中核単子葉植物は、ユリ科からアスパラガス科を経て、大きな進化を迎えます。
 今からおよそ12,200万年前、中核単子葉植物のアスパラガス目とたもとを分けて、新しい単子葉植物(monocots)が誕生しました。
 このなかまをcommmelinoids(ツユクサ類)と呼ぶことにします。
 今までの中核単子葉植物と比べて、いったい、どんなところが変わったのでしょうか。
 それは、目に見える変化ばかりではありません。ツユクサ類の場合、重要な変化は目に見えないところで起こっていたのです。
 それは、種子の中に現れます。
 種子の中には、養分をたくわえる胚乳(はいにゅう)というところがあります。ツユクサ類以前の植物は、そこにタンパク質や脂肪をたくわえていました。
 タンパク質は、アミノ酸というさらに小さな物質が集まってできています。このアミノ酸は、生物の遺伝にかかわるDNAをつくる物質でもあります。
 動物では、皮ふや筋肉をつくる物質にもなります。
 脂肪は、エネルギー源として使われます。
 しかし、植物のからだは、主に炭水化物でできています。
 炭水化物で有名なのは、糖とデンプンですが、植物には、繊維をつくっているセルロースという炭水化物もあります。
 したがって、植物の種子には、デンプンがたくわえられた方がつごうがよいのです。
 ツユクサ類の植物の種子には、まさに、このデンプンがたくわえられたのです。
 ツユクサ類といっても、ツユクサのような植物ばかりではありません。下の系統図にある4つの目と1つの科からなりたっています。

 

 f.08 ツユクサ類 commelinoids

 アスパラガス目から大きく進化したツユクサ類のトップバッターはヤシ目です。
ヤシ目の植物は、独特の進化をなしとげています。

 f.09 ヤシ目   arecales

 

 ヤシ目が誕生したのは、今からおよそ12,000万年前 のことです。この数字は確実ではありません。今後の研究によっては、変更になる場合も大いに考えられます。
 ヤシ目にはヤシ科の1科しかありません。
 どれを見ても、ひと目でヤシであることがわかるから、1つの科なのです。
 しかし、ヤシ科は230属にもなる大所帯なので、APGではこれらを8つのTribeに分けています。
 Tribe というのは、Family(科)とGenus(属)の間に位置する分類名です。日本語では族になりますが、属と同じ読みですからまぎらわしいですね。 
1 Tribe Areceae
2 Tribe Borasseae
3 Tribe Calameae
4
Tribe Cocoineae
5
Tribe Corypheae
6 Tribe Lepidocaryeae
7 Tribe Phoeniceae
8
Tribe Phytelephantineae