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アイヌ民族の器「ニマ」に学ぶ



 アイヌの人々に伝わる木の器作り「ニマ」を知ったのは、秋岡芳夫さんのドマ工房でした。
まるで丸木舟のような形をしている。実際にアイヌの人々は同じ作り方で船を造ったらしい。
大木で作れば船になり、小枝で作れば小さな木の器になる。ノコギリもカンナも使わずに特殊
な刃物を使って作ったという。秋岡さんに教わった作り方を参考に、桜の木から器を作った。
適当な太さの桜の丸太を
適当な長さに輪切りにする。
ちょうど半分に縦割りにする。 工作台に乗せ、丸ノミで外側
(皮の方)から彫り込む。

内側の粗彫りが終えたら
ノコギリで外側を切り、
船の形になるように整える。
ほぼ形は出来上がった。 外側を小カンナで仕上げる。

内側はばんかきカンナで
丁寧に仕上げる。
クリアラッカーで最終的な
仕上げをした。この時に軽く
400番のペーパーで磨いた。
丸太は切るとあっと言う間に
ひびが入ってしまう。こうなる
と、器は作れない。これは切っ
た次の日。実際は切ってから
1−2時間でひび割れは始まる。

出来上がった器はおつまみを入れるのにちょうどいい感じだ。

去る1997年4月18日に秋岡芳夫さんが亡くなりました。目黒のドマ工房におじゃまして、日本に古来より
伝わる木工文化の話を聞く会(木楽)に参加していました。話は木にまつわることから、陶器や食文
化などにも及び、手を使う工作の限りない可能性について数多くの示唆を与えられました。
「手遊び工房」と言う名は、昨年、最後に秋岡さんにお会いした時に、夜遅くまで熱っぽく語っていた
そして、これから始めるんだと言っていた「国際手遊び協会」(仮称)より使わせていただきました。
心からご冥福をお祈りいたします。