「とらハSS掲示板・再生計画」について


ここでは、
このSS、オリキャラ×オリキャラという、「とらハSS」という枠組みとしては反則すれすれ
のネタを開始するにあたっての、管理人・藤海の考えを述べておこうと思っています。

とらハSS掲示板について

とらハSSの二次創作界には、「とらハ倶楽部・創作小説専用掲示板」→「とらハSS掲示板」→
→「続・とらハSS投稿掲示板」と続く一種の文壇があります。
厳密には、そこで書き、そして読んでいる人間は少しずつ入れ替わっていますし、
管理人様も替わっていますが、同じ理念と歴史を継承している世界だと思います。


その初代、「とらハ倶楽部・創作小説専用掲示板」はivory内に存在した訳で、半公式的に
二次創作的世界が存在していたことになります。
(すいません、私は当時はいませんでしたので、これらは伝聞です)

現在の同人界におけるとらハの勢力は、ソフトの売り上げ本数に比して元気があり、また
その中でも活字の比率が高い勢力だと思います。
さらに言えば、物語中心で非エロでの活動を頑張っている人達が多いように感じられるます。
そういった状況が成立する要因の一つとして、この文壇という土壌があるおかげ、と
私は考えています。


とらハSSの今について私見


さて。
今、「とらSS界」はゆっくりと衰退に向かっていると思います。
原因は言うまでもなく、とらハのゲームシリーズが終了してしまったことです。
ネタ、というか情報の補給が0になってしまっては、どうしたって膝を打つような
二次創作ストーリーは出てこなくなります。そのことに安易に甘えてすぐジャンル替え
をする人も好きになれませんが、それでも世界が閉じてしまっている以上、現実的には

「水が濁るか、畑が痩せるか」
という状況になってきます。実際に即売会でも、www上でもクロスワールド的な作品が
多くなってきています。無意識的にであれ意識的にであれ、多くの人達がこのことには
気付き始めているのでしょう。


この様相がさらに続けば、究極的には二次創作物は大きく二つに分かれていってしまう
と思います。
一つは、「キャラのみを借りて、異世界での大活劇を書く」もの。
時代劇だよ全員集合〜と言って、みんなで楽屋話を盛り上げるとか、後はみんなで
個性に合わせて車を一台設定して、峠を攻めるお話を繰り広げるとか。


そして、もう一つが私が補完しようとしている側、つまり
「ワールドのみ借りて、キャラやお話を書き下ろす」こと。

オリキャラ×オリキャラ

もちろん、そのどちらでもなく、公式年表(ガ○ダム。笑)
の隙間をぬうような小さなエピソードに収束していく、というのも一つの方法ですが、
面白いお話が読みたい! という欲求の前ではそちらのみになってしまうのは少し
さみしい気がします。


と、いうわけで少し私は「ワールドのみ借りて、キャラがオリジナル」という方向性を
提言してみようと思ったわけです。

とらハワールドは、箱も含めれば5つの舞台が同一の世界観で描かれたことで、ワール
ドとして切り出しても十分魅力的な物になっていますし、あの「奇人変人がどかどか
出てきているのになぜか統制が取れていて、しかも社会として、や、心情としてみると
不思議とリアル」な感覚は、キャラだけ取り出して捨ててしまうにはもったいないと
思います。

ク・リトル・リトル神話や指輪物語のようにワールドの方が残っていくような二次創作は
不可能だろうか、ということです。
「これはこれでアリ」
という状況を作ることを目標としているのですね。




ただ、これは賭けでもあります。
とらハSS掲示板世界の歴史には、『オリキャラ最強伝説』という歴史があり、(伝聞です、
すいません)伝統的にオリキャラに対する警戒感が強いのです。
これが試みとして、特例ででもなんででも、受け入れて貰えるか? というのは
書く段階ではなかなかに微妙な気がします。
『オリキャラ最強伝説』について
特に対決系のSSにおいて、作者の作成したオリキャラやその流派が、「こうだから
こんなに強いんだよ、こんなに凄いんだよ、すごいでしょ?」というお披露目の
ため「だけ」に書かれた、
作成者の満足のためだけに作られたようなお話が氾濫したことがあったらしい。

その都度、良識派との軋轢を生み、掲示板が荒れたんだとか。
ひどい話である。
(全て伝聞です)

そこで具体的には一発目は。

私は始めるにあたって、目標を2つ立てました。 後者について補足すると、
とらハ世界の人間関係はすでに楽園のように、緊密かつ濃厚になっています。
また、戦闘系の技術を持つ者の能力がすごく高くなったため、クライマックスを
作ろうとすると、いちいちスケールのでっかい話じゃないと成立しなくなってきて
いるように思われます。

せっかく「オリキャラ×オリキャラ」というカテゴリーを使うのだから、
枠物語としてのストーリーの骨格は、小さなラブストーリーの方が希少価値が
出るでしょう。

主人公と舞台設定

まず、恋愛主である男主人公は、「風芽丘の新1年生で高町家に下宿することになった」
という設定にします。
これは、キャラととらハの世界との繋がりを少しでも強くするためです。
一発目として先陣を切る以上、可能な限り優等生な物語を作らなくてはなりません。
悪い前例を残すと、後続がぐずぐずになりますから。

とらハワールドの魅力の一つは「暖かい」事です。
それをなるべく鮮烈に描き出す意味で、主人公は割と普通の感覚で生きていて、
人間関係や情に対して臆病になっている様な子を設定します。
彼の視線を通じて、とらハワールドの魅力を描写して貰いましょう。


彼の下宿先が高町家なのはもう一つ理由があって、(笑)
私も答えさせて頂いた、「とらハ好きに100の質問」の中に、

「Q.83 海鳴の中であなたが住みたいと思うのはどこですか? 」
という物がありまして、それの皆様の解答を見ていると、「高町家」という解答が
すごく多かったのですよ。
よし、ならそれだ。小説の中でそのドリーム、叶えようじゃないかみんな!
という訳で、
ある意味では今回の主人公君は「ドリーム小説」の「ドリ主」だ、とも言えます。
ただ、結局は行動を選択できるわけでもないですし、これは普通の小説として
(ドリーム物ではなく)書くことにします。


ヒロインについて

どんなカップリングにしようかなー、と言って2・3パターン考えていたんですが。
等々の要素が統合されて、一美ちゃんの原形ができました。
もっと他にも、

「ばりばりに荒くれていて、他人を寄せつけない子」とか
「成績優秀、容姿端麗だけど、近づいてくる他人の、思惑に脅えている子」
とかが、だんだん主人公に惹かれていく様子を書く、というアイデアもあったの
ですが。

えと、後何かしら突っ込まれそうなので、先にネタばらしして懺悔すると、
「頭の後ろに、2つ結わいてるしっぽ」の着想は、“神咲那美ver.1.0”です。
他のギャルゲーのあの子とかあの子とかではありません。


……いや、孝太郎が「健ちゃん」みたいだ、とか友人に言われたものですから。
友人達について

世界観の、というか人間関係の広がりを感じさせたかったので、必ず出すつもりでした。
そのせいでさらにオリキャラの出番が多くなってしまっても。

桐子のパーソナリティーは、「男友達と対等な力関係のまま旧友を続けられて、かつ
マザコン気味の主人公と、つかず離れずやってきた感じ」

……で、考えたら現在の藤海としてはこんな感じに仕上がりました。
太一が出せませんでしたが、名前だけでも決めておく事に意味があるんです。きっと。
桐子が住んでいることにしたウインドヒルズは、
「Q.83 海鳴の中であなたが住みたいと思うのはどこですか? 」
の藤海の解答だったりします(笑)

「高町家」や「さざなみ寮」のようにあまりに鉄壁に仲がいい所には、自分が参加
するよりも、はたで眺めて、

「いいなぁ、ああいうの」
とか思ってる方がいい、とか感じてしまったものですから。
そういう意味では、私の物の感じ方は桐子や孝太郎に近いのかもしれません。
(さざなみで楽しく暮らしてそうな、一美ではなく)