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    ******************************** ★シリーズ:PDFってなんなんだ?★     ******************************** ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   −−−−−(1)PDFファイルってなあに?−−−−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆最近「PDF」というファイルについて良く聞かれます。 あなたがホームページをサーフィンしていると説明文とかカタログ 等を見るのに「アクロバットリーダー(AcrobatReader)が必要です」 と書かれていたりしますよね。またパソコン雑誌なんかの付録にも このソフトがついていたりします。 この「アクロバットリーダー」(AcrobatReader) とは、このPDF ファイルを読むための閲覧用ソフトなのです。 これはアドビから無償で配布されているものですから、アドビのサ イトに行けばいつでも手に入れることができます。 http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html でも、もう実際にはあなたのパソコンに自然にインストールされて いるかも知れません。 それはいろいろなソフトに一緒に添付されているからです。 ◆ではPDFファイルはウェブ上で何に利用されているのでしょう か。どんどん利用方法は広がっていますが、多いのは「カタログ」 や図形の入った説明文です。これらはウェブ上からダウンロードで きるようになっていたりします。 ◆それ以外の分野でも、あなたが新しいソフトを購入すると、最近 では分厚いマニュアルがなくてPDFファイルをモニター上で読む という形のものもありますね。 ◆ワードやエクセルなどのオフィスソフトでも、ニューバージョン では作成した文書をPDFで書き出しができるようになっています。 ◆このように使われているPDFファイルの特徴は何でしょうか。  簡単にいうと以下のような特徴を持っているのです。 (1)盛り込まれた情報量に対してものすごく軽いのです。図形も   文字も一体となった情報が、非常に軽い状態でできています。   ですからダウンロードも楽です。 (2)公開されるPDFの文字はあなたのパソコンにその書体がな   くてもそれと関係なく読むことができるしプリントアウトがで   きます。(これを「文字埋め込み」といいます) 次回からはこのような新進の「PDFファイル」について、さらに 突っ込んで考えます。特に漫画などではどう使われるか考えてみま しょう。近い将来ではきっとあたりまえの知識になるでしょうから さらりと読んで吸収してくださいね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    −−−−− (2)「軽い」と言うこと  −−−−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 画像データはEPS、TIFF形式が一般的ですよね。 これをPDFファイルに変換すると、目的によって重さの変わった ファイルができるんですが、たとえば1/10位になります。 これを同人誌等の表紙の印刷データで考えると、40メガぐらいの データが4メガぐらいになるということです。 ではそのことで画像品質はどうかというと、これまでのテストでは ちっとも劣化しないと言われています。 これまでのようにTIFFファイルなどを圧縮しても品質劣化が問 題でした。だからあまり圧縮できませんでした。 それをこのような軽さにしてしまうのは不思議なくらいです。 ◆「軽さ」からくる可能性(1)/オンライン入稿 軽さはオンライン入稿という方法を飛躍的に発展させるでしょうね。 1メガを送るのにほぼ3分位かかる条件では、40メガは120分 (2時間)かかるのに対して、PDFファイルは12分で送ること ができます。これはすごいことです。 いよいよ本格的にオンライン入稿の時が到来する予感がします。 もう一つ、ホームページでの掲載が楽にできると言うことがありま す。そのことはPICOで処理したデータをお客さんに画面確認し てもらうことができるということにつながります。 ・お客さんがPDF画像ファイル原稿をオンラインで送る ・受け取ったPICOはそれを印刷する形に整えて、隠れウェブ上  に掲載してそのURLをお客さんに通知する。 ・お客さんが見て確認する。 以上のことができますよね。 もしお客さんがきちんと「モニターのカラー設定」をしていれば色 もある程度は確認できますし、電送したことで起きうる画像損傷の 無いことも確認できます。 「モニターのカラー設定」とはモニター画面と印刷物との色合いの 合致させる設定で、PICOホームページにその方法が掲載されて います。 ◆「軽さ」からくる可能性(2)/保存が楽 1つのデータを印刷用とウェブ用にしておけば、パソコン上でアル バム形式に保存が楽にできます。或いはアクロバットでまとめるこ ともできます。 本体が軽いので集中して保存できますし、まとめ方さえちゃんとす ればうまく整理できます。 ◆「軽さ」からくる可能性(3)/電子出版 ついに電子出版の可能性が出てきましたね。すでにテスト的に行わ れていますよね。これもPDFを利用しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    −−−−−(3)文字を埋め込んじゃう −−−−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ PDFのすごいところで「文字埋め込み」ということがあります。 文字(フォント)をデータとして埋め込んでしまうということは、 データをもらった人が、その文字(フォント)を持っていようがい まいが、それにかかわりなくそのデータをそのまま見ることができ るということです。 もちろんマックでもウインドウズでもそんなことにかかわりなく見 えるのです。 これってすごいと思いません? ついにマックとウインドウズの壁 が打ち破られるときが来たのです。 以下、その効用についてまとめます。 (1)マックとウインドウズの壁がなくなる可能性ができた。 これはプラットホームにかかわりなくPDFが扱えるということで す。入稿はオンライン、HPからのダウンロードでも「重さ」も含 めてなんの問題もなくなります。 (2)印刷時での「文字化け」がなくなる。 特にマックでのデータ入稿にはいつもデータ出力時の「文字化け問 題」がつきまといました。(フォトショップでは問題ありません) お客さん自身がPDFデータでフォント埋め込み処理をできるよう になって入稿してくる場合には一切この問題が発生しません。 (3)フォントのアウトライン化という技法は意味なくなります。 アウトライン化は文字が太りました。それで細い文字なんかは困り ましたが、もう必要がありません。 (4)ついでに「オープンフォント」が普及すれば、マックとウィ ンドウズ間でのフォントは共通になります。このフォントは今秋に はきっと発売されて価格も見えてきます。高価なような(汗)。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    −−−−−(4)PDFファイルを作る!−−−−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もともとはPDFファイルは「アクロバット」というソフトで作ら れていました。 でも高いお金(3万円台?)を出してこれを買わなくても、最近の ソフトでは(特に Adobeソフト)アプリケーションから直接PDF ファイルとして吐き出すことができるようになりました。 変換機能が内蔵されているんですね。 でも、残念なことにまだいろいろ問題があります。 内蔵されていたりする変換機能には「PDF_Writer」と「Distiler」 という2つのものがあります。PDFライターとディスティラーで す。しかし、はっきりいうとPDFライターはダメです。役に立ち ません。 PDFライター ・・・・・・・ アプリケーションで吐き出しするときに「変換設定」ができるよう な機能がないものは、ほとんどこのダメなPDFライターです。 なぜダメかというとPDFに文字が埋め込む機能がないのです。 ただただ「軽くする」変換ソフトであって印刷のためのPDFの良 さを発揮していません。大量文書ドキュメント保存用なのです。 新しいソフトではこのソフトは採用されていません。 近いうちに消滅する運命でしょう。 ディスティラー ・・・・・・・ 変換はこのソフトが付属(内臓)されているもので行います。 もともとはアクロバットというソフトに付属するもので、いま市販 されているアクロバットVer.5にも入っています。 このディスティラーには変換設定という場面があって「ホームペー ジ用」「プリンター用」「印刷(Press) 用」というように設定でき ます。文字を埋め込むかどうかもここで設定できます。 但し! ・・・ ややこしいですが、PDFファイルにもバージョンがあって、最新 (アクロバットVer.5)のものは1.4です。でも印刷に対応でき るものは1・3なのです。なんと1.4の機能に対応した印刷用の ソフト(リップ)がまだ開発されていないのです。 でもアクロバットVer.5でも1.3のファイルは作れますので、そ のように設定すれば大丈夫です。また1.4になってしまったとし ても1.3の機能だけで作れば出力は可能です。1.4の新しい機 能とは「透明化」という機能等ですが、当面はあまり漫画には関係 ないでしょう。 次回は変換設定の重要なポイントについて考えます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ −−−−(5)PDFファイル/作成マニュアル−−−−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これまでのお話と重複することもありますが、とにかくPDFファ イルをつくる場合の手順・注意点をまとめます。 ●すべての前提/その1 ここに述べる手順は、あくまでも、−−−−−−− ◎「印刷に役に立つ品質」であること、 ◎「フォントはすべて埋め込んでしまい」データ入稿しても「文字  問題が起きない」PDFをつくることを前提にした作成方法です。 ◎その意味では「軽いPDF」の側面は比較的犠牲になります。 ●すべての前提/その2/画像品質 画像のみのデータのPDF化は比較的簡単ですが、その画像は、印 刷用に300dpi 位の解像度がほしいです。 ●すべての前提/その3/フォントがある場合 以下の解説でもフォント埋め込みのことが多く説明されます。 文字には「埋め込みできるフォント」と「できないフォント」があ ります。基本的に「新しいフォント」はできます。実は同じ名前の フォントでも「新しい」「古い」フォントがあるので複雑ですね。 できない場合、フォントを変えなければなりません。 ●PDFファイル作成ソフトについて ◎PDFファイル作成ソフトは、基本的には市販されている「アク ロバット」(Acrobat Ver.5 )に付属している「ディスティラー」 (AcrobatDistiler) といわれるものです。 もしあなたが 「Acrobat」自身をお持ちの場合、そのバージョンは Ver.4〜5でなければなりません。。ただし、Acrobat Ver.4 の場 合は必ず Ver.4.05にバージョンアップしてください。 ◎この私たちが使う「ディスティラー」は、最近ではアドビやマイ クロソフトのアプリケーションにバンドル(内臓)されはじめ、便 利なことにアプリケーションから直接PDFファイルがつくれるよ うになってきました。 ◎そのほかソフトに一緒に付属しているもので「PDFライター」 (PDF_Writer)がありますが印刷データをどこでも扱えるという目 的には役に立ちません。ダメです。 ●でも、注意!! ◎古いアプリでは、いまダメ!っと言った「PDFライター」がバ  ンドルされているものがあります。これでPDFをつくっても文  字は埋め込みできません。 ◎それを見分けるには、マニュアルなんかではきっと書いてあるし、  またアプリからでも「変換設定」画面などがあって、それを選ぶ  と「ディスティラー」の設定画面になるのでわかります。 ●「ディスティラー」の設定 ◎ディスティラーの画面には「ジョブオプション」としてプルダウ  ンで選択する画面が出てきます。  そこでは「PressOptimized」または「PrintOptimized」を選んで  ください。  次に「設定」→「ジョブオプション」を選び、ジョブオプション  の設定を行います。ここが肝心なところです。 ◎当面、肝心なところだけを列記します。それ以外はデフォルトの  ままで良いでしょう。触らなくて良いです。 ・「一般」では Acrobat 4.0 に設定。 ・「フォント」では「すべてのフォントを埋め込む」 ・「サブセットの全フォントに対する割合」では100% ・「埋め込めなかったときの処理」では、「警告した後続行する」 デフォルトに何らかの変更を加えるとそれを保存するために「ジョ ブオプション」ファイル名を聞いてきます。 この場合、例えば「PrintOptimized」に変更を加えて、ファイル名 をつけるならば「PrintOptimized_PICO」などのようにします。 次からはこれがあなたの設定したジョブオプションになります。 ◎「埋め込めなかったときの処理」で「警告した後続行する」を選 ぶと文字が埋め込めなかった時もPDFを作ってくれます。 そして表示されるログに埋め込まれなかったことを表示してくれま す。それを見て書体を「埋め込みできる」書体に差し替えたりして 全部が埋め込まれるよう繰り返し挑戦します。 ●挑戦して、そして「できない」場合  できなかった時のエラーの原因を列記しておきます。 ◎文字には「埋め込みできるフォント」と「できないフォント」が  あります。これはフォントを全面的に差し替えるしかないです。 ◎厳密に言うと、 「ディスティラー」は、二つのプロセスを通ってPDFを作ります。 (1)プリンターとしての「ディスティラー」   アドビのドライバーなどで印刷ファイル(.psとか.prn )を作   ります。本当に用紙にプリントアウトするのではなくファイル   として出力します。 (2)PDF変換ソフトとしての「ディスティラー」   その印刷ファイルをPDFファイルとして変換します。 この場合、(1)のプリンターでプリンタードライバーがなんであ るかで「文字化け」なども左右し、PDF作成に大きな影響を与え ます。PDFが正しく作成されないとき、ドライバーのバージョン などを調査します。 ◎今では市販の本でもマニュアルがあります。 それを参照してください。またPICOに相談してもOKです。 ●最後に -------- PDFファイルは画像も文字も一体化したデータです。 これを編集するソフトもありますが個人で買うにはまだ高いですし、 アクロバットソフトもかなり制限があります。ですからPDFを作 成した「元データ」は大事に保存してください。 なにか変更があったときには、この元データを修正したりして再度
PDFを作ることになります。