違っても、東京-京都の乗車券と、京都-奈良の乗車券と、2枚に分けて買ってはいけない。それだと片道210円も高く付いてしまう。
 確かに速いし、本数も多くで便利だが、あまりに普通すぎて面白くない(?)。ということで、下記のような案を考えてみた。

2.次に安さ追求型で行くと、同じコースで、新幹線をぷらっとこだまに乗るという手がある。これだと、
東京-京都のぷらっとこだま9800円プラス京都-奈良の奈良線の運賃740円の二倍で、
21080円になる。こだまとのぞみの所要時間が約一時間違うが、この値段の差は大きい。

3.ところで、名古屋-奈良間は近鉄線もある。これと、ぷらっとこだまを組み合わせるとどうなるか。
ぶらっとこだま東京-名古屋7800円プラス近鉄線の近鉄名古屋-近鉄奈良間の運賃料金3750円の二倍で、
23110円。ただ、この行程は京都を通らないので、奈良と京都の両方を周遊することはできない。

4.次は、新幹線プラス急行かすが号の場合を考える。
東京-関西本線経由-奈良の運賃が7670円。(東海道本線経由よりも距離が短いので安い)東京-名古屋の新幹線が4690円。新幹線乗り継ぎ割引でかすがの急行料金・指定席料金が720円。合わせて、
26160円となる。かすが号は約2時間の旅路で時間はかかるが、関西本線は景色が良いので、楽しめると思う。しかし、3.の行程と同様に京都は通らない。また、かすがは一日一往復しかないため、片道ならともかく、往復使うとなると、乗り遅れが許されないため、若干窮屈に感じるかも知れない。

5.それなら、かすがにも乗りつつ、京都にも寄れる行程を。
新幹線のぞみで名古屋へ。急行かすがで奈良へ。ここまでは4.と同じ。次に奈良線で京都に出て、京都からは新幹線のぞみで帰ってくる。
 これだと京都、奈良を両方回ることもでき、行きと帰りで行程が違うので、より多くの車窓が楽しめる。これだと
26980円。1.よりも安く、4.よりも楽しめると思う。これがお勧め。
 しかし、この行程は、乗車券の買い方に工夫が必要。「東京(新幹線)名古屋(関西本線)木津(奈良線)京都(東海道新幹線)名古屋」で1枚の乗車券(9560円)。「名古屋-東京」で一枚の乗車券(6090円)。「木津-奈良」の乗車券2枚(片道190円)の合計4枚の乗車券を買うことになる。新幹線特急券は、「東京-名古屋」(4690円)と、「京都-東京」(5540円)。急行券・指定席券は新幹線乗り継ぎ割引で、720円となる。どうしてこうなるか、興味のある方は調べてみてください。

6.さらに第六案。第五案のうち、最後の京都-東京の新幹線をぷらっとこだまを使う方法。
詳細は省略するが、
23780円で済む。速さ、安さ、多様さのバランスは、これが一番いいかも。

 旅行なんてものと各自が好きにすればいいのだが、多様な方法があることを実感いただければ幸いである。

存在意義について

 「どうして急行のまま残っているのか?」「快速にすべきだ」「いや、ライナーがいい」「それより、特急にすべきだ」など、外野が色々と口を出しやすい列車です。田の急行列車にも言えることではありますが。時刻表を見ただけでは、何のために走っているのかよく分からず、上記のような疑問が出るのももっともである。
 しかし、意義も何も、ちゃんと乗る人がいるから走っているのであって、これはこれで地元の人々にとっては便利な列車であり、大事にされているのである。鉄道論議は机上の空論になりがちだが、この「かすが」も、ちゃんとした需要に基づいて毎日走っているのである。

編成

1 2
指定席 自由席
禁煙 禁煙

1奈良-名古屋2

 車内販売はありません。混雑期は増結する日もあるそうです。

前頁 戻る