8012、A2クラスシングルアンプ
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シングルA2の比較

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8012の宍戸式イントラ反転、ダイナミックカップルをやってみたが旨く行かず、最大出力で2〜3Wしか出ない。何れも2〜3Wを越えるとプラス側が先にクリップしてしまう。つまりグリッドのプラス側だけしか作動していないと言うことになる。

オシロの波形を見ている内に、簡単に8012のプラス領域とマイナス領域の両者を動作させる方法(A2クラス)として、以前やったドライバーのカソードフォロアーに、チョークをかませる方法を思いついた。これならいとも簡単で、カソードチョークPMC−80H(80H、8mA、DCR=1210Ω、2300円)が手持ちに有るし、ドライバー管のP電圧を調整するだけで、後は何処も配線も調整も必要が無い。B電圧を上げたり、マイナスの電源を作ったりというヤヤコシイ事をやらなくて済む。

下記はそれで1時間で完成した8012、A2クラスシングルアンプ。

SWを入れたら、いきなり無歪最大出力(オシロで波形に異常が認められる寸前、歪率5%くらいか)で、約8W出てしまった。宍戸式イントラ反転とかダイナミックカップルで悪戦苦闘していたのが嘘みたい。あとは一夜エージングしてドライバー管のB電圧を微調整して、カソードチョークに流れる電流を8mA、8012のグリッド電圧を8〜10Vに合わせただけ。

ドライバーは6MB8の5極部の三結でも、6BQ5の三結でも、6AR5の三結でも、6S4Aでも、何れでも構わない。この中では6MB8の5極部の三結が内部抵抗が一番小さくて、8012のグリッド電圧を8〜10Vを得るのに必要なドライバーのB電圧は100V強になる。他は150〜200V。

カソードチョークは春日無線の4B-20MA(30H、20mA、DCR=965Ω、1、260円)でも問題なく使えると言うより、20mA流せるのでむしろ使い易い。

8012は増幅率が18もあるので、最大出力の8Wでもスイング電圧は2A3や300Bの半分以下の22Vで済む。

GZ34をシリコンダイオードに交換すれば、電源電圧が325Vまで上がって10Wは出るが、VLZを鳴らすには8Wで十分。

結果としては6CA10のカソードチョーク方式とほぼ同様の最大出力10Wと言うことになった。これは6CA10のカソードに自己バイアス用の抵抗が入っている。

ゲテモノアンプで試行錯誤をやるにはシリコンダイオードより、整流管の方が良い。徐々に電圧が上がるので、オシロとテスターを見ていて危ないと思ったらSWを切れば、貴重な素子を壊さないで済む。

宍戸氏のテキスト(送信管によるシングルアンプ製作篇)では、8012のG電圧19Vとなっているが、こんなにかけたらP電流は200mA以上流れて、Pが白熱して数分でお釈迦になる。

宍戸氏のテキストの追試ないしは他の8012シングルアンプの製作例を探したが、見つかったのは下記の2例のみ。いずれも8012のG電圧(Gバイアス)はプラス8〜10V。

宍戸氏のテキストのGバイアス+19Vは単なる+9Vの間違いではないかと思う。テキストの文末に「2、3の読者から8012Aの片方または両方が1年くらいでエミ減をおこし、Ipが100mA以下になった」とあるが、その読者は真面目にG電圧の+19Vに挑戦したのではないかと思う。私もやりかけたがプレートが赤熱どころか(トリタンのヒータではない)、電球のように白熱するので慌てて止めた。

宍戸氏のテキストではP電流を120mA流せと指定しているが、私のカソードチョーク方式では90mAでも70mAでもさほど音色に差はない。宍戸氏は3.5Kの出力トランスを使っているが、私の試した範囲では5Kの方が若干出力が落ちるが素直な音がする。3.5Kでは若干潰れた感じがする。宍戸氏は大電流を流して出力インピーダンスを下げることを狙ったのか。XE−20Sが手に入ったらもう一度試してみる。

Soya Audio(征矢 進)

詳細は無線と実験1992年2月号に有る。6267〜6RA9〜8012の構成で、B電圧を445V、カソード電位100V、G電位108Vに嵩上げして、全段直結で出力10〜11Wを得ている。B電圧が高くなるのとカソード抵抗が猛烈に発熱するのが欠点。

送信管8012使用 シングルステレオアンプ

12AT7〜6BX7〜8012の構成で、イントラを使って8012のP電圧312V、Gバイアスに9〜10Vをかけて、最大出力8Wを得ている。なおイントラでの反転はやっていない。

自画自賛かもしれないが、高価な特注イントラとかカソード電位の嵩上げ何て言う金の掛かるややこしいことをするより、1260円のチョーク2個で同等の最大出力と音色が出れば、この方が優れている。

日本開閉器のM−2020
1回路3接点のトグルSWで僅か13mm角の小型ながら、6A 125V ACも流せる。

出力端子を3系列並べるとスペースをとるのでこれで切り替えれば、大変スマートに出来る。

なおアンプがONのまま切り替えても、ノイズは発生しない。

特に出力インピーダンスを切り替えて試聴するときに便利。

遠くの方は通販でも手に入る。

U−808をXE−20Sに交換したら、下の方が10Hz、上の方が40KHzくらい伸びて、10KHzの方形波は台形から角が立って綺麗な方形波になった。リンキングもオーバーシュートも極僅かなので、補正用のCは今の所不要。帯域が広く極めて近代的なスカッとした音。

出力ー歪率特性は、オシロで見た範囲では、8Wくらいまで綺麗なサイン波、それを越えるとマイナス側がカットオフして、引き続きプラス側がクリップして、更にプラス領域とマイナス領域の繋ぎ目のクロスオーバー歪が現れる。

ビンテージサウンドを主張するのなら、U−808の方がナローレンジで似合うかもしれない。

なお8012のGバイアスは6.8〜7.2V、8012のP電流は90〜100mA。これでマイナス側の方が先に潰れるので、も少しGバイアスは下げた方が良さそう。Gバイアスの調整は8012のプラス領域とマイナス領域が出力を上げていったときに同時にクリップまたはカットオフになるように調整すれば良いはず。

なお8012のプレートは真っ赤に赤熱してもビクともしないので、巷の噂ではタンタルで作られていると言われているが、本当なら大変なもの。アメリカが当時既に加工も難しいレアメタルのタンタルの工業生産技術・加工技術を持っていたとは、恐るべき相手と戦争をやったもの。