Deep Purple In Concert, 2001 in Tokyo




最高だった!
ロックとクラシックがこんなに素晴らしく溶け合うなんて。

コンサート自体はオーケストラが開演直前に勢揃いしてチューニングを行い、雰
囲気はクラシック。ライトが落ちて、指揮者とジョン・ロードが現れる。ジョン
は「日本語で一度挨拶したいと思っているが、難しいので、ご勘弁を」と前置き
して今日のコンサートの趣旨を英語で説明する。「いつものパープルのコンサー
トと違って静かな雰囲気の曲が多いです」といってジョンがオーケストラとの競
演のために作った歌曲風の曲を演奏する。ボーカルはイアン・ギランと3人の女
性コーラス。

次になんとロニー・ジェイムス・ディオが登場し、彼の曲を数曲披露。ううん、
イアンとは比べものにならないくらい素晴らしい歌唱力。今回チケットを買った
5千人の多くは彼を見にきたのだろう。私も彼を見るのは初めてだが、未だレイ
ンボウファンから絶賛されている理由がわかる。ジョー・リー・ターナーと比べ
ても遙かに素晴らしい。

そして何曲かまた短い曲オーケストラと競演。クラシック部分とロック部分が交
互に入れ替わる曲やビッグ・バンドのスタンダードナンバー。ジャズっぽい曲な
どいつものパープルとはちょっと違った演奏。ストリングスやブラスがあるとレ
パートリーが広がります。

15分の休憩の後、今度は3楽章から成るコンチェルトを演奏。演奏の前にイアン・
ギランが説明する。第一楽章はオーケストラとバンドの力のぶつかり合い、第二
楽章で少し溶け合い、第三楽章でひとつになる。そんなことを言っていた。

その説明の通りだった。まさにオーケストラとパープルの真剣勝負。しかもクラ
シック部分も半端じゃない曲の構成。ショスタコビッチを思わせる前衛音楽。バ
ンドの演奏もこれまた前衛的なフュージョン。

曲が終わった後、誰もがスタンディング・オベーション。本当に感動だった。

そしてPicture In Home。最初オーケストラの前奏があるところがいつものライ
ブと違うところ。

アンコールは当然Smoke On The Water。はじめてみんな立ち上がり、熱唱。ここ
でロニーが再登場してイアンとデュエット。しかしこの曲だけはイアンが勝って
いた。

ロイヤル・アルバートの音源を聞いたことがなかったので、「ロックにオーケス
トラなんて」と思ったり反面どんな演奏、ライブになるのか興味本位で行ってみ
たがこれだけの感動を得ることができるとは?

ロニーの曲やSmoke On The Waterではオーケストラの存在意義がなく、かわいそ
うだったが、楽団もあの素晴らしいコンチェルトの出来には満足でしょう。

                                                          2001 March 24th
                                                          東京国際フォーラム