TOTO MindFields


TOTO MindFields



TOTOの New Album 、「 MindFields 」が発売されました。ヨーロッパのチ
ャートでも 14 位、日本のアルバムチャート(チャート名は不明)でも9位に
ランクされたそうで、長年のTOTOファンの私としては嬉しい限りです。
去年発表されたお蔵入り集「 TOTO XX 」には最後のライブナンバーを除いてち
ょっと不満だった私も、今回の「 MindFields 」の出来には大満足です。

アルバムの発売より前にTOTOの来日公演をプロモーターからのダイレクト
メールで知った私、そのDMであの Bobby Kimball が復帰したのを知りまし
た。TOTOのコンサートは Jeff Porcaro の 92 年の衝撃の急死以降のコン
サートしか行ったことのない私、 Bobby Kimball どころか、 Fergie
Frederiksen や Joseph Williams さえも実物で見たことない私。オリジナルの
Bobby の復帰公演は非常に楽しみです。ただ、 Vocalist としてはあまり好き
ではありませんが。なぜって、声が非常に聞き苦しい。特にハイトーンヴォイ
スが。

それはさておき、 Bobby が復帰するとなると、もうしばらく演奏されていない
「 Turn Back 」からの曲も演奏されるのではないかと楽しみです。

さて、今回の「 MindFields 」ですが、一時見せたハードロックへの傾倒はほ
とんど見られず、相変わらずフュージョンぽい曲が多いです。まあ、2曲目の
「 Mysterious Ways 」7曲目の「 Caught In The Balance 」や9曲目の「
Mad About You 」にハード・ポップ・ナンバーが見られる程度でしょうか? 
そういえば「 Mad About You 」はどことなく、「 Seventh One 」の「 Can't
Stop Lovin' You 」に似ているなと思ったけど、クレジットを見ると「 David
Paich and Joseph Williams 」になっています。恐らく 「 Seventh One 」
制作時に書きためたもののひとつなのでしょう。しかし、こうしたハード・ポ
ップ・ナンバーになると Bobby 節の本領発揮と言ったところですが、「 No
Love 」や「 Better World 」のような繊細な曲はしっかり Steve Lukather が
歌っています。それにしても2枚のオリジナルアルバムでリードシンガーを努
めた Luke 、ヴォーカルが本当にうまくなっています。ただ、ハードなこぶし
やハイトーンな声はまだ出せそうにないですけど。

今までのTOTOは女性の名前を題名にした Love Song が多かったけど、今回
のアルバムはあまりそういったひとりの女性に対する思いを綴った曲は少な
く、反対に「 Better World 」のような深刻な意味を込めたメッセージソング
や「 Spanish Step Of Rome 」のような抽象的な Love Song が目立つのが
印象的です。度重なるメンバーチェンジによる「 Isolation 」以後のアメリカ
での人気の落ち込みや Jeff Porcaro の死、そして新しいメンバー、 Simon
Philips を迎えての復活。多くの危機を乗り越えて内面的(詞も曲も)に深み
を増してきたのがわかります。

とにかく来日公演を前にこんな素晴らしいアルバムを届けてくれた彼らに感謝
します。そして 4/17 の東京国際フォーラムでの彼らの再会を楽しみにしよう
と思います。



                        1999年3月28日

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