●不完全!な 「不完全”印刷所×××”」

●「不完全”印刷所×××”」なるものが出現したらしいですね。

冬コミあたりにらしいですが、ほとんど印刷会社への「悪口集」です。
この本のタイトルは実は”不完全な「印刷所マニュアル」”らしいんですが、編集者の意図に反して「不完全印刷所」のマニュアルというようにもにも受け取れます。内容が内容だけにそういうふうに取られてしまいます。
この同人誌は「アンケート」をもとにそれを編集したらしいのですがその編集はほとんど子どもじみています。

誰かさんから送られてきたアンケート回答のたった一つの評価で、その印刷所のすべてであるかのように断罪したりするのはどうでしょうかね。
アンケート回答者がおもしろ半分で書いてしまったかもしれません。
さらに、その中には一個人の感情、たとえば「むかつく〜」だとかいって当該印刷所を切ってしまう評価の仕方が公正といえるでしょうか?

火のないところに煙は立たないのですから、その印刷所との間に何かあったかもしれませんね。
でも、だれかが一生懸命その火を「マッチ火から山火事」にしてしまったかもしれません。
印刷所も人間なんです。
そういう他人(印刷所)をなんの配慮もなく平気でけなしてしまう人間性も疑われます。

たとえば、ある××会社には「有名作家の原稿をくすねる手癖の悪い社員がいる」なんて書いてあります。
こんな事が本当にあったら大変な事件ですよね。
印刷会社は大事な原稿をお預かりし、印刷したらご返却するのはあたりまえです。
上記のように「くすねる」ようなことがあったらそれこそ社員は懲戒免職ですし、また会社にとっても存亡にかかわる大事件です。
社員も会社の名誉もズタズタです。

そんなにも大事なことを真偽も確かめないで掲載して印刷所評価としていいんでしょうか。
さらに、それを「当該印刷所の弁明の機会」もなしに掲載しているのはうわさを立てて面白がっているとしか思えません。


●印刷所の失敗について

たしかに印刷所は失敗もします。
逆にいえば失敗しない会社は絶無であるといえます。
残念ながら印刷業という請負業種にはいつもそれが宿命的につきまとっているんです
もちろんそれが多い会社、少ない会社といろいろあるとは思いますが。

せっかく一生懸命描きあげた原稿が楽しみにしていたイベントで搬入されなかったり、印刷結果が思うとおりでなかったりすればそれはすごく悲しいことですよね。
だから抗議したい気持ちもおきてくるのはよく解ります。

被害者が抗議したり断罪するのはたしかに自由です。その過程で「むかつく」事もあるでしょう。
でも、その場合ですら、良識ある人ならば「入稿の仕方は間違いなかったろうか?」とか「原稿の描き方は完ぺきだったろうか」などととりあえず自分を見つめ直すでしょう。
身辺の事実調査をして、その上で印刷所に連絡してどうしてトラブルになってしまったのか話し合いをするでしょう。

印刷所が悪いときも多々あります。
その原因について話しあい、印刷所の責任は責任として負ってもらうよう要求することもあるでしょうね。
あってはならないことですが「原稿紛失事件」もあります。特に表紙ですがカラー分解、色校(内校)、刷版、印刷現場と表紙が直接現場に動いていきます。だから製品と一緒にお返しするのは結構大変なのです。そこで「どこにあるか?」探さなければならないなんていうことがままあります。逆に本文原稿と一緒に返ってこなかったのであとで送ってもお客さんが「返ってきていない」と誤解する場合もあります。


●自分の想いを表現するのは自由です。しかし・・・。

でも、どんな内容のことでもそうですが、表現する限りはその表現内容について責任を持たなければなりません。
すなわち、世間に自分を問う限りは、同時にその表現内容に責任を持たなければならないのは当然です。
もちろん架空の世界で「おちゃらけ」(笑)するのはおもしろいですが、そのことで他人をやたらに傷付けたり、ウソの噂を流したりしてはいけませんよね。

今回の「不完全印刷所×××」は誹謗中傷の類をのせてしまい、せめての編集責任であります「印刷所の弁明」を聞くようなこともまったくしていません。

「某印刷所はヤクザが経営している!」などというデマを誰かが流したとします。
その某印刷所を利用していたお客さんはギクッとして、今後かかわりのないように次の印刷所に変わることを考えてしまうでしょう。或いはもう心配だから即刻印刷所を乗り換えてしまうかもしれません。これは自然の反応です。
そんなことでその印刷所には仕事がなくなり、本当に倒産してしまうことだってあるかもしれません。まさに「うわさ倒産」です。

それほど「情報」「報道」と言うものは世の中にとって重い役割をしています。

印刷所の大半は、従業員をかかえこの不況に耐えながら必死に働いているんです。冗談で会社をやっているわけではありません。
みんな働いてメシを喰っているんです。
その印刷所に正当に抗議するならともかく無責任に悪情報を流すことだけはやめてほしいです。

本筋からははずれますが、こういう印刷物を印刷してしまう印刷所があることも驚きです。
他の印刷所がデマによって困ることを平気で印刷してしまう印刷所には怒りを覚えます。


●PICOだって失敗をします。

気をつけているんですが、所詮人間のすることですから失敗します。
すみません。

でも、失敗してもさらに長い間おつきあいいただいているお客さんは多数います。
そういうお客さんは「PICOという生き物」を理解してくれているんです。
人間と同じように印刷会社だって長所もあれば欠点もあります。対応のいい社員もいれば悪いのもいるでしょう。虫の居所もあるでしょう。誤解もあるでしょう。ドジもあればうまくいくこともあります。

そういうものとして、お互いに「つきあい方」を研究、微調整しているんでしょうね。
「今度はここのところ失敗しちゃいやよ」「うん気を付けるね」という関係です。
こんな関係になるとPICOも「◎◎さんの希望する品質」や「その感性」が手にとるように理解できるようになります。
搬入依頼がなくても「おかしいなあのこは××イベントには出るとおもうけどな・・・」と逆に問い合わせしてあげるときもあります。

同人誌はこうしてお互いに理解、協力しながら仕上がっていくもんです。
そういう意味では印刷は共同作業です。

もちろん「つきあい」だから相性というものがあります。
「どうしても関係がぎくしゃくしてうまく流れない」という仕事もあります。
お客さんにしても「どうしてもPICOに頼んで満足できない」とか「意志疎通ができない」という人もいます。
そうすると不思議と仕事の仕上がりだとかに影響してしまうことがあります。
そして、PICOがご要望にお応えきれずにお客さんが離れていってしまうこともあります。
残念ながら、その人はPICOを離れて相性の良い印刷所を探すことになるんでしょうね。


●日本同人誌印刷業組合を利用しよう

お互いに喧嘩腰はやめましょうね。けなしあいはやめましょうね。
があったときは、起きてしまったことは起きてしまったんですからそれからの対策を冷静に話しあいましょう。

それでもどうしても納得がいかないとき、トラブル処理が話しあいで無理なときとかの場合には、「日本同人誌印刷業組合」など第3者機関に相談しましょう。
当該印刷所以外の第3者としての組合が客観的な判断をしてなかを取り持ちます。
今のところ事務局はPICOです。

PICOでのトラブルは、・・・う〜ん・・・他の印刷所に仲介を頼んでみてはどうでしょう? いずれにしても第3者の客観的な目を参考にしましょうね。

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●税務申告はきちんとしましょうね

 3月15日が過ぎ、今年の税務申告期限は終わりました。
でも申告すべき人でそれを怠っていた人は今からでも申告すべきかもしれません。

 数年前から税務署の調査がいろいろあり大変でしたね。
誤解も含めてみなさん随分あわてられたようです。
もともと趣味から出発したものですから税金なんて考えたこともなかったのですからね
でも税務署が注目してしまうほどこの世界は発展を遂げたと言うことですから考えようによってはすごいことですね。

 きちんと正しい税務知識を身につけておけば税務署はこわい所でもないし、税務申告はむずかしいものではありません。
むしろ日々の収支をきちんと付けておかないでいた今までを反省するのには良い材料ともいえます。

 現実問題でいうと、経験上ではたまに1000部ぐらいの同人誌を創るのでは申告の必要の無いほど赤字のはずです。
でも赤字かどうかは税務署の方は解らないのですからやはり収支をきちんとつけておくしかありません。

 わたしは税務事務の資格もなにもありませんので、以下列記することに間違いがあるかもしれませんが、あたりまえの税務についての簡単な知識やチェックポイントを列記しておきますので参考にしてください。

1.税金の対象となる「所得」というのは売上金ではありません。

 売上げに対する仕入れや経費とは、
印刷費や原稿用紙 印刷会社に払った印刷料金、トーン、原稿用紙等の材料費
売るための経費  イベント参加費、取材費や資料代、それらに要した交通費、売り子さんのお礼、その他売上げに応じた家賃、光熱費などの経費、さらにその同人誌を創るにあたっての夜食費用などは議論のしどころでしょうね。
あなたの所得(もうけ)  売上げから以上のものを差し引いた額です。これが税金の対象である所得です。その所得に対してさらに基礎控除だとか保険料支払いだとか差し引いてもらう一定の金額がありますのでさらに課税対象額は減ります。

2.申告しなければいけない人(税金対象者)

 給料、賞与以外に年間20万円以上の所得のある人、漫画家、小説家等の個人事業者(同人誌も所得があればこれに属してしまうでしょうね)で、毎年3月15日までに、前年度の所得を住んでいる所の税務署に申告し、所得税を納めなければなりません。これを「確定申告」といいます。

 この申告の時にこまごまと領収書を持っていっても意味がありません。質問を受けても簡単な設問ですから申告の内容を頭で把握してあればとりあえずOKと思われます。
 またどうしても申告のしかたがわからない人は計算した資料を持っていって説明すればきっとその場で申告書を作ってくれますので所轄税務署にとにかく行ってみてください。

3.確定申告はあくまで自主的な申告です。

 つまり自分の方から所得を申告して納税するわけで、税務署の方から一方的に税額を決めて徴収するものではありません。給与所得があって趣味の範囲で(すなわちもうかるなんて考えられない範囲で)同人誌活動をやっている人はほとんど申告する義務がありません。

 申告しないと「呼び出し」「おたずね」のハガキがくることはあります。
 これはあくまで「おたずね」であってあなたが「脱税」したという意味ではありませんので驚かないで対処してください。
ちゃんと自分の収支を説明できればいいのです。その意味では今後、印刷所の発注書の控えや領収書など、行動記録などは整理保管し収支をはっきりさせておくのが賢明でしょう。今までの分はおそらく領収書などはそろってないと思いますがそれはそれできちんと説明すればきっと税務署の方もわかってくれるでしょう。

4.趣味の範囲を超えるような人、事業として同人活動をやっているような人

 税理士等に相談されて申告することをおすすめします。

5.最後に

 所得があったら税金を納めることは、社会生活の上でどうしても必要なことです。
たのしい同人誌づくりにあたっては、納税義務のある人も必要のない人もお金を扱うのですから収支をはっきりとさせていくようにしましょう。


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