Night Ranger, Live At Tokyo


Night Ranger, Live At Tokyo




7月4日、その日はアメリカ独立記念日。そういえば、古いシカゴの曲で、
「Saturday In The Park」という曲があったけど、今年、1998年はそれがぴっ
たりの年になった。

だが、この日私が行ったのは、シカゴとはまるで正反対の明るいハードロック
バンド、「Night Ranger」。まさしくアメリカといえる底抜けに明るい曲ばか
り、そしてメンバーも明るいヤツばかり。一度彼らのコンサートを見た人はわ
かると思うが、とにかくよく喋る。コントめいたこともやる。おどける。本当
に観客を楽しませようというプロフェッショナル意識が強い。

私にとっては2度目の「Night Ranger」。去年の4月、当時いた福岡で見た。
この時は数百人程度しか入らない小さなライブハウス。小さいホールだけあっ
て、彼らの汗、熱気が伝わってくるライブで、非常に楽しかった。

今年は東京・中野サンプラザ。2千人から3千人は入る大きなホールである。
観客は若い連中が多い。カップルが多い。二十歳そこそこのカップルが多い。
彼らはもともと80年代半ばに活躍し、一時Jack BladesがTommy Shawとバンド
を組んで「Night Ranger」自身は活動停止していたけど、2年前に再結成。再
結成後の彼らのアルバムが若い連中にも受け入れられたようで、嬉しい。

コンサートは「New York Time」で始まった。ノリのいい曲にホールの前半分
は盛り上がっている。しかし私がいる20列目はノリが悪い。手を振る人がい
ない。コーラス部で歌う人もいない。私の前3列のカップル、特に女の子は
コーラス部分では手を振ってノッテイルのに、私の周辺は総立ちではあるが、
黙ってステージを見ている。2曲目の「Sign Of The Times」。ニューアルバ
ム「Seven」のオープニングを飾るノリのいい曲である。しかし私の周りはノ
ッテくれない。この曲は私も好きだ。コーラス部の「Sign Of The Times...」
と私も手を振って大声で歌った。しかし周りは突っ立ったまま。私ひとりが浮
いた感じだ。
Kellyが歌う「Sing Me Away」。去年のKellyは非常に苦しそうなヴォーカルだ
ったが、今回は声も良く出ている。

中間部は「Don't Ask Me Why」などのバラード曲でしっとりとした曲が続く。
こういう時はさすがに私も座りたい。でも誰も座る人はいない。もうだいぶ2
時間のコンサートが体力的にきつい年頃になった。

去年の福岡のラストでは彼らは「Rock In America」だった。アンコールの取
にこのノリのいい底抜けに明るい曲を持ってきたが、今回の東京では彼らはア
ンコール前のラストだった。そうするとアンコールのラストは「Don't Tell 
Me You Love Me」か?

やはりそうだった。Let Him Runなどのバラードを2曲やった後、「Don't 
Tell Me You Love Me」をぶつけてきた。「Rock In America」で明るく終わっ
てほしいな、と思っていたけど、この曲の強いギターフレーズに会場全体が盛
り上がる。うーん、この曲のラストもいいな。

コンサートは5時に始まったこともあって、終演後会場を出るとまだ日が出て
いた。日のあるうちにコンサートが終わったなんて始めてである。

しかし中野サンプラザは音響に難がある。思いっきりディストーションがかか
ったギターなんぞ歪んでハウイングが酷くて耳が痛くなる。帰りの電車の中で
は難聴で、車掌の言うことがほとんど聞き取れなかった。

                                                             1998/7/4


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