VT−25(10)カソードチョークA2アンプのチューニング
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オーディオ

8012、A2

VT−25(10)

シングルA2の比較

 

1.問題点  

・音はクラシックでは、低域不足で高域がキツイ。チューニングの方法を考えてみる。

・XE−20S(2.5〜5KΩ)ではインピーダンスが低すぎるのは、初めから分かっていた事。VT−25/VT−62の製作例の殆どは、14KΩのトランスを使っている(宍戸式を除く)。かと言って毎回高価な出力トランスを買うわけにも行かない。

・今のところ、出力トランスを2.5、3.5、5KΩと切り替えてみても、NFBを0、2、5dBと切り替えてみても殆ど音色が変わらない。 ・調整の方法は、VT−25のP電圧を弄ること、Kバイアスを弄ること、Gバイアスを弄ること(実際には5687のP電圧を弄る)。

2.ゼロバイアス・低電圧・大電流
・300VあるB電圧を220Ωの抵抗を入れて220〜240V前後まで下げて、P電流を60〜70mAくらいまで増やしてみることにした。
・まずB電圧を240Vまで下げて、P電流を56mAまで増やしたら、俄然音が柔らかくなって、出力トランス、NFBの切り替えに反応するようになった。これでも出力は4.8Wまで下がった、まだ調整の余地あり。
・更に電流を増やしたらP電圧は224Vまで下がり、K電流は63mAまで上昇。GのKに対する電位は+1.9V。これで無歪最大出力(オシロで歪む寸前)5.4W。P損失は13.7Wになる。プレート効率は40%にもなる。この時はほぼゼロバイアスになった。

・音は比較的自然な音、8012と良く似ている。5.4Wまでの波形を見る限り、歪率は宍戸式(801Aで5W)のような9%とか10%何て言う高い値には見えない。しかもP電流を調節すれば、14KΩ何て言う特殊なトランスを使わなくても、XE−20Sのレンジ(2.5〜5KΩ)に収まる。

・ここまでやって気が付いたのは、オシロの波形が上の方は丸く(プラス側)、下の方はまともなサイン波と言うこと。歪み率を計ってみたら、1〜2W辺りでも2〜3%もある。

3.プラス側の波形に注目

次にやってみたのは、歪んでいるプラス側の波形が出来るだけ綺麗なサイン波になる領域を探すこと。マイナス側の波形は電流が流れないので歪む心配が無いので無視する。これはP電圧を300Vまで上げて、グリッドにプラス10Vかけたところで見つかった。ただし最大出力が4.5Wくらいまでに低下してしまったので、トランスのタップを250Vから280Vに変更して、P電圧を330Vに上げた。これで無歪み(歪率5%)最大出力6.2W、1〜2W時の歪み率(無帰還)約1%、NFB5dBで0.4%位と目的を達成した。このときのP損失は16W、規格の12Wに比べてかなりのオーバーだが、VT−25(10)は最大電圧を除けばVT−62(801A)と規格は同じと言う説もあり、これで1週間鳴らしているが、別に異常は無い。結局初めとあまり変わらない条件になった。

4.ハム対策

VT−25のヒーター(7.5V、2A)は6.3VをSBDで整流して昇圧し7.8Vを得た。このSBDがハムの原因となって悩まされた。ヒーター回路に33000μFを入れても取れず、B電源に200μFの電解を入れても取れず、残留ハムとして5.5mVくらい残る。最終的に100Ωのハムバランサーを入れたら見事0.5〜0.6mVまで下がった。SBD(電圧降下0.15V)はシリコンダイオードブリッジ(電圧降下0.9V)に比べて内部抵抗が1/5くらいと低いのこれが原因と思われる。ヒーター電圧をSBDで昇圧して使うのは駄目という説を聞いたが、ハムバランサーとの併用で解決した。

5.測定

96KHz、24ビットのDACをせっかく買ってみたが、10KHzの歪み率の表示が旨く行かない。大雑把に言えばこのアンプはNFB無しでも、5dBくらいかけても周波数大域は広がるが、歪み率にはあまり大きな影響は無い。古典的に5%歪までを無歪み最大出力とすると、7Wまで出ている。この時点でオシロの波形は下の方がカットオフを始めている。

次にはオシロの波形を載せます。

特殊な部品を一切使わず、VT−25(10)で6.2Wまで出るので、お持ちの方はぜひお試しください。VT−62(801A)なら8Wくらいは出るはず。