ムーンライトえちご乗車記

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 本日も簿記講座受講。同行するXEET氏とは渋谷にある予備校の入口で待ち合わせ。授業終了は21:30。電車は新宿23:09発。銭湯に入ってから行きたい。余裕があるような無いような。しかし、授業は延長し、外に出てこられたのは21:50。さあ困った、時間が無いぞ!
 xeet氏と再会の祝杯を挙げる暇もなく、慌ただしく歩き出す。今回行く銭湯はインターネットで見つけた南新宿駅から徒歩0分という銭湯。銭湯くらい新宿駅近辺にもありそうだが、意外にない。山手線を代々木で下車。南新宿までは徒歩7,8分ほど。古びた昔のドラマに出てきそうな銭湯。石鹸もなく、xeet氏が20円で番台から購入。昔ながらの銭湯。よくも今まで生きながらえた物だ。と思っていたら、意外に利用者が多い。慌ただしく上がる。ドライヤーがコイン制で20円も取られた。
 本当は電車賃節約のために新宿駅まで歩きたい所だが、時間がなくて小田急線の電車に乗る。南新宿駅で自分が乗降するとは思っていなかった。新宿での接続は15分ほど。慌ただしく券売機で高崎までの乗車券を買う。。。あれ?値段表に高崎が無いぞ?なんと運賃が高すぎて、券売機では買えず、窓口で買わないといけないのだった。これは、時間が足りないときは命取りだ。少し早めに新宿駅に着けて助かった。
 さて、何故青春18きっぷがあるのに高崎までの乗車券を買うのか?と思われた方もいるだろう。これはもう有名な話で、青春18きっぷで旅行しようと検討したことがある方ならご存じだろうが、いちおう私なりにご説明しておく。青春18きっぷには「当日限り有効」と書いてある。「当日」とは普通に考えれば夜中の12時までである。しかし、夜遅い列車に乗っており、夜中の12時の時点で車内にいたらどうなるのか?夜中の12時になったとたんに青春18きっぷが紙屑に変わるのか?そうではなくて、12時を過ぎてから最初に停車する駅まで有効というルールになっている。でも例外があり、東京と大阪の都心区間(電車特定区間という)では終電まで乗ってもオーケー。普通の乗車券には「途中下車前途無効」と書いてある物だが青春18きっぷにはこの記載がないので、一日乗り放題と相成るわけである。
 日付を変わってから最初に停車する駅(日付変更駅と呼ばれている)までのごく短い区間のために青春18きっぷを一回分消費するのは勿体ない。だから、みんな日付変更駅までの普通乗車券を購入し、日付変更駅から先は青春18きっぷの効力を利用するのである。
 これから乗るムーンライトえちごの場合、日付変更駅は高崎。高崎までは1890円。青春18きっぷの一回分は2300円。これなら高崎までで青春18きっぷ一回分を使ってしまうより、高崎までの普通乗車券を買った方が得。とはいえ、その差は約400円。あんまり得でもない。実は今回xeet氏が同行してくれかたら良かったものの、もし一人旅だった場合は、青春18きっぷ一日分が余り、使う見込みもないので、高崎までで一回分使ってしまう積もりでいた。
 前置きが長くなった。ホームに着くとムーンライトえちごは既に入線していた。本日は6両編成。3両の日と6両の日と9両の日があるのだ。私とxeet氏は通路を挟んだ反対側。本当は隣り合って座りたかったが、さすが人気列車、隣同士の席は取れなかったのだ。だが、10日ほど前に券を購入できた。ムーンライトながら程売り切れるのが早い訳ではないようだ。
 自分の指定席に行くと別のおばさんが座っていた。私が怪訝な顔をするとすぐにどいて別の席に行った。もしかしたら空席かも?という期待を込めて勝手に座っていたのだろう。「満席です」とアナウンスしているのに・・・。新宿駅を発車。快速だが全車指定席なので定期では乗車できない。でも、会社帰りのサラリーマンが乗っている。しかも指定券を持たずに飛び乗ったようでデッキで車掌と話している。酔っぱらって座って帰りたくなったのかな。池袋を出る。大塚、巣鴨を通過。埼京線経由と思っていたが、東北線を行くのだった(高崎線と呼ぶ方が一般的かな)。大宮。けっこう乗ってくる。大宮を過ぎると通過運転。ウトウトしているうちに高崎に着いた。
 高崎では21分も停まる。車内が少し雑然とする。乗客が思い思いに動くためだ。自販機にジュースを買いに行く人がいる。同行のxeet氏もその1人で、私のドリンク剤をプレゼントしてくれた。疲れた顔をしていたのだろう・・・。ななごん氏が掲示板に投稿されていたとおり、22:33上野発の新前橋行きから乗り換えてくる客も結構多い様だ。何故そんな事をするのか?新宿からムーンライトえちごに乗った方が楽だろうに。というと、この新前橋行きの場合日付変更駅が北鴻巣なので、ムーンライトえちごの高崎よりも購入する乗車券の値段が安くあがるからだ。ムーンライトえちご車内は空席も多かったが、この高崎でほぼ埋まった。車窓から見える駅の表示に列車種別がある。珍しく「急行」の文字が見える。そうだ、急行能登だ。後から入ってきて先に行ってしまった。古めかしい電車だ。これを撮りに行った人もいるようだった。
 さて、ムーンライトえちごは高崎を出ると次は3:39の長岡まで停まらない。そのため、高崎を出た時点で空席だった場合は、後からの乗客はまず来ない。だから、どこかに2列とも空席の席はないものか?とウロウロする客の姿が見えた。中には早まって、勝手に空席と勘違いして荷物を置いたままいなくなってしまい、後から来た乗客に「なんだこの荷物?」と困っている所にちょうど戻ってきて照れくさそうに荷物を持って立ち去っていったマニアもいた。多分マニアだろう。
 別の男性客は眠りこけていた。窓の外から女性がドンドン叩く。静かな車内で響く。何事?女性は男性が起きないのを見ると車内に入ってきて、男性を叩き起こして一緒に出ていった。「ムーンライトえちごで帰るからさ、高崎に迎えに来てよ」と頼んでおいたのだろうか。あのまま眠っていたら起きれば新潟だ。恐ろしい。高崎で様々の人間ドラマ(大げさ)を見ることが出来たが、やがて発車。この後は特にすることがある訳でもなく、睡眠タイム。私も何となく眠りに落ちた。リクライニングが深くする(グリーン車用のシートだそう)ので座り心地はとても良い。
 「・・・ピピピピピピ・・・」とベルの様な音が鳴っている。なんだ、これ?目が覚める。周りも起き始めており、降り始める客もいるようだ。4時過ぎ。しかし、なんだ?この音は。目覚まし時計の様だ。隣のxeet氏に聞くと「誰かの目覚ましがなっている」とのこと。おばさんたちの会話「なに?これ、迷惑ねえ」というのが聞こえる。
 そう言えば昨晩、私は見た。目覚まし時計をセットし、荷物ネット(前の座席の背面に付いていて本とか入れられる奴。あれ、何ていう名前なんだろう?)の中に入れている男が。「なんだ、こいつ?」と思って見た記憶がある。確か3列か4列後ろの席だ。立ち上がって見に行く。いたいた。本人は目の前でアラームが鳴っているにも関わらず眠りこけている。しかし、こいつに起こされるとは思っていなかった。鳴った瞬間起きて止めればまだそれほど迷惑ではにものを、鳴り響かせ続けているとは。隣の席の乗客は他人のようだが、止めれば良いのに我慢して鳴ったままにしてある。今の日本はこういう情景でも見て見ぬ振りをするのか。悲しいな?
 などと半分眠った頭で思いながら、私は目覚まし時計を取り上げ、スイッチを切った。この物騒なご時世、危ない奴でからまれる恐れもあったが、うるさいものは仕方ない。それにこれだけ他の乗客がいるのだ。滅多なことはしないだろう。あるいは感謝されるかも・・・。色々思いながら目覚まし時計を元の場所の荷物ネット(勝手に命名!)に戻す。でも、さすがに目覚ましが止まれば目を覚ますだろうと思ったのに、何とこの男、まだ眠りこけている。なんだ?この鈍感さは。しかし内心ホッとし、自分の席に戻る。この時間に目覚ましをセットするからには新津あたりで降りるつもりだったのだろう。「あんだ、新津で降りるんだろ?起きれば?」とでも言ってあげるのが親切なのだろうが私はそこまで親切ではない。このご時世にこんな事をしてナイフで刺し殺されなかっただけ好運と思え・・・。結局彼は終点の新潟まで眠っていて、起きてキョロキョロしていた。あの後どうなったかは知らない。
 新潟で降りる。同じホームの反対側には快速村上行きが停まっている。昔は村上行きだったのでその名残だろう。しかし、目の前の村上行きはロングシート。乗換をさせた上、ロングシートとはサービスダウンといえるだろう。
 さて、我々は5:22発の長岡行きに乗らないといけない。だが、少し時間があるので、新潟駅を外に出てみた。真っ暗。店も開いていない。すぐに戻る。だが、車内はムーンライトえちごからの乗り換え客で混んでおり、やっと座れた。5:40新津で下車。新津に近づくと車内の乗客が降りる準備を始めた。ドアが開くと走り出す。「しまった!一両編成か!」座席が減り、座れなくなる恐れが高いのでみんな走るのだと思い、一緒に走る。ところが次に乗る新津発6:05磐越西線会津若松行きは2両。「なんだ、みんな何をそんなに急いでいたんだ?」乗ってみてすぐ分かった。一両はクロスシート、一両はロングシートだったのだ。みんなクロスシート目がけて突進。すぐに埋まった。我々はやむなくロングシート車両へ。まあ、座れただけ良しとするか。新津駅の外に出てみるがタクシーが止まっているだけで何もない。
 8:24喜多方で降りるまで、雪景色が見えるが、半分眠っていた。喜多方に近づいて来るにつれて地元客もたくさん乗ってきた。折角座席が所々あいているのにあまり車内の中程まで入ってこず、ドアの近くに立っている。地元の人からしてみれば、青春18きっぷの客など邪魔者でしかないのだろう。青春18きっぷが通年発売にならない理由の1つが分かった気がした(違うかな?)。
 喜多方で下車。xeet氏の旅の目的の1つは日中線の廃線跡を辿ること。早速旧ホームを見る。言われてみれば昔ホームだった場所の様な気もする。が言われないと分からない。
 朝食の喫茶店に入る。なかなか良い感じの落ち着いた店。朝食を取りながら作戦を練る。廃線跡はサイクリングロードになっているらしい。レンタル自転車で回ろう・・・。貸し自転車屋に行くも「やっていない」と断られ、漸く二軒目で自転車にありつけた。1人500円。しかし、雪が凍って怖い。スピードは出せない。さすが韓国の廃線を研究しているxeet氏だけあり、めざとく見つける。そうか、ここに列車が走っていたのか。勝手に想像。しかしサイクリングロードは自動車が通らないため(当たり前だ)雪が解けずに凍ったまま。非常に危険で押して歩く。しばらく辿ったが途中で断念して駅に戻る。喜多方ラーメンを食べる。期待していなかっただけあり、まあまあ。学食のラーメンより少しは良い(ヒドい言い方)。
 磐越西線快速郡山行きで会津若松へ。昨夏の会津若松〜郡山間乗車と会わせ、磐越西線は完乗となった。会津若松も見所は多いはずだが時間が無く、あわただしく快速会津田島行きに乗り換え。
 2両編成のディーゼルカー、クロスシート。車内にある路線図は会津田島以南の部分しか載っていない。会津田島以南と、野岩線・東武線が全線載っている。ディーゼル車なのだから、会津田島以北しか走らないのだから、走る所の路線図を載っければ良いのに。例によって地図を開きながら車窓を眺めるが、今回私が持参したのは道路地図。県別の地図では、今回何冊も持たなくてはいけなくなるので、広域の道路地図を持っていったのだ。しかし誤算が。会津線・野岩線は駅名が掲載されていないのだった。ドライバーにとっての不要な情報と見なされてしまったのだろう。そのため、どの駅を通過したのかもよくわからないまま会津田島に着いてしまった。会津田島で駅の外に出てみたが、ジュースの自販機があるばかりで、特に何もない。
 ここから先は電化区間。快速浅草行きに乗り換え。東武鉄道の車両。クロスシート・トイレ付きの長距離仕様の電車。へー、東武にもこんな電車あったんだ〜。でも、どうしても外観が東武線の電車なので、通勤電車の様な気がして旅情は涌かない。会津高原で野岩線に、新藤原で東武線に入る。その都度その旨のアナウンスがあるが、直通で乗り換えもないため、三社を乗り入れているという実感はない。勿論駅の看板のデザインとかは違うわけだけど。車掌が来て、鬼怒川公園までの乗車券を買う。なんと、3000円!これが、韓国だったら、約30000ウォンだったとして、一体どれだけの旅行が出来るだろう・・・などと夢想してしまった。韓国は交通費が安いので。
 さて、鬼怒川公園で「鬼怒川温泉岩風呂」という温泉に浸かる。なんと、三年前、職場旅行できた所ではないか!懐かしい。もう一度来るとは思っていなかった。三年前のことが思い出される。しかし、次の快速までは1時間しかない。感慨に耽っている暇はない。大急ぎで入り、大急ぎで洗い、出て帰ってきた。私は汗かきで汗が引くのが遅いので(って、他の人と比べてどうなのかは知らないけど)実際に入浴していた時間は20分もなかったんじゃないかな。何故そんなに慌てたのかと言うと、次の快速を逃すと次は急行になり、急行料金を払わないといけなくなる。次は下今市までしか乗らないので、急行料金を払うのは馬鹿らしい。長距離乗るのであれば、急行に乗った甲斐があり、急行料金が発生するのは納得できるが、短時間乗車で数百円を余分に払うのは馬鹿らしい。更にその急行を一本見逃すとなると次の快速は更に50分後。それでは遅すぎる。それで急いだ訳である。
 よく旅行番組などでは「のんびりゆったり、各駅停車の旅」等と言うが、実はそうではなく、むしろ逆。そりゃ、列車はのんびりしているかも知れないが、乗っている人間は慌ただしい。乗換の旅に席の確保のために走ったり、降りる前から階段のそばに陣取ったりする。食事の確保にさえ事欠いたり。接続が2分しか無く、それを逃すと次は3時間後だったり。それなら食事の確保をあきらめてでも2分後の列車に乗るしかない。そういう旅行が好きでやっているのだからそれで良いのだが、優等列車に自由に乗れた方がはるかにのんびりと旅が出来る、などとこの時思った。
 下今市で乗り換え、東武日光行きに乗る。列車種別が変わっていて「特急接続」となっていた。他に「快速接続」という列車種別もあった。これらは上今市は通過する。「これに乗れば後で特急(快速)に乗れるよ」という意味なのだろう。駅前は閑散としている。小学生の頃林間学校で来たはずだが、記憶にない。駅前の食堂で湯葉蕎麦を食べる。従業員が妙に多く、タバコを吸っていたり、テレビを見て大声で笑っていたり、あまり良い印象がない。由緒ありそうな建物のJR日光駅から日光線で宇都宮へ。日光線は初体験。ロングシート。殆ど寝ていた。宇都宮からは東北線の快速ラビットで一路上野へ。これも眠ってしまった。
 新しくなった上野駅ビル(同行のxeet氏は初訪問だとのこと)でタイ料理の夕食を食べる。体力的にかなり疲れてきた頃に、解散と相成った。。。
 xeet氏、どうもありがとうございました。楽しかったです。

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