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Last Updated:04 Dec 2006
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'06.12.04
〜成年後見三話〜
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第一話 「認知症の老姉妹食い物に」に寄せて 2005年5月5日、この事件の第一報を毎日新聞は次のように報じました。 認知症の老姉妹食い物に 過剰工事:3年間で数千万円分・・・埼玉県富士見市に住む80歳と78歳の姉妹が、複数の訪問業者に勧められるまま、この3年間で数千万円分のリフォーム工事を繰り返し、全財産を失った。姉妹は、未婚の元公務員と証券会社員。認知症で、今話したことも覚えていられないが、ヘルパーなども頼まず、2人で暮らしてきた。 この記事が発端となり、その後テレビのワイドニュースなどが連日のように報道しました。 高齢姉妹の様子を知るにつけ、判断能力の不十分な高齢者につけ込んだ悪質極まる業者に、今更ながらに怒りがこみ上げてきます。 この事件が契機になって、国は2005年9月16日に内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省などで、緊急に取組む対応策をとりまとめ、地方自治体など関係機関に指示しました。 その中では、1.悪質事業者の排除、2.高齢者の周りの方々による見守りの強化、3.成年後見制度の利用促進などが強調されました。 (文責:須田幸隆) 第二話 「安心して老後を暮らすために」 「経済的虐待」と聞くと、私たちは、なんだか自分とはまったく関係のない出来事に捉えがちです。しかし、高齢者世帯の生活相談をしていると、子どもが親の年金や資産をあてにして生活を営んでいるケースは意外と多いものです。もっとも、子どもが親のお金を日常生活に使っているというだけでは虐待とはいいません。親が生活を営むために必要な現金、財産等を本人に内緒で使ってしまったあげく、必要な金銭を渡さない、あるいは必要な介護を受けさせないところまでエスカレートすると経済的虐待といえるでしょう。 とはいえ、子どものお金の無心は様々な波紋を呼ぶことが考えられます。まず、一番心配なのは老後の生活費です。年金生活に入ると収入は限られているわけですから、無計画に貸していると、よっぽどの資産家でないかぎりすぐに預金は底をついてしまいます。また、お金を一人の子どもにだけ貸している(あげている)と、兄弟姉妹間の軋轢が必ず生じます。そして、その軋轢は親の死後ますます深まってくるでしょう。一方、子どもの経済的依存が親への虐待を招くことも十分に考えられます。 平成15年に行われた高齢者虐待の全国調査によると、虐待の類型別では心理的虐待が63.6%、世話・介護の放棄52.4%、身体的虐待50.0%、経済的虐待22.4%の順と、経済的虐待は4番目に多いという結果になっています。しかし、大阪後見支援センターにおける事例調査によると、高齢者虐待事例64ケースのうち、経済的虐待は一番多く、心理的虐待、身体的虐待が起こっていてもその背景には経済的問題が絡んでいると報告されています。そのくらい経済的虐待は深刻であるといえるでしょう。 また、虐待される高齢者の78%に認知症があること。そして虐待する側は息子32.3%と一番多いことが明らかにされています。 第二話はこれらの背景を踏まえ、ストーリーを考えました。かわいい息子がお金に困っていたら貸してやりたいと思うのは当然の親心です。かわいさ余ってついつい貸してしまうのは仕方ないことかもしれません。とはいえ、限られた財産しかない場合、老後の生活に備え、息子の無心に「NO」と言う必要があります。それが言えないなら、言える誰かを決めておく必要があるのではないでしょうか。 (文責:西田ちゆき) 第三話 神田織音さんに託して 思えば、1年前のある深夜、1日の家事・育児を終えてその日の夕刊を読んでいる時、突然ある記事に目が釘付けになったのが始まりでした。 「人生をかけて話す講談のテーマを、必死で探しています」きりっとしてハツラツとした感じの若手女流講談師について『イチオシ』という記事でした。 私と言えば、人生をかけて取り組んでいく大きなテーマが見つかり、そのテーマに向かって進むためにまず取り組まなければいけない課題がいくつも沸き起こって来て、どうやってこれらの課題に対処したら良いか、と悩む日々を送っていました。 「“ビビッ”っと来た!」というのはこういう感じなのかもしれないな…と実感し、後はどうか神田織音さんと連絡が取れるようになりますように、お話ができますように、と祈るような気持ちで新聞社に連絡を入れました。 神田織音さんに私達と一緒に取り組んでもらいたいと思ったのは、成年後見制度の必要性をわかりやすく広める事…できれば、日本全国で話題になって各地で啓発・周知活動ができたら良いなぁと夢のような事を考えたのでした。 成年後見制度については、まだ“直したい・改善してもらいたい”点がいくつかありますが、それでも、この制度がどんどん広まり利用されるようになればきっと良くなるはずです。また、そのためにも、まずは制度を知って利用を考えて貰う必要があります。 私は、長男の出産時に医療過誤に遭い「この子はおそらく、そう長くない人生を最重度の障害を負って生きる」と宣告された時には「世界中で一番不幸な母親だわ!」「どうしてこんな思いまでして生きていかなくてはいけないの?幸せなんて一部の人にしかないものなんだわ!」と悲嘆にくれました。 でも、この子を必死で守り育てているうちに、他ならぬこの子からいろいろなことを学び、多くの出会いを与えられ、学ぶ機会を得ました。また、幸せとは何か?という問いの答えも教えてもらったように思います。そして「障害があってもなくても、その人なりの幸せがちゃんと得られて、穏やかな人生を送れるような世の中」を作っていかなければ、という大きなテーマが見つかったのです。 そのテーマを支える一つの柱に、「成年後見制度」があると考えます。 この制度を上手に利用して、高齢になって財産を守りながらの生活に不安が生じた人や、障害のためにその人の財産をしっかり見守る役割が必要な人に、安心して暮らせる世の中にしていきたいと思っています。 モチロン、この子自身にとっての幸せな人生も、これからも必死に探して支えてやらなければ!と思っていますが…。 (文責:斎藤聡子) |