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2015.5.28mf更新

肖像権侵害/弁護士の法律相談

質問
私は、英会話の学校に通い、そこの留学制度を利用してアメリカに留学しました。ある機会に、 英会話の学校のパフレットを目にし、そこに私の顔写真が掲載されていることを知りました。 内容は私を誉めた内容でしたが、私に無断で私の顔写真を載せていたことに変わりはありません。 調べたところ、その学校のホームページにも同じ写真が載っていました。
私は学校に対し良いイメージを持っていませんでした。私は、学校に電話をしましたが、学校は「あなたが卒業生であることは事実だから」と言って取り合ってくれません。その後、学校はホームページの写真は削除しました。以前のパンフレットも使っていないようです。
私は、学校に対し慰藉料を請求できますか。写真の大きさは高さ4cm、横3cmの楕円です。
相談者は、電話で予約して、弁護士会で弁護士の意見を聴きました。

回答
顔写真の発表は、写されている人の承諾が必要です。承諾なく公表すれば肖像権(人格権の1つ)侵害として不法行為となります。
しかし、表現の自由との調整を図ると、写真の掲載が公共の利害に関係する事柄で、公益を図る目的でなされた場合は違法性がなく肖像権の侵害とは言えないでしょう。「原告の経営する会社が2300億円を滞納をして都税滞納ワースト10に入っており、その原告の上半身の写真を載せた週刊誌」につき、裁判所は合法と判断しています(平成8年2月19日東京高裁決定)
あなたのケースでは、学校側に、公共の利害とか、公益を図る目的がありません。従って、写真を掲載するには、あなたの承諾が必要です。
しかし、肖像権侵害の損害賠償(慰藉料)額は多くありません。核燃料サイクル施設の事業者らの発行する地域情報誌の表紙に、核燃料サイクル施設反対派の者が漁をしている写真を無断で掲載したことについて、肖像権侵害と名誉感情が害されたとして発行者に10万円の損害賠償を命じた判決があります(平成7年3月28日青森地裁判決)。
あなたを誉めた文章の中の写真でも、肖像権侵害と言えます。慰藉料は3万円〜10万円くらいでしょう。
最近は、この種の権利について厳しくなり、物(室内)を撮影して、不法行為を認めた判決もあります。
女性の写真を出会い系サイトの広告に無断で載せるケースがありますが、このようなケースでは人格権侵害の程度は著しいので(名誉毀損罪にもなる)、慰謝料は100万円くらいになります。

判決

港区虎ノ門3丁目18-12-301(神谷町駅1分)河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161