テクニクス・ジャケットサイズ・レコードプレーヤー
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SL-15の音の改良

T4Pカートリッジ

SL-7

 

970年代の最後の年に、テクニクスからダイレクト・ドライブの高級ジャケットサイズ・プレーヤーSL-10が、定価10万円で発売になって大変な評判を呼んだ。私が手に入れたSL-15はそれの後続機で、SL-10にプログラム演奏機能をつけて、代わりにカートリッジをMCからMM(ボロンナイトライドの超軽量カンチレバー)にしたもので、当時の定価で15万円と結構な値段がしたものらしい。
SL-10(1979年11月発売) SL-15(1980年11月発売)

SL-10は古道具屋、オークションで結構見かけて5万円前後の値段がついているが、SL-15はあまり見かけたことが無く、しかもプログラム演奏動作不良のジャンクと言うことで2万円強の比較的安い値段で手に入れた。品物はすぐ届いて、レコードをかけてみたが、何回かスタートボタンを押すとようやく動き出し、音も古ぼけたナローレンジ。早速メインテナンスに取り掛かったが、このような小型にしたものは通常のプレーヤーと異なって簡単に分解できない。松下のサービスへ問い合わせたところ、修理は預かって修理工場へ送ってみないと判断できないとのこと、修理マニュアルならあるとのことなので早速貰ってきた(コピー代35円/ページ)。ファイルを見せてもらったら、1970年代の終わりころからのものが殆どそろっている。ついでにSP-10MK2もコピーを貰ってきた。回路図が有れば故障しても汎用部品で修理できる範囲なら何とかなりそう。SL-10からMCアンプを除いて、若干簡略化したものにSL-7がある。これら3種は、ずっしりと重く、フレームは軽合金でがっしりできていて、レコードの真中をスプリングで抑えるようになっているので安心感がある。

何を目的としたものかは不明だが、電池でも動くようになっているので、12Vの電池とイコライザーとヘッドフォン・アンプをつなげば重さ10Kgのマンモス・ディスクマンになる。

カートリッジはT4Pという特殊な形状のもので、今でもダイナベクターから高出力MC(2mV)、オーディオテクニカからMMカートリッジが売られている。山本商事有限会社と言うところから、純正の交換針も手に入る。チタンとかボロンのようにカンチレバーに特殊な材質を使ったものは純正に限ると思います。

もう一つの特徴は、リニアートラッキングでレコードの全周にわたってトラッキングエラーがほぼゼロ(カタログデーターでは0.1度以下)であることである。これがどんな意味をもつものかは、本来レコードの線速度が外周と内周で大幅に違って、内周ではどうしても音質が低下すると言う現象があるので、これと重なって評価は難しい。

SL三兄弟(アルミダイギャストとフレームのジャケットサイズプレーヤーの高級機、フレーム、モーター、アーム等は共通)

定格 SL-10 SL-15 SL-7

1979年11月

1980年11月 
価格 100,000 150,000 70,000
ターンテーブル アルミダイキャスト 直径 30cm アルミダイキャスト 直径 30cm アルミダイキャスト 直径 30cm
モータ  超低速電子整流子モータ 超低速電子整流子モータ 超低速電子整流子モータ
駆動方式 ダイレクトドライブ ダイレクトドライブ ダイレクトドライブ
回転数 33/・45rpm 33/・45rpm 33/・45rpm
ワウ・フラッタ 0.025%以下(W.R.M.S) 0.025%以下(W.R.M.S) 0.025%以下(W.R.M.S)
S/N比 78dB(DIN-B)以上 78dB(DIN-B)以上 78dB(DIN-B)以上
外形寸法 幅315X奥行315X高さ88mm 幅315X奥行315X高さ88mm 幅315X奥行315X高さ88mm
重量 6.5kg 6.6kg 7.0Kg
カートリッジ EPC-310MC
(プラグイン方式―T4P)
EPC-205CMK3 (プラグイン方式―T4P) EPC-P202CB
交換針 EPC-310MC
(プラグイン方式―T4P)
EPS-P205ED3 EPS-202ED
特徴 世界初ジャケットサイズ・クォーツDDの原器、MCカートリッジ、ヘッドアンプ内臓 プログラム演奏、DC電源(12V)も対応 SL-10の廉価版に当るが、モーターが異なる。

ラインケーブルと電源ケーブルだけは交換したほうが良い。ダイナベクターのDV-10P(MCと言う触れ込みと在庫整理で6500円と安かったので、このチャンスを逃がしたら手に入らないと思って買ってしまった)で暫く聞いていたが、我が家のアナログ用標準であるBelden8422では、どうも高域が荒れているような感じがするので、ケーブルを変えたり、間にトランスを2個入れたり(DV-10Pの出力は2mVなので、1個目を逆さにすれば元の出力になる)やってみたが、結局手持ちの中ではBelden81553(青いケーブルが2種あるが、銀メッキの細い方)が一番合いそう。硬さが取れて、多少(銀の)華やかさが加わって調度良い感じ。この81553は、私の経験では、FR-7と組み合わせるとキラキラしすぎていやな感じになる。まあ、ケーブルは合性ですね。

これでクラッシクを聞いても違和感が無い程度の音になった。操作が簡単で酔っ払っていても針を折ったり、レコードを痛める心配が無いので、イージーリスニングには十分な音質と思う。カール・リヒター指揮のヘンデルのメサイアーを鳴らしているが、手前味噌で言うと下手なCDより自然で良い音がするように思う。

難点はカートリッジの交換が厄介なこと、その選択の幅が狭いこと、ターンテーブルシートを交換できないことで、これで音がお仕着せになってしまうことか。1:2〜3の低昇圧のトランスが手に入ると面白いが。

本来アナログを聞いてみたいと言う人のために貸し出し用に買ったつもりだったが、このままサブシステムと居着くことになりそう。

あとはオッシロを持っている人のところへ押しかけて、制御用の信号の電圧とパルス幅を調整して、プログラム演奏ができるように修理すること。

Technics SL-10 Owners Siteなるものも出来たようです。

テクニクスのカートリッジのことはこちらへ

アクリルのカバーの擦り傷:田宮模型のコンパウンドで磨き、キッチンカウンターの人工大理石用のワックスで仕上げると殆ど新品同様になる。コンパウンドはアクリルサンデーでも、車用でも良いが田宮模型のものが150円と安い。コツは柔らかい洗いざらしの布であまり力を入れず気長にやること。