IIS コンポーネントをインストールする

インターネット インフォメーション サービスでは、必要に応じて有効または無効にできる各種のコンポーネントを提供しています。ここでは、これらのコンポーネントの詳細、およびコンポーネントが現在の IIS 設定に及ぼす影響について説明します。また、インストールの方法についても説明します。

共通コンポーネント

IIS をインストールする際、特に指定しない限り [IIS 共通コンポーネント] オプションはオンになっています。サーバー環境のセキュリティを強化したい場合、一部の共通コンポーネントを選択しないことも可能です。ただし、[IIS 共通コンポーネント] オプションをオフにした場合、すべての共通コンポーネントが選択されず、IIS がコンピュータにインストールされません。したがって、IIS をコンピュータにインストールする場合、このオプションはオンのままにします。IIS と同時にインストールされるサービスおよびコンポーネントを制限するには、共通コンポーネント以下に表示される個々のコンポーネントをオフにします。

マニュアル

IIS をインストールする際、特に指定しない限り [IIS マニュアル] オプションはオンになっています。IIS のオンライン マニュアルには、「はじめに」、「管理」、および「Active Server Pages ガイド」の完全版が含まれています。これらのマニュアルでは、IIS のさまざまな機能、ツール、および管理オプションを理解するための情報を提供しています。また、IIS Web サーバーのパフォーマンスを管理、監視、および改善するための手順も説明しています。IIS のオンライン マニュアルを検索するか、目次または索引を利用してトピックを参照してください。

プライマリ IIS Web サーバーから複数の IIS Web サーバーを管理するように設定された環境では、すべてのサーバーにマニュアルをインストールする必要はありません。これにより、IIS の設定および機能が影響を受けることはありません。

オンライン マニュアルがインストールされている場合、ブラウザのアドレス バーに「http://localhost/iisHelp/」と入力して Enter キーを押すと、IIS のオンライン マニュアルが表示されます。

FTP (ファイル転送プロトコル) サービス (既定では無効)

FTP (ファイル転送プロトコル) は、インターネットなどの TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) を使用したネットワーク上のリモート コンピュータ システム間でファイルをコピーするために使用されます。このプロトコルを使用すると、リモート システム上のファイルやディレクトリの一覧表示など、ファイルに対する作業に FTP コマンドを使用することもできます。IIS では、FTP を有効にすることで Web ブラウザを介したファイルの転送が可能になります。

FTP の詳細については、次の項目を参照してください。

FrontPage Server Extensions

FrontPage Server Extensions では、FrontPage をオーサリング環境として使用することにより、Web サイトをグラフィカル インターフェイスで表示し、管理することができます。FrontPage により、サーバー上で迅速に Web サイトを作成したり、Web ページを作成および編集してリモートで IIS へ送信することもできます。FrontPage でサイトを作成している間は、IIS との接続が維持された状態で Web ファイルの保存および変更が行われるので、作成しているサイトをいつでも参照することができます。FrontPage Server Extensions をインストールしない場合は、すべての Web コンテンツを手動でコピーして設定を構成する必要があります。また場合によっては、FrontPage で登録済みのアプリケーションを手動で登録する必要もあります。Microsoft FrontPage Server Extensions では、Microsoft Clustering のリソースはサポートしていません。

詳細については、次の項目を参照してください。

インターネット インフォメーション サービス スナップイン

インターネット サービス マネージャは、インターネット インフォメーション サービス スナップインという名前に変更されています。IIS スナップインは、Web サイトを管理するためのグラフィカル ユーザー インターフェイスです。また、IIS スナップインは MMC (Microsoft 管理コンソール) のスナップインです。つまり、MMC の機能に追加されるアプリケーションであり、MMC を利用したほかの管理アプリケーションと同様に、MMC のウィンドウ内に表示されます。IIS スナップインがなくてもサーバーの管理はできますが、inetpub\adminscripts\adsutil.vbs などの用意されたスクリプトを使用するか、またはサイト、アプリケーション、仮想ディレクトリ、およびセキュリティ設定を作成する IIS API を呼び出す独自のスクリプトを使用する必要があります。Web サービスおよび FTP サービスでは、IIS スナップインが必須です。

詳細については、次の項目を参照してください。

SMTP (既定では無効)

Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) を使用すると、IIS と連携して機能するイントラネット メール サービスをセットアップできます。SMTP は、ネットワーク上のあるコンピュータから別のコンピュータへメッセージを送信するための TCP/IP プロトコルです。このプロトコルは、インターネットでの電子メールの伝送に使用されます。

SMTP がインストール済みの場合、ブラウザのアドレス バーで「file:\\%systemroot%\help\mail.chm」と入力して Enter キーを押せば、製品マニュアルを表示できます。

Visual InterDev RAD Remote Deployment Support

強力な Web アプリケーション開発ツールである Microsoft Visual InterDev を使用して、最先端の Web サイトを迅速に構築することができます。Visual InterDev の統合データベース ツールによって、OLE DB データ ソースおよびオープン データベース コネクティビティ (ODBC) に準拠したデータベースに、Web サイトを簡単に接続できます。Visual Interdev RAD Remote Deployment Support では、Web サーバー上のアプリケーションをリモートに配置できます。

詳細については、次の項目を参照してください。

World Wide Web サービス

IIS は、インターネットおよび World Wide Web にページを提供します。IIS がその主要なサービスを実行するためには、このコンポーネントをインストールしておく必要があります。このオプションをオフにした場合、インターネット インフォメーション サービスは使用できません。

World Wide Web サーバーには、次の仮想ディレクトリが含まれます。

MSADC 仮想ディレクトリ

このディレクトリには、クライアント側のデータ アクセスを Web ページで提供するために必要な ADO (ActiveX Data Objects) が含まれます。サーバー側 ASP (Active Server Pages) から ADO へアクセスする場合、これらのファイルは必要ありません。このディレクトリは、MSRDS (Microsoft Remote Data Service) とも呼ばれます。

プリンタ仮想ディレクトリ

Windows XP では、サーバー上のすべてのプリンタは、簡単にアクセスできる Web サイト (http://localhost/printers/) に、動的に一覧表示されます。このサイトを参照して、プリンタおよびプリンタのジョブを監視できます。任意の Windows コンピュータからこのサイトを介してプリンタに接続することも可能です。

スクリプト仮想ディレクトリ

使用するスクリプトは、できる限りこのディレクトリに格納します。

リモート デスクトップ Web 接続仮想ディレクトリ

ターミナル サービスは Windows XP の機能の一部です。あるコンピュータのデスクトップからほかのコンピュータにアクセスして、"リモート デスクトップ" とよばれるデスクトップの共有や、複数アプリケーションをホストする "ターミナル サーバー" といった機能を実現します。ターミナル サービスのリモート デスクトップを使用すると、IIS などの Windows XP サービスをサーバー コンソールから操作するのと同じように、リモートで管理できます。Windows XP では、このリモート デスクトップは特に指定しない限り有効になっています。ターミナル サービスを利用する場合、リモート コンピュータ上に MMC または IIS スナップインをインストールする必要はありません。

ターミナル サービス クライアント ソフトウェアは、古いコンピュータや UNIX ワークステーションなど Windows 以外のコンピュータでも利用できます。ただし、Windows 以外のクライアントでは、サード パーティ製のアドオン ソフトウェアが必要です。Windows XP の組み込みリモート デスクトップ接続クライアント ソフトウェアでは、LAN、PPTP、ダイアルアップなど、ネットワークを介した接続が可能です。

リモート デスクトップ Web 接続では、Web 上でターミナル サービス クライアント接続を展開するための Web 制御およびサンプル ページを提供します。Web サーバー上でリモート デスクトップ Web 接続を展開すれば、Internet Explorer と TCP/IP 接続だけで、クライアント コンピュータからターミナル サーバーおよびほかのリモート デスクトップへのリモート接続が確立されます。

詳細については、C:\%Windir%\Help に既定でインストールされるリモート デスクトップ Web 接続のマニュアル (Rdesktop.chm) を参照してください。Windows 2000 Server の場合、C:\%Windir%\Help にターミナル サーバーのマニュアル (Termsrv.chm) がインストールされます。

IIS コンポーネントをインストールするには


  1. [スタート] をクリックし、[設定] をポイントして、[コントロール パネル] をクリックします。次に、[プログラムの追加と削除] をダブルクリックします。
  2. [Windows コンポーネントの追加と削除] をクリックします。Windows コンポーネント ウィザードが表示されます。
  3. インターネット インフォメーション サービスは、特に指定しない限り Windows XP Professional にはインストールされません。[インターネット インフォメーション サービス (IIS)] をオフにした場合、IIS はコンピュータにインストールされません。このオプションをオンにした場合、IIS およびそのコンポーネントが同時にインストールされます。
  4. [詳細] をクリックします。[コンポーネントの追加と削除] ダイアログ ボックスの [インターネット インフォメーション サービス] に、IIS のサブコンポーネントの一覧が表示されます。
  5. 特に指定しない限り、次のコンポーネントがインストールされます。

  6. インストールする IIS のコンポーネントを選択します。コンポーネントを選択したら、[詳細] ボタンが表示されているかどうかを確認します。
  7. 選択したコンポーネントに対して [詳細] ボタンが表示されていれば、クリックします。該当するサブコンポーネントのダイアログ ボックスが表示されます。
  8. インストールするサブコンポーネントを選択し、[OK] をクリックします。
  9. Windows コンポーネント ウィザードに戻り、[次へ] をクリックします。
  10. 選択した IIS のコンポーネントがインストールされます。

関連項目


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