826カソードチョーク式SE 作成:2009.0.07 改定:2009.06.17
ホームページ

Parts &Chassis

私のオーディオ

私のオーディオPart2

私のオーディオPart3(SP-10MK2)

私のオーディオ番外(蓄音機) 

これまでにカソードチョーク方式で、8012、VT−25(10)、809、812、811(中国)、SV811−10と試してみて、一応どれでもそこそこの出力が出て、811(中国)、SV811−10を除いて音色も満足の行くレベルに達した。

811(中国)、SV811−10は他の球に比べて、極端なハイμかローμで電圧増幅回路を見直した方が良さそう。或いはカソードチョーク方式が向かないのか?

昨年暮れに纏めて買った中で、826(μ=31)が未着手で残っていた。ソケット(大型7ピン)とフィラメント(7.5V・4A)が特殊なので一番後回しにした。

826を買った理由は、宍戸公一氏のテキストに載っていて、一番安い球(Radio Dazeで僅か@34ドル)と言う意味でドライブ方式の比較のため。いざ手を着けて見たら、今まで出力管の動作条件は宍戸公一氏のテキストを参考にやっていたが、この球は大幅に異なっていた。

形状と見た目はは812A(μ=29)と全く異なるが、350V/100mA前後でオーディオ周波数を扱う限り、826(μ=31)は812A(μ=29)と大変良く似ている。

宍戸氏のイントラ反転は、6EM7をドライバーに使って、フィラメントを6.2Vに下げて、P電圧250V・P電流115mA、Gバイアスは40Vで8Wを得ている。

ネットで見つけた鈴木さんの例では、7.5Vをブリッジ整流してドロップ抵抗を入れて6.2Vに落とし(宍戸氏の影響か?)、6CA7(三結)とのダイナミックカップリングで、B電圧350V、P電流85mA、G電圧25.6V、で8Wを得ている。

http://www.anc-tv.ne.jp/~suzuki3/amp_826/a_826.htm

宍戸氏の条件に合わせるには電源トランスを買い換えないと出来そうもないが、鈴木さんの条件なら現行812SEの、ドライバーの6EW7のP電圧とカソードチョークの下の抵抗値を微調整する程度で収まる。これなら簡単。

フィラメント電圧は調整用に入れてある0.1Ωを除去してみたが4Aも流すと6.5Vまでしか出ない。通販で慌ててB8A03(SBDのブリッジ)を買って規定の7.5Vのを得た。横浜に居ても秋葉原へ行くより通販で買った方が、交通費と行く時間の無駄を考えるとお利口ということになる。なおフィラメント電圧を6.5Vから7.5Vまで変えてもP電流は2mAほど増えるだけ。音色は多少張りが出て力強くなる。

熱対策:826は小さなタンタルのプレートが球の底にあるので、フィラメントとプレートの熱でシャーシまで60℃以上になる。ソケットをシャーシの上に出してみたがそれでも40℃は超える。ファンを付ければ良いのだが、12Vで起動してタイマーで7.5Vに落とす細工をしなければならないと思っていたら、PanasonicのSF‐40(4cm、12V、100mA)は5.5Vでも問題なく起動する。これを7.5Vで使ってどうやら熱対策は収まった。と思いきや効率を上げるためにシャーシの底蓋を全て塞いでしまったら、負荷が大きくなって音が煩くなった。再びソケットをシャーシの上に出して、シャーシの底も開放してこれで決定版にした。

写真お通り、この球は大食いのトリタン(7.5VX4A=30W)に小さなタンタルプレートなのでやたら良く光る。811A/812Aの比じゃない。プレートが812Aと逆でガラス球の底の方についているので放熱にかなりの工夫が必要。

ドライバーは6EW7と6DE7を何回か差し替えてみたが、最終的に6EW7の方が音が良い。

電圧・電流値の左が無信号時、右が最大出力時。

宍戸式イントラ反転と大幅に条件が異なるが、これで音色も纏まった。

なおドライバー管の6EW7のカソードとチョークの結線を外すとダイナミックカップルになる。826のP電流は10mAくらい増えるが特に問題のない範囲。

カソードチョーク方式は澄んだ・煌びやかな・柔らかい音がするが、ダイナミックカップル方式は馬力はあるが濁った音がする。(相対的な比較で826のダイナミックカップル方式が一般的なアンプに比べて特に悪いという意味ではない。)

  Driver Ep Ip Ef Eg RL 最大出力
閑人のカソードチョーク 6DE7 350V 88mA 7.4V 28V 5KΩ 9W
閑人のカソードチョーク 6EW7 350 105mA 7.3V 28V 5KΩ 9W
閑人のダイナミックカップル 6EW7 352V 100mA 7.4V 31V 5KΩ 8W
鈴木氏のダイナミックカップリング 6CA7(三結) 350V 85mA 6.2V 25.6V 3KΩ 8W
宍戸式イントラ反転(1) 6EM7 250V 115mA 6.2V 40V 1.25KΩ 8W
宍戸式イントラ反転(2) UY−46(三結) 285V 120mA 6.0V 43V 1.5KΩ 8W

宍戸式イントラ反転1号機は、Ep=200V、Ip=140mA、Eg=37V、RL=1.25Kを目指して上記で妥協しているが、如何にドライブ方式が異なるとは言え、こんなに低電圧・大電流・低インピーダンスの出力トランスは(3.5KΩでも構わない)必要は無く、特性図の読み違いと思う。

P電圧とP電流で整合性がないのは、GZ34整流とダイオード整流を随時入れ替えている為。

周波数特性はオシロでざっと見た範囲で10Hz〜90KHz+0dB・−3dB、10Kの方形波も綺麗。宍戸式のイントラ反転はXE−60−2.5と言う大型トランスを使っているにも拘らず20Hz〜40KHz+0dB、−2dBで、カソードチョーク方式の方が帯域が広い。

カソードチョーク方式は回路図を良く見るとドライバー管のカソードにチョークが入っているが、これは出力管のグリッドチョークを兼ねている。この辺が安定した動作と広帯域の理由か?

またカソードチョーク方式では、カソードフォロアにより電圧増幅部の2次歪が逆相になって出力管の2次歪を打ち消している。これがPP並みの低歪と高音質の秘密か。ダイナミックカップルではこのような効果が無いように思われる。

ファインチューニングと言う意味で、6EW7(1)のP電源を出力トランスのSG端子から取ってみたが、この方が音が滑らかになる。大橋さんが計算したところでは、2.5dBの部分帰還がかかっているらしい。