★  どうして「余部」ができるの?  ★

よく100部注文して120部位が納品されて喜んだお客さんがいます。
100部の料金と注文で20部が余分に入っていたなら普通は喜びますよね。
でも逆に、PICOのように長いこと同人誌を作り続けていると「なんで部数が多いんだ!」と怒られたこともあります。(-_-;)
その抗議の理屈は「部数が少ない注文なのに余分を入れるなんていやみだ!」というわけで「あやまれ」と言われたことがあります。

印刷には必ず失敗がつきものです。失敗された用紙は「ヤレ」として廃棄します。
さらにインクの調子を出すのに必ず「ヤレ紙」を印刷機に通して調子を整えます。
その後の製本作業でも位置合わせなどで印刷されたモノを使って消費します。

PICOでは、オフセットの多色刷り表紙の場合には100部の注文に対しては136枚の用紙を使います。本文は約130枚くらい印刷します。
だから何の失敗もしなければ130部くらいは仕上がる理屈です。
でも上記の理由でそうはいきません。通常はだいたい10〜15部くらいの余分で仕上がるでしょう。それはお客さんに差し上げています。
でも機械トラブルなどで100部ぎりぎりの時もあります。
その時はあきらめてくださいね。なぜか「余部」があることをすごく楽しみにしている人がいます (-_-;)



★  非公害「大豆油インク」の問題  ★


もう「大豆油」を使ったインクも大幅に取り入れられるようになりました。公害対策としては必要なことですよね。
じつはそれでPICOにも大きな問題が発生してきました。
それは「インクの乾き」の問題です。

インクには速乾性と遅乾性のインクがあります。PICOは速乾性のインクを標準としていますが、最近なぜか乾きが鈍いのです。
普通、印刷して次の日に製本作業に入ります。

製本では、−−−−−−−−
◎大きさを整えるのに印刷物を「押さえて」断裁します
◎ページをあわせる(丁合い)作業ではゴムのコロで印刷物を「こすり」移動させます。
◎そして仕上げには再び「断裁」します。
このような時に印刷物が乾いていなかったら裏写りだとか汚れの原因になります。
でも次の日には製本しなければイベントに間に合わないなんていうことは良くあります。
その原因は当初わからなかったのですが、機材業者などに問い合わせたところ原因は大豆油利用でした。

大豆油ではこの障害が発生することが言われるようになりました。
対策としては「乾燥剤」を添加するしかないようです。それで解決するのかPICOでは検討中です。
いろいろあるもんなんですね。


★  秋までには「オープンタイプフォント」発売?  ★

「オープンタイプフォント」というフォントが今年の夏から秋頃に向けて発売されます。
これはフォトショップ、イラストレーターなどで有名な「アドビ」と「マイクロソフト」が話し合って開発したフォントです。
これまでのフォントと何が違うのかというと、いろいろあるのですがなんといってもMACやウィンドウズなどのプラットホームに関わりなく共通の文字になるということです。
ホンの10年前は、高解像度の印刷物を創るには、MAC環境で、1書体10〜20万円もかかったりするフォントが必要でした。
ウィンドウズが普及してきた今、ウィンドウズデータを印刷するには最終的にはMAC環境につなげて印刷せざるをえません。
でもそれぞれで文字コードがずれているので「文字化け」を起こしたりもします。
この問題を解決したのがこのオープンタイプフォントなのです。

このフォントはスタンダードタイプとプロタイプの2種類が出ます。
プロタイプは記号、異体字なども豊富に収容され、これまでの書体文字数の2倍近くの文字数(15444文字)を持ちます。
これほどには日常にいらないと思いますのでスタンダードタイプ(9354文字)の購入で良いと思います。

値段が気がかりなのですが、これからフォントの購入を考える人は注視しておいたほうが良いと思います。



★  デジタル印刷ってなに?  ★ モノクロ本文のデジタル印刷について

オンデマンド印刷というのは「必要なときに必要な部数」だけ印刷するということです。
それを実現するにはコンピュータにデータを貯めて置いて必要な部分だけ出力(印刷)します。
本文などを印刷する場合のデジタル印刷とはこの要求に応えるために、単純に言うとトナーを紙に乗せて熱で融着させるコピーと同じ方式で印刷とします。大量出力、それがデジタル印刷です。

◎その長所は、
 ・オンデマンドに何枚でも出力印刷できる。
 ・オフセット印刷の複雑な工程なしで印刷物ができます。
 ・少部数の場合、安上がりです。
◎その短所は、
 ・紙に熱をかけるので紙が乾いてカールします。
 ・熱をかけてトナーを解かすので表面がテカリます。
 ・用紙にトナーインクがのるだけなのでちょっとのことで剥げて  しまいます。
 ・上記の意味で保存性に乏しいということになります。
 ・今のところ600dpiという低い出力解像度なので、アナログ原稿のスクリーントーンと干渉しあってモアレができます。
 ・総じて太ります。特に細い線は太くなったことを感じます。

まあそういうことで品質としてはコピー本の上級版というところでしょうか。
PICOではまだ導入していません。悩んでいます。
安上がりということは良いんですが、モアレなどの問題はどうしても気になります。
せめて出力解像度が600から1200にレベルアップした時点が導入の時期でしょうか。

カラー印刷の場合はもっと技術が進んでいます。
その点はまたの機会に解説してみたいと思います。


★  「解像度」ってなに?  ★
 
解像度という言葉はどこでもよく使われますよね。
単純にいうと解像度とは「画像」をどれだけ細かく鮮明に表示できるかをしめす指標です。

デジタルカメラやスキャナ等を使ってコンピュータに取り込んだ画像はデジタルデータですよね。
デジタルデータはその表現を点によって表現しています。

だから、モニターの画像をどんどん拡大していけば、正方形でできた「最小の色」が現れますよね。
これらは1つ1つに色表現を持った「pixel」(ピクセル=画素)と呼ばれるものです。
このピクセルを読みとる最小単位としてはこれを「ドット」(点)と呼びます。
このドットがたくさん集まって1つの画像が出来上がります。

では印刷に最適な解像度350dpi(ppi)とはなんでしょう。
dpi とはドット・パー・インチで1インチの間隔でこのドットがいくつ並べられるかという意味です。
従って数値が多いほど「解像度が高い」ということになります。(1インチ=2.54センチ)

理屈上は、数値が多いほど「表現能力」が高くなるということですよね。
でも一般オフセット印刷システム自身の印刷表現能力との関係で「最適」とされたのが350dpiという数値です。
これを600dpiとか1000dpiにすればもっと良いのかというとダメです。
ドットの間がつぶれてしまったり印刷の調子が崩れてしまいます。
一般的には印刷表現の細かさは「線数」例えば175線というように表現します。
1インチに175本の線が表現されるという細かさです。そこでカラー印刷の場合、一般的な175線の場合は画像解像度は、その2倍の数値350dpi が理想解像度、150線の場合は300dpiというように関係させます。

   印刷線数×2=理想解像度  というわけです。

近い将来は、200線以上の「高精細オフセット印刷」としてもっと高い解像度の画像を表現できる方向に向かっていくでしょう。

さてパソコンのモニターは普通72〜100dpi 程度の解像度でしか表現できません。
そこで350dpi の画像を持ってくると画像の大きさは実際の大きさより馬鹿でかいものになります。
これではわかりにくいのでフォトショップでは「解像度」というところにプリントサイズとピクセルサイズが表示されています。
ここで、プリントサイズを原寸とし解像度を350に設定します。


★  「拡張子」を付けておきましょう  ★

ファイル名を付けたりするときに「.」(ピリオド)の次に入っている3文字のアルファベットです。
  「.txt」(テキストファイル)
  「.psd」(フォトショップファイル)
  「.doc」(ワードファイル)
  「.exe」(エグゼファイル=実行ファイル)
などいろいろありますよね。
この文字はそのファイルのもつ性格・種類をあらわします。

MACの世界ではこの拡張子はあまり必要ありませんでした。ですからMACを扱う人にはあまりなじみが無いようです。

しかし、MACからウィンドウズへとデータを受け渡していく場合にはこの拡張子は絶対に必要になります。
そうでないとウィンドウズ側でこのファイルにマッチしたアプリケーションを的確に選び取り、データを表示することができない状態になってしまいます。
また印刷所などに原稿を送るときもこの拡張子があった方が仕事がスムーズに流れます。
ですから設定としてこの拡張子を付けるということにした方が良さそうです。