Olivia Newton-John New Album "Back With A Heart"


Olivia Newton-John New Album "Back With A Heart"



昔、日本でも一世を風靡したにも関わらず今、ほとんど存在が忘れられている
アーティストのもうひとりの例としてオリビア・ニュートン・ジョンも挙げら
れるのではないだろうか?

もっとも今、反町隆史の恋人でマスコミの注目を浴びている稲森いずみが出演
しているCM「アサヒの十六茶」のBGMに彼女の全米No.1ヒット曲「そよ風
の誘惑」(Have You Never Been Mellow)が使われているので曲を聴けばピンと
来るという人も多いのではないだろうか?

そのオリビア・ニュートン・ジョンが先月ニューアルバムを出した。実は私も
大阪有線のホームページをチェックしていて、彼女がアルバムを出したことを
始めて知った。タイトルは「Back With A Heart」。アルバム邦題はついてい
ないけど、「心をこめて戻ってきました」だろうか? 確かに聴いてみると彼
女のデビュー当時を彷彿させる静かなカントリー風の曲が多い。1曲目の
「Precious Love」から「そよ風の誘惑」のようなメロディアスなバラード
だ。ただこの曲の導入部と終わりにはタイタニックのテーマのようなシンセが
使われており、中間部には短いけどロック風のエレキギターソロが入ってい
る。しかし全体的にはアコースティックギターを全面に押し出したスローで爽
やかな曲だ。2曲目の「Closer To Me」などはストリングも使われており、ま
すます「そよ風の誘惑」だ。とにかくアルバム全体を通じて「そよ風の誘惑」
っぽい曲が多いのだ。5曲目の「Under My Skin」はフォリナーのような軽快
なハードナンバーだ。

オリビア・ニュートン・ジョンはとにかく昔は日本でも大人気だった。70年
代中頃、私が小学生の頃、広島には「柏村武昭のサテライト No.1」という人
気ラジオ番組があり、「マンガ道場」で全国区の人気にもなった柏村武昭が司
会で、ダイイチ今のデオデオの広島本店の中にあるスタジオを使って公開生放
送でやっていた。その「柏村武昭のサテライト No.1」では76年くらいには
いつもリクエストで彼女の「ジョリーン」や故ジョン・デンバーのカヴァー曲
「カントリー・ロード」がかかっていた。とにかく彼女の人気は凄まじく小学
生だった私もファンになり、この2曲シングルを買ったほどだった。(ただし
ジョリーンは抽選でもらったものだけど)

81年の「フィジカル」では軽快でパワーあるナンバーで新たなファン層を開
拓し、これまた日本での人気をつかんだ。やはり「サテライト No.1」でもし
ょっちゅう「フィジカル」はかかっていた。また同時期にはELOと組んで
「Xanadu」のサントラも作り、ELOの演奏で歌った「Xanadu」のメインテー
マもこれまた大ヒットして、今でも大抵のカラオケ店でこの曲は歌える。
84年の「Sourl Kiss」はあまりのエロティックな作風に度肝をぬいたけど、
こちらは対して話題にならなかった。

で、オリビアというとプロデューサーはジョン・ファーラーと相場が決まって
いたけど、このアルバムでは「Closer To Me」と「Under My Skin」の2曲が
ジョン・ファーラーのプロデュースで、あとはDon CookだのGary BurrだのTony 
Brown,Chris Farren,さすがの私でもこのあたりの名前は初耳ばかり。まあ
詳細なクレジットはオリビアのホームページに記述されているのでそちらを見
て下さい。
あ、11曲目の「I Honestly Love You」はDavid Fosterのプロデュースだ。
この「I Honestly Love You」、シカゴの昔のアルバム「シカゴ16」や「17」
で見せたようなシンセを全面に押し出した「フォスター節」というよりは彼自
身のアルバム「The Best Of Me」で見せたようなシンセを少し押さえた爽やか
なスローポップと言った感じである。

ところで日本盤には2曲のボーナストラックがついているのだが、そのうちの
1曲が「そよ風の誘惑」。しかも昔の録音そのまま使われている。リマスター
かどうかはわからないが。やはり「アサヒの十六茶」にあやかってということ
か。


                        1998年6月21日



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