Air Supply New Album "The Book Of Love"


Air Supply New Album "The Book Of Love"



最近、日本ではあまり洋楽が聴かれないためか、懐かしいアーティストがアル
バムを出してもほとんど無視されているようです。

例えばエアー・サプライ。
1981年の「Lost In Love」の全米No.1。そして1983年には「渚の誓い」
(Making Love Out Nothing At All)が日本でも大ヒットしてドラマの主題歌に
もなった。また1986年には「It's Not Too Late」がコマーシャルソングにも
使われた。しかしその後はパッとしない。
今年初めにはアルバム「The Book Of Love」が発売されたけど、ほとんど注目
されていない。私も大阪有線に加入して毎週洋楽新譜のページをチェックして
いて、そこで始めて知ったくらいだ。最近は私もあまりレコード店に入らない
から有線とBURRN!以外で新譜情報はあまり目にすることがない。
で、その出来ですが、あの「カラッと晴れた海辺のラブソング」というエアー
サプライのイメージとはちょっと違う。まあバラードを売りにしているところ
は変わりはないが、サウンドがどこか湿っている。近いアーティストという
と、そうだなあ・・・・ 「Babe」や「Don't Let It End」のスティクスと言
ったところか。実際このアルバムでのラッセル・ヒッチコックのヴォーカルは
デニス・デ・ヤングそっくり。女性の声そっくりだった昔とは違って声が太
い。か細かったグラハム・ラッセルも少しは歌がうまくなっている。まあ、か
細さは変わっていないけど。
このアルバムでの私のお薦めは「When I say」と「Day Break」。「Lost In 
Love」や「渚の誓い」(Making Love Out Nothing At All)と同じスローバラー
ドだけど、だけど今一つインパクトに欠けるきらいはある。ラッセル・ヒッチ
コックが切々と歌い上げた美しいバラードだけど、パワーが感じられない。
まあ「渚の誓い」は大げさなサウンド作りで定評なジム・スタインマン(フッ
トルースのサントラで、ボニー・タイラーが歌った「ヒーロー」の作曲及びプ
ロデューサー)が作曲・プロデュースしているので、大げさなくらいパワーが
あるとも言えるけど。

まあ「海辺」というイメージは外れてはいないけど、「誰もいない冬の海」が
ぴったりなバンドになったような気がする。低迷する彼らの心境がそのまま表
されている。そういえば今年彼らはツアーをやるそうだけど、アメリカとオー
ストラリアでの小規模なツアーらしい。
詳しいツアー日程やアルバムのクレジットはエアーサプライのオフィシャル
ホームページ
を見て下さい。

                        1998年6月21日

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