弁護士河原崎弘

刑法の争点、住居侵入罪の保護法益

住居侵入罪の保護法益については、旧住居権説、平穏説、新住居権説と変遷しています。

内容侵入概念万引き目的
旧住居権説家長が住居権を持つ
平穏説事実上の住居の平穏が保護法益平穏を害する立ち入り
最高裁58.4.8ビラ張り目的
平穏だから住居侵入とならない
新住居権説そのに住む者の入居させる自由権が保護法益住居権者の意思に反する立ち入り住居権者の意思に反するから住居侵入罪


強盗目的の立ち入り
判例・通説
最高裁24.7.22「こんばんわ」と挨拶してはいる
最高裁23.5.20店主が顧客と誤信
同意は無効なので、強盗罪が成立
前田法益に直接関係のない錯誤、同意は有効


客体:判例
住居共同住宅の共用階段、通路、屋上、屋根
建造物雑居ビルの駐車場


【最高裁判所昭和58年4月8日判決】
労組の役員がビラ貼り目的で、宿直員に対し、「おい来たぞ」と言って、その黙認の下に郵便局舎に立ち入り、約1000枚のビラを貼った行為につき、
刑法130条前段にいう「侵入シ」とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることをいうと解すべきで あるから、管理権者が予め立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合であつても、該建造物の性質、使用目的、管理状況、 管理権者の態度、立入りの目的などからみて、現に行われた立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、 他に犯罪の成立を阻却すべき事情が認められない以上、同条の罪の成立を免れないというべきである。  
登録 2005.11.24
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