4月30日 金曜日
天花起き
上野アメ横で買い物。そのまま歩いて秋葉原。秋葉原は以前よく行っていたのだが、一般人がパソコンを買う場所はここ2年くらい、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、さくらやの3つに移っており、店舗取材はほとんどがこの3つ。パソコンや家電の値段は秋葉も新宿、渋谷も同じだから、10%のポイント還元が付くカメラ量販店にはかなわないからだ。小さな問屋なら秋葉が安いケースもあるが、一般人は足を向けにくい。自分も秋葉の独特の雰囲気は好きだが、ベクトルは違う方向を向いているので、好んで出かける街ではなかったから、たまたま寄った秋葉を歩いてみようという気になったに過ぎない。
現在、秋葉は何で食っているかというと、自作系やショップオリジナルPC、パソコンパーツと中古パソコン。特に中古PC・パーツショップはかなり拡大している。PCの目利きが多いから売るのも安心だし、買うのも安心。企業の需要も多そうだから、それなりに商売になっている。
また、ここ数年はDVDソフトやゲームの成長が著しい。カメラ量販店がソフトにほとんど手を出していないから、競争力も高い。PCや家電の街というより、アニメやゲームの街といっても信じる人は多いはず。
秋葉は流行のサイクルがかなり短い。今よくてもあっというまに寂れてしまう。今日、久々に歩いて、なくなってた店もあれば、大手が店舗を買い取って営業しているところもあった。また、秋葉は単独の飲食店や喫茶店が多かったが、最近はチェーン店も増えている。マクドナルドができたのは1999年と比較的新しく、できた頃は滅茶苦茶浮いていた気がするが、すでにランドマークとして十分機能している。
秋葉原は、常に時代の最先端を走っており、姿を変えながら成長してきた。だから、街が変わっていくのは、とても健全であり、それが秋葉のバイタリティでもある。
現在、
駅前に2棟の超高層ビルの建設が進んでおり、2006年にはIT関連産業の世界的な拠点として生まれ変わり、再び注目を集めるに違いない。
夜は元気いいぞう30日夜会
中野ハルコロへ
元気さんの落語久々
脈絡のないことをただしゃべっているだけなのだが、それがよどみなく、スラスラ続く。かといってまったく意味がわからなくもなく、話と話の間が抜けているわけでもなく、不思議な感覚。内容はあえていえばプークの前座を勤めることが多い快楽亭○くんにも近いといえるが、そのレベルはまったく違う。不快にならないというか逆にどんどん引き込まれていく感覚。
大友さんは、バスリコーダーを使って1人ハモリを。すっかりゲストとしてなじんでとてもいい会になっている。
4月29日 木曜日
天花起き
GWはじめ。
日記書いたり原稿書いたり。
4月28日 水曜日
天花起き
いつもの水曜日。
浅草中劇
『
ニューオーリンズ・トライアル』(2003.1)観る。ジョン・グリシャムの『陪審評決』(新潮文庫)が原作。
陪審員が出てくる法廷もの。興味をもった分野の類似ジャンルを観るのが好きなので。
対決は、銃器メーカー対銃の乱射事件で夫を失った女性。それぞれに弁護士が付く。
裏で暗躍するのが銃器メーカー側の弁護士についた悪徳陪審コンサルタント。有利な評決を下しそうな人を陪審に送り込む仕事。コンサルタントは陪審候補者たちのプライバシーや性格などを徹底的に調査し、銃が好きだったり、銃に敵意をもたない人が陪審に選ばれるように被告側弁護士にアドバイス。ところがある日、原告側弁護士と陪審コンサルタントの元に、「評決売ります」と書いたメモが届く。
陪審員の中に経歴が謎の青年が1人紛れこんでおり、陪審員の評決を自在に操れるという。
ハイテクを駆使して陪審員を探る陪審コンサルタント。電話の盗聴、盗撮、聞き込みを重ね、後ろ暗い過去のある陪審を脅して脅迫することも辞さない。裁判所や陪審室での法廷シーンと、コンサルタントと謎の陪審員一味との間で繰り広げられるサスペンスシーン、それぞれの駆け引きが見どころ。
これを観ると、アメリカの陪審員制度についてよくわかる。
ある日突然、陪審員招集令状が届く(郵送だった)。
↓
裁判所に行くと40人くらいの候補者がいて、判事からの簡単な質疑応答があって、原告、被告側の弁護士がいる、いらないを決めていく。両方が「いる」といえば選ばれる。
(陪審コンサルタントは事前に調べた個人情報をもとに欲しい陪審員(銃社会に賛成しそうな人)を選ばせる。
↓
結局12人の陪審員と3人の補欠が選ばれる。
・陪審員の招集が来たら、義務なので断れない。
・評決は12人の全員一致が原則だが非一致でも構わない(映画では9人以上とかいってた)。
・陪審員は日当が16ドル(日本円では1660円)
陪審についての詳細は、埼玉陪審フォーラムのページあたりが役に立ちそう。
実際は陪審裁判が開かれるケースは数%程度らしいのでひんぱんに開かれているわけではない。
映画なので、陪審員についての記述はかなり乱暴なところもある。物語としても、軸になる人間の描き方が不十分という印象は拭えない(というか、脇がジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンだから仕方ないかも)。とはいえ、陪審先進国のアメリカの状況や(銃社会のことも含め)、法廷&ミステリーの奥行きが広さがわかった点は勉強になる。
日本では落語や講談の「政談もの」(大岡越前が出てくる)や時代劇の遠山の金さんから始まり、近代の刑事モノ、法廷モノと進んできた。陪審が加わることでドラマにも厚みが出るし、人間も描きやすくなりそうで、結構楽しみだっりする。
浅草の映画館は、2本立てで当日1300円意外と掘り出しものの映画がやっている。
もう1本は『
コンフィデンス』。古典の詐欺映画っぽいストーリー。映像は耽美的。短いのがいい。
4月27日 火曜日
天花起き
すごい風。ビニール傘があっと言う間にダメになった。
15時
NTTドコモ 506iシリーズ発表会
原宿クエストホール
ドコモのケータイは次世代のFOMAへ本格的に移行したため、506iは、505iのマイナーチェンジ。しかも、夏ころにはフェリカ(JRのスイカやam/pmのEdyカードが採用している非接触無線チップ)搭載機が出る(ソニーと松下製)ので、今回は富士通、三菱、NECの3社。
ケータイの機能というより、カメラの機能に重点が置かれており、ほとんどデジカメの世界。
NECは、NECとして初めてリバーススタイル採用。
富士通は、200万画素でオートフォーカス。
三菱は、自分の声でシャッターを切れる。
その変がウリ。
カメラも開いて撮るというより、閉じたまま撮るがこれからの主流になる。去年あたりからケータイ開いて撮るのがイヤで、めっきり撮影機会が減っていたが、200万画素CCD搭載して、閉じたまま撮れるなら、使ってもいいかなと思う。
原宿から歩いて表参道へ。
見かけたオリエンタルバザーがオモロ。
外人用の日本みやげ店と化しており、客がほとんど外人。
「武士道」「東京」みたいなTシャツが1000円くらいで大量に売っていたり、火鉢やタンスや大福帳みたいなインチキそうな骨とう品も多数。
サザエさんの対訳本
The Wonderful World of Sazae-san
なんかも。
東京ぶらぶら歩きは楽しい。
19時 鶴瓶噺2004
青山円形劇場
24日〜28日までの5日間公演。今年で11年目。
発売日即ソールドアウトだったが、iさんの厚意で今年も。全日通うiさんもスゴイ。しかも毎年!
最初1時間30分は、いつものように立ったままのフリートーク。ここのネタは毎日変えているといっていた。マネージャー西尾氏の話、フジの27時間テレビの例の事件の話と変えていったようだ。
で、4日目は鶴瓶師が自分を見つめて。。。といった話。いかに芸能人オーラがないかということを短い漫談でつないでいく。木梨、中井貴一で食事中、写真を撮ってくれと言われた時、なぜか鶴瓶師だけのツーショットを頼まれた、和歌山のサウナでおばちゃん従業員に囲まれた、ゴルフのキャディさんや初めて行った居酒屋で、お客さんに中国人に間違えられたなどなど。おなじみのネタもあれば、今回初?のようなネタもありあり。計算しつくされた感じで、つないでいく。漫談の構成が抜群にうまい。
ネタとネタのつなぎというか、ネタへの入り方が微妙に昔々亭桃太郎さんに似ているなあと思ってiさんに言ったら、昨日来てたtさんもそう言ってたって。桃太郎お友だち効果が出ているのかもしれないなあと思いながら。
10分の中入り後、今回初の試みとして落語へ。今回のために作った「私落語」とか(私小説を落語に置き換えた)。主人公は鶴瓶師自身。時代は、松鶴師が元気だったころで、鶴瓶さんの修業時代。弟子の家に深夜、傘を持って押し掛けて暴れて帰っていった松鶴師。なにやら悪さをしたのがばれたと思った弟子連中が、どんな悪さをしたのかとお互いに白状しながら謝りに行く・・・。
実際に起きたことをベースにフィクションで味付けしながら落語にしてったって感じ。話の骨格は船徳の前半。
スタンダップの漫談スタイルでやってきたのに、なぜ今ここで落語? とも思うが、現在の鶴瓶師を考えると、こうなるのも仕方ないというか、アリのような気もする。本格的に落語を始めて1年ちょっとだから、頭の中が落語モードになっている感じ。落語を知っている人にとってはわりと当たり前に思ったり、新作落語になじみが深い人には、これといった目新しさを感じることはないが、周りのスタッフにとっては目新しいことに挑戦してると映る可能性もある。落語はスタッフからのリクエストといっていたから、鶴瓶さんは、落語を鶴瓶噺でやることのデメリットをわかってたかもしれないし、そうでなかったかもしれないしわからない。
2003年5月から2004年4月までの鶴瓶さんをの一年を振り返るという裏コンセプトがあるなら、それもありかな。
しかし、笑福亭一門はわたしにもよくわからないから、タレント鶴瓶を見に来ていた人はちんぷんかんぷnかも。まあ、キャラクターはマクラで十分すぎるほど説明したので、誰でもその世界にすぐ入っていける。そうするところが鶴瓶さんの偉いとこというか、お客さんのことをきちんと考えた細かい気遣いなのである。
帰りは久々のyくんとiさんで軽く飲んでお開き。
4月26日 月曜日
天花起き
もういい加減と思って見ているが、改善の兆し少なめ。東京編に入ってどうなるか。
終日、家で原稿書いたり、本読んだり。
4月25日 日曜日
9時起き
日記書いたり原稿書いたり。
レンタル期限。ビデオで『12人の怒れる男 評決の行方
』(97年)を見る。ホントはヘンリー・フォンダ主演の57年版を見たかったがビデオがなかったから、ジャックレモンのリメイク版で。
スラム街に住む18歳の少年が、父親をナイフで刺し殺したとして死刑に問われる。12人の陪審員たちは、殺人事件に対する評決を下すことになった。評決は全員一致が原則。状況証拠や証言から被告の有罪は間違いがないように思われる。11人が有罪とする中、1人の陪審員が証拠に疑わしき点があるとして「無罪」を主張。評決はどちらに下されるのか。といったストーリー。知っている人にはあまりにも有名な話で、映画でありながら舞台はほとんどが陪審員室で、舞台劇のように進む。
日本で裁判員(陪審員)制度の導入が議論されているので、一度見たかった映画。人間ドラマだから、単純に裁判員の参考になるわけでない。とはいえ、単にアメリカだけの法廷ドラマと漠然とみるのと、自分が裁判員に指名されたらと思って見るのではちょっと違う。
日本の栽培員制度は、現在、国会で審議中で、今国会で成立確実、2009年には始まりそうな見込み。とはいえ、裁判員とはどんなものかとイマイチわかってない。(日本でも昭和3年から18年まで陪審裁判が行われていたみたいですね)。現状では、裁判員に指名されたら会社を休まなければならないとか、秘密を漏らしたら懲役や罰金がある、指名されたら断れないのかといった制度的な問題が聞こえてくるばかりだ。
アメリカには陪審を舞台にした法廷ドラマや映画が多数あるので、これらを見れば雰囲気はつかめそうだ。どっちみち、議員さんだって映画やドラマみて勉強している人が多いだから似たようなもんだし。
一番みたかったのは三谷さんの「12人の優しい日本人」。残念ながら、レンタル中だったのでまたの機会に。
4月24日 土曜日
10時起き
昨日の焼酎がややあたり気味。
一日中体調悪。
『柳家一琴の会』。中野・芸能小劇場へ。
会のゲストは女性活弁士の桜井麻美さん>2年前に初めてみた活動写真のときも桜井さんだったから今回が二度目。
活弁士とは、無声映画のナレーター役。ストリーを進行させると同時に役者として登場人物のセリフも再現する。チャップリンやキートンの映画なら知っている人も多いはず。活動弁士は日本に10人程度で、女流の弁士さんが多い。たぶんそれだけでは生活できなさそうだから、いろんな仕事をやりながら弁士を続けている感じ。
桜井さんが選んだ映画は『雷電〜涙の土俵入り』。牧野省三監督、1928年の作品。
諸大名が召抱えている力士によって行なう将軍家御上覧角力(相撲)が初めて催された。有馬侯お抱えの雷電は九日目に強豪谷風も倒し、破竹の9連勝を続ける。全勝まであと1勝。ところが、母親危篤の報。駆けつける雷電だが、実は母親の狂言。雷電は、あまりの強さから諸侯、老中をはじめ市中の人々から反発を買い、すっかり悪役になっていた。そんな子どもを見かねた母親。もし全勝でもしようものなら・・・と雷電の身を案じた母親は、わたしのために負けてくれという。母親のためにそれを認める雷電。一方、有馬侯とは犬猿の仲の佐竹侯が、雷電を倒す相手は我が藩より必ず出すと云ったものの見つからない。そこで偶然目に止まったのが、町医者の藪井竹庵。身体はひょろひょろで雷電とは体格差が歴然。果たして・・・というストーリー。雷電と藪井竹庵のコミカルな動きが見どころ。
弁士さんは、上映する映画を手に入れたらそれを自分で台本に起こす。ナレーションと台詞で構成される一種の話術だから、誰でも簡単になれるわけではない。弁士の腕で物語りが面白くなったり面白くなくなったりする。
弁士や活動写真を気軽に見る機会が少ないのが残念だ。
芸小の開場スタッフ入れ替えで仕事が異常にできない。あまりの不手際で一琴さんが可愛そうになる。詳しくは
一琴さんの4月24日の日記を。
DVDで「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」
小切手ってアメリカでは普通なんだろうか。その変がピンと来ないが
4月23日 金曜日
天花起き
夕方、『さくらと小一朗のポスト虎造浪曲』第一回。中野・planBへ
ゲストに「ビッグイシュー・ジャパン」の販売員の方2名。
ビッグイシューとは駅の街頭でホームレスの人が1冊200円で売っている雑誌のこと。ホームレス支援のためにイギリスで始まった。日本版は2003年9月創刊で、月刊で発売。30p程度の薄い雑誌で、記事の内容は英語版の翻訳したものや日本独自に編集した記事が多岐に渡る。例えば、今月はアウトキャスト(ヒップホップアーティスト)のインタビュー、うつ病、アメリカのBSE問題などなど。
販売の仕組みは以下のとおり。
まず、1冊200円の雑誌を10冊を無料で受け取る。これを全部売り上げると2000円。
以後は定価の90円で仕入れてそれを売る。1冊あたり110円の利益が出るわけだ。
一日に50冊仕入れて、全部売れれば純利益が5500円。簡易宿泊所(1200円)に泊まれて食事もとれる。
ゲストの2方の話を要約
・購入者層はビジネスマン
・上野、東京、新橋などビジネスマンがいる駅を移動する
・夜のねぐらはマンガ喫茶
その2方とも段ボールハウスで暮らしたことはないという。彼らは段ボールハウスの人々を筋金入りのホームレスと言っていた。1方は、4年前まで現役バリバリのサラリーマンで、成績もかなりよかったとか。そのせいか、売ることが生き甲斐で、お客さんとのコミュニケーションも楽しいと。
話の中でローマの「ヴァレンティ通り」という名前が出てきた。ヴァレンティ通りは、架空の住所を取得する事で、ホームレスが行政サービスを受け入れられるようにしたもの。行政が保証人になってくれることで、社会復帰を目指すホームレスを支援している。
1人のゲストはホームレス歴1年未満だが、ホームレスになるといろいろと不都合があることがわかったという。就職試験を受けても家がないと連絡できない。お金ができてアパートを借りたくても、現住所がなくて身よりがないとなるとアパートも借りられない。
結局、住所がないといろいろ不便なことがあって社会復帰は難しいようだ。
でもって、この会だが何ともいい難し。
言いたいことを言いたいだけなのか、お客さんを満足させたいのか、今回を見ただけではわからない。
『喜劇駅前高校』
ストーリーは高校生のよくある三角関係。そこに日教組のイデオロギーがからむのだが、物語上では別物扱いで描かれている。イデオロギーの対立もなければドラマとして何かを克服することもない。
『喜劇駅前番外地』
ホームレスを支援する巨乳の神父さんがオカマだったという話。こちらもギャグをやりたいのか何かを伝えたいのか話が未整理。
どちらもネタ下ろしだろうから、整理できてないのも仕方ないし、これからどんどんよくなっていく可能性はある。
今回、浪曲を生まれて初めて見に来たお客さんが多そうだったから、マイナスイメージを植え付けてしまったかも。ももこさんの「壺坂霊験記」が唯一の救いか。
ビッグイシューのゲストはとても興味深かった。小一朗さんの対談の進め方はスムーズだし、バランスも取れている。
でも、ビッグイシューを観客全員が知っている前提で進めてしまった。
ビッグイシューには上記で説明したような仕組みや歴史があるが、観客席でそれを知っている人は何人いたか疑問。実際、隣に座った落研の後輩はビックイシューは何のことかしらなかったしなあ。舞台に不慣れな人たちは、観客にわかりやすく伝える余裕がないのが残念。自分で精一杯だからなんでしょうが、せっかくの企画がもったいないなあと。
帰り、中野富士見町近くの居酒屋で後輩2人と飲む。
4月22日 木曜日
天花起き
朝からゲラチェック
たまった日記書いたりいろいろ。
テレ朝のドラマ「電池が切れるまで」見る。長野県のこども病院が舞台。安曇野の風景が美しい。
これで今クールのTVドラマはひととおり見たわけだが、とりあえず続けてみようと思ったのは「ホームドラマ!」(TBS・金曜)だった。全体のトーンはかなり好み。初回のバスの事故のシーンはリアルだし、キャラクターもはまっている。タイトルと「血のつながりがない8人が、事故をきっかけにひとつの家に住み、家族として絆を深めていく」とウリ文句を読むだけでは面白いとは思わないのが残念。少し大人びた井上真央が出ているのも見どころ。あとは「オレンジデイズ」「アットホーム・ダッド」は見ることになるかな。
4月21日 水曜日
天花起き
かわら版事務所へ本を返しにいく。30冊以上あるので重い。
いつもの水曜日。
渋谷でかなり時間ができたので、青学キャンパスで時間をつぶす。
すごく居心地がいい。
18時30分
浅草・木馬亭。『玉川福太郎の徹底天保水滸伝』第一回へ。玉川福太郎はキャリア35年の浪曲師。天保水滸伝(てんぽうすいこでん)は、江戸末期の天保年間に二人の侠客(きょうかく)が利根川水域で繰り広げた抗争を描いたもの。
今回の企画は、長編の天保水滸伝から五つの名場面を集めて物語の全体の流れがわかるようにした。第一回は主役の1人、笹川繁蔵が千葉の東総に流れついて笹川一家の親分になる過程を描く。
造り酒屋の次男として生まれた繁蔵は身体が大きくて頭脳聡明。ふとしたことで土地のごろつきを死なせてしまった繁蔵は、江戸へ逃げて相撲取りになる。横綱の不当な仕打ちに我慢できなくなり、ケンカをして再び故郷へ戻る繁蔵。任侠の道に入った繁蔵はその腕力、頭脳、人望の厚さであっというまに親分に昇りつめる。
福太郎さんは声も大きいし、節もいいから聞いていて疲れない。導入部の話だが、親分になる人間の器の大きさが魅力的に描かれている。天保水滸伝全体はいろいろなキャラが出てくるが、今回の主役は繁蔵。その親分キャラの魅力をどう描いていくかがポイントになる。その点でいくと福太郎さんは骨太な感じで描けるので迫力満点だ。
毎回ゲストを呼ぶことになっていて、第一回は小沢昭一さん。天保水滸伝の作者・正岡容の弟子ということで、正岡の想い出や浪曲の原点は神仏を祀るときの祭文みたいなルーツ話を。灰神楽三太郎のさわりのさわりのさわりを。
玉川美穂子さんの浪曲を初めて聴く。節も啖呵もブレがないというか、バランス感覚は一番のような気がした。飛び抜けた個性で聞かせるというより、作品の力をそのまま伝える力を持っているというか。
さすがに初回の今回は超満員。6時35分についた時点ですでに立ち見。立ち見も場所がなくて舞台にあがって見るお客さんもいるほどだ。庶民的な年配の方がほとんどだが、若い人もいる。若い人というのが逆にトンガったタイプが多いから面白い。