初めに

  この準空気銃の基準を定めるのが、内閣府令第16条の3です。
(人を傷害し得る弾丸のエネルギーの値)
第16条の3 弾丸の運動エネルギーにつき法第二十一条の三第一項の内閣府令で定める値は、弾丸を発射する方向に垂直な当該弾丸の断面であって当該弾丸の前端からの距離が〇・三センチメートル以内のものに係る面積のうちの最大のものに三・五を乗じた値とする。

(弾丸の運動エネルギーの値の測定の方法)
第一条の二 法第二条第一項又は第二十一条の三第一項の内閣府令で定める弾丸の運動エネルギー(単位は、ジュールとする。以下同じ。)の値の測定は、次に掲げるものに基づき算出することにより行うものとする。
一 水平方向に発射された弾丸が弾道の上における銃口から水平距離でそれぞれ〇・七五メートルの点と一・二五メートルの点との間を移動する速さを、室内においてその温度が二十度から三十五度までのもののである場合に測定したときにおける測定値
二 弾丸の質量の測定値


では具体的な数値を入れて計算してみましょう。

計算式
弾丸の先端から0.3センチメートル以内の最大の直径断面積(平方センチメートル)× 3.5J
6oBBの場合、0.3×0.3×3.14×3.5=0.98J
8oBBの場合、先端から0.3センチメートルの断面の半径を求めなければならないことになります。
ピタゴラスの定理により、半径をrとする円の軌跡はxの2条+yの2乗=rの2乗ということができます。
これを、これに半径0.4、y=0.4−0.3=0.1を代入すると、
xの2乗+0.01=0.16となり、
xの2乗=0.15
xは0以上であるから、x=0.3872983となります。
それを上限値の計算式に当てはめると、1.64Jとなります。

エネルギー(J)は、弾丸の速度(m毎秒)の2乗×弾丸の質量(g)×0.0005ですから、
6o0.2gのとき初速は98.9m毎秒であり、0.25gのときは88.5m毎秒です。
8o0.35gのとき初速は96.8m毎秒です。(注:8oバイオは6oより軽い材質でできている。)
最大断面での単位面積当たりのエネルギーは
6oでは3.5Jですが、
8oでは3.26Jとなり、8oは飛ばせないことが分かります。

注意すべき点は、銃口初速で計測するわけではないという点です。弾丸が銃口を出ても、銃口からでる発射ガス(空気)におされて加速する場合がありえるからです。ですから銃口で計測する弾速機を使って計測する場合は、規制値ギリギリより低い値を想定しておかねばなりません。
また、コッキングや電動は比較的安定したエネルギーになりますが、フロンガスのガスガンは、温度によってエネルギーが変わってきますから、ガスガンは規制値ギリギリより低い値を想定しなければなりません。
さらに、条文に書かれていない計測方法として、10回発射して1回でも基準を超えればアウトなので、この点でも規制値ギリギリより低い値を想定しなければなりません。
さらに、同じ銃でも、弾丸のエネルギーは、弾丸の質量によって微妙に違ってきます。同じ銃でも、0.2gの時と0.25gの時では実測すると違ってくることもあるのです。

戻る