6月1日、日本ダービー。普段は競馬をやらない人もやってくる。難波JRA場外馬券売り場は人、ひと、ヒトでごった返していた。そんな人の波に飛び込んだのは11時15分ごろ。ちょうど4レースが確定したときだった。

 ダービーの投票と一緒に次の5レースも買った。中京5レースは障害戦だ。6頭だてと少ない。5番の馬が本命であと6、3、1と人気が別れている。さて、何を買おうかなと考えたが5番からだとあまりに配当が小さいので、5番を飛ばして3-6の1点を買った。発走は11時50分だ。

 ゲートが開き、まず6番が前に出る。続いて1番、あと3、5と続く。おっ、これはいいかもしれない。そんな期待を胸に中継のテレビに見入る。しばらくして1頭が落馬する。実況の声に少しヒヤリとしたがコケた馬は別の馬だ。2番だ。残りは5頭。このうち前2頭になればいいんだから楽なもんだとさらに期待は高まる。

 ところが何故か急に3番の馬が画面から消えた。前3頭は5、6、1番、少し離れて4番が走っている。しかし3番はいない。カメラがひいても3番は映らない。そのうち前の1団が最後の直線に入ってしまった。そしてゴール。結果は1-5。そして6番が入って4番がゴール。・・・おや?3番が映らないまま画面が切り替わってしまった。落馬したとか下馬したとかいうアナウンスもないのに一体3番はどこにいってしまったのだろう。

 3番が行方知れずのまま、テレビには早くもゴールシーンのリプレイが流れ出した。1番人気の5番の馬が余裕のゴールだ。と、そのとき、VTRからではない実況の声が「3番コウエイムテキ、今ゴールイン。完走しました。」と3番の行方を知らせてくれた。

 おいおい!「完走です」って、マラソン中継かい!

 4番に遅れること41秒遅れの大差負け。しかし、1頭落馬のおかげで5着入賞だ。賞金がでる。だから最後まで走らされたのだろう。馬にとっては落馬以上の災難だったかも知れない。

目次へ