蟲師

新番組。蟲アニメ。昆虫じゃなくてもっとカンブリアンな感じ。 ギンコがしんらの所を訪ねる。 左手で書いた物が生き物になる人。 それ自体不思議だけど、話はしんらの婆さんの方がメイン。 しんらの話はこれで終わりなのかな。 ギンコの中野裕斗の声はどっかで聞いたと思ったらレジェンズか。 すごく雰囲気のある作品だ。 いかにもアフタヌーンで、いかにも深夜アニメ。 監督・長濱博史。

石の蔵の中に光で目が痛む病気のスイ(岡明子)がいて、ギンコが来て治療する。 目から蟲が出てくるシーンがいい感じに気持ち悪い。 なんか掘骨砕三的だ。 そもそも何で蟲が入ったんだろう。

音を食う蟲が耳に入る。そっちは塩で簡単に治療できて、静寂を食う蟲がメイン。 蟲が耳に入った時の音響効果がすごいな。 実は耳を塞ぐだけだった。じゃあなんで今まで治らなかったんだろう。 聴覚はそれなりに感度はいいんだけど、ダイナミックレンジが狭いので聞こえない音がある。 そんな話。

予知夢の話。 予知夢で村の役に立っていると思ったら、実は夢が現実になる蟲だった。 じゃあ津波は蟲とは関係無い普通の災害だったんだな。それさえ無ければ普通に薬を飲み続けただろうに。 村は全滅したままだし男も死んじゃうしギンコは特に何もしてないし。救われない話だ。 間ってあわいって読むんだな。

移動する沼と一緒にいるいお(佐藤利奈)。髪の毛が緑色でも特に違和感を感じない感性が悲しい。 溺れたんじゃなくて生贄だったのね。 猟師町で暮らしていくことにする。よく復活したな。綺麗にまとまってる話だ。

月に一度しか舟の出せない島で生き神になったあこや。千葉千恵巳、痴呆キャラ巧いな。 こっそり調べるアプローチは珍しい。 毎日老化したり復活したりするのは、寿命が一日の蟲の時間と同調していたから。 種それぞれの時間の流れ方の話。何気に毎回科学的だな。ファンタジーというよりはSFに近い。

二人で虹を追いかける。 自然現象に近い蟲らしい。 今回の話はなんか難しいな。 ところで、虹という字は何で虫扁なんだろう。

海上で巨大触手生物に嫁(みちひ;清水香里)がさらわれる。 帰りたいと思わないと陸が見えないとか、中では蟲の時間が流れているとか、不思議はいろいろあるけど説明は特にない。 その分、ストーリー重視になってる。嫁の服を新しい嫁が着るのがいいな。

天災でも実がなる代わりに一人死ぬ実。 それ自体は怪奇だけど、命が土地を通して循環している感じがしっくり来る。 しかも、それを飲むと蘇生して不死となる。命そのものだしな。 今回は個別の蟲は出てこないのか。

医者の蔵に子供が侵入して硯から出た煙を吸って病気になる。 水を冷やす雲のような蟲らしい。 患者を高い山に連れていくと治る。よく判らないけど科学的だ。 父親に煙が見えなかったのは何でだろう。

ムジカという蟲師に会う。山の主をやっているので山から出られない。 ギンコが蟲を集めるから定住できないのと対照的。 実はクチナワという蟲を呼んで主を交代しようとしていた。 食われる瞬間にムグラで繋がっているギンコがムジカの記憶を見る。ムグラは神経みたいだな。 山全体に張り巡らされていて、主がちょうど脳に当たる。 食べることで主は交代して、かつて自分も主を食べていて、今度はクチナワに食べられる。 そして村人の記憶からも消える。よくできたシステムだ。

怪我をした少年(ヨキ;沢城みゆき)がぬい(土井美加)のところに世話になる。 池にトコヤミという蟲がいて、池の光を浴びると片目を失う。 ギンコの誕生秘話だったんだな。 ギンコという名前の符合とか片目とかヒントはいくらでもあったのに、名前を忘れる瞬間まで気付かなかった。 髪と目の色と名前が変えてあるのが上手い。

ハナ(稲村優奈)が橋から落ちてニセカズラに寄生される。 もしかしたら生き返る、という展開も期待したけどやっぱり既に死体で、 一夜橋を渡ってギンコは村を出る。 ハナが落ちた時の再現になってるんだな。戻ると落ちるというのが説明が難しいけど。 高校物理の頃には、糸の片方を引っ張ると両側に同じ力がかかるのが感覚的に納得行かなかったのに、 今は片方向にだけ力がかかる様子が想像できない。

竹林から出られない男と会う。 嫁のセツ(岩男潤子)は竹に寄生するマガリタケとの間の子らしい。 男が出られないのは小さい頃に飲んだマガリタケの水のせいで、セツは親であるマガリタケを倒す。 でも、やっと里に降りたら拒絶されるしセツ達は死んでしまうし。 切ないまま終わりなのかなと思ったら最後にちょっと救いがあって良かった。 子供の頃に竹が地下で全部繋がっていることを知った時の言い知れない不気味さが、ムラ社会の気持ち悪さを何となく思わせる。

蟲の見えるミハルと姉のすず(鬼頭典子)。 ミハルはハルマガイに精気を吸われて春まで眠るということを普通に繰り返していたけど、 ギンコが蝶を逃がしたからそのまま1年寝てしまう。 可哀相に。すずが。 調べに行ったギンコも春まで寝る。スパンの長い話だな。 すずの声がなんかいい。泣いてるとことか特に。もっと声を聞きたいけど声優が本職じゃないしな。

カジの母親のさよ(天野由梨)が記憶を食う蟲に寄生されていろいろ忘れていく。 二人は父親を探しに出るが、別の女と家族になっているのを見て、記憶をごっそり無くす。 それなりに幸せそうだ。全部知ってるカジが大変だけど。そういえば、カジも寄生されたんじゃないのかな。 さよは習慣で陰膳を作ってしまう。 「でも何だか、こうすると安心するのよね。どうしてかしら。何でだったかしら」。 何とももの悲しい。 忘れてしまう系はいい話を作りやすいな。

メールが届く。携帯みたいなシステムを持ってるんだな。 実は知り合いの綺(名塚佳織)からの間違いメール。 ウロさん入りの玉繭をばらして二つの繭にすると、二つの密室をウロさんが行き来するので物が送れるという仕組みが面白い。 上から被さった布でも密室になってしまうのは危ないな。 よくあのお爺さんは生き長らえたものだ。

絵師になる為に故郷を離れ、うまい具合に成功する。美術の美しいこの作品ならではだ。 今回の蟲は羽織の中のウブスナ。故郷にいると他の蟲から守るらしい。 よその土地で体調が悪かったのはそのせいなんだろうけど、別の土地のウブスナはもう入れないんだろうな。 今回のテーマ曲は特に好き。

吹(福井裕佳梨)が糸に触れて曖昧なものになる。薬を飲んだ反応が面白いな。 蟲の名前はテンペングサ。今回は造語かな。 別名の迷い星が惑星のことだったり、見えなくなる吹を昼間に見えなくなる星に重ねたり、天文ネタの話。 蟲の関与は少ないしギンコも大したことはしない。

何代かに一人筆記者が生まれて蟲を退治した話を書いて紙に封じている。 いきなり凄い設定だな。蟲の異質さがあんまり感じられないけど。 封が解けて出てきた文字列を紙に写すシーンとか、執筆してるシーンがさすがCG。 あんまりストーリーはなくて、そんなことをしているという説明だけ。 淡幽の声の小林愛がまた味がある。 なんかキングゲイナーから連れてくるパターンが多いような。 まだ20話だけどここで最終回。 フジテレビなんかライブドアと一緒に潰れてしまえばいいのに。


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