*ミキサーを買った訳
スタジオでの練習をスタジオ備え付けのワンポイントマイクで録音していると、マイクの位置で録音される音が毎回違うこと、それと1つ1つの楽器の音がグチャグチャに掻き混ざっちゃって誰が何をどう弾いているのか解らないことに不満を持つようになりました。こんなテープを後に聞いたとして自分がどこをどう間違えてるのか、どうおかしいのかが解りません。それだったら録音しても仕方が無いのです。そこで、スタジオのボーカル用のPA(パワードミキサー)のチャンネルをやりくりして、ありったけのマイクを掻き集めて録音してみたところ、今度はそれぞれの演奏がクッキリと聞こえるではありませんか。このベストバランスをそのままライブに持って行けたら・・・これがミキサー購入の動機です。

*ミキサー購入は計画的に
最初YAMAHAのミキサーを購入したのですが、セッティングをしているうちにチャンネルが不足していることに気づいたのです。何ともマヌケな話です。で、急遽サブのミキサーが必要ということになって、「どうせギター系4本だから少々音には目をつむってもイイヤ」ということで
サウンドクラフトのNotepad(2万円位で売られている、それでいて平衡入力端子が4chあって、しかもファントムの供給も出来るミキサー)を買いに出かけたのです。ところが、実物を見ているうちにそのあまりにもプラスチックでオモチャっぽい造りにすっかり購買意欲をそがれてしまいました。せっかくお金を使うのですからあと1万円も足せばもっとずっと立派なミキサーが買えるのです。
ということで、BEHRINGERを購入したのですが、YAMAHAの方がノイズが少なくて音もしっかりしているという印象。BEHRINGERにはギター系4本を入力し、それをYAMAHAに入れてPAへ行くという構成です。本当はMackieが欲しかったんですけど、予算と仕様とを考えるとどうもマッチしません。
後でAUDIXのマイクを購入する時に試聴のために店員さんが繋いでくれたのがサウンドクラフトのNotepadでした。とてもノイズが多くて音のあまり良くないミキサーで、やっぱり止めといて良かったと改めて思ったのでした。機会があったらNEVEの卓の前に座ってみたい!!。それにしても何で今時のパソミキってマイク入力が少なくてライン入力がやたらと多いのでしょうか?これも電子楽器が増えてきたことの影響なのでしょうか...

*マイクロホンも欲しくなる
マイクロホンも本当はコンデンサー型なんかを使ってみたいのですが、何せ予算が無い。憧れのコンデンサーマイク、
NEUMANNAKGっていったいどんな音がするのでしょうか?
SM57LCは何にでも使えて便利なマイクですが、アタマのキャップがガタガタしててクルクル回っちゃったりするのはどうも...でも、このマイク、昔からあるんですが、その昔サラリーマンの1ヶ月分の給料じゃ買えないくらい高かったとか。いい時代になったものです。最近1本買い足した時の値段は9500円でした。音はAUDIXのと比べるとソフトな感じです。ウィンドスクリーンを付けてボーカルやサックスに使っています。
AUDIXのD1は18000円だったんですが、これは良かったと思います。「サウンドハウス」という店から追加購入した時には12800円でした。これだけの実力でこの値段は安い!!最近になってD4という低域を得意とするマイクが発売されました。AUDIXのホームページには「キックドラムに効くぜ」というような事が書かれてました。なんだかイケナイ物欲が目を覚ましそうな予感。
SureのBG1.0はいけません。素人耳にもはっきりと解ります。ボーカルは鼻づまりになってしまうし、シンバルなんかシャーンじゃなくてジャリジャリになってしまう。ところで、最近気が付いたんですけど、スタジオにはBG1.0とBG1.1があるんです。BG1.1ってのはBG1.0のバージョンアップ版ということかな?そのうちBG1.10aなんてのが出てくるのかしら?てことはBeta57ってのは評価版なのかな?(ジョーダンですからね)
こうやって考えてみると、12000円で買ったSM57LCなんかは相当コストパフォーマンスのいいマイクってことになるんでしょうか。
AKGは最もカッコイイんですが、あまりレンジが広くないらしく、ベース用にと思って購入したのにイマイチうまく録れなくてちょっとガッカリ。で、結局ベース用にダイレクトボックスを購入(オイオイ、もう金無いゾ!)したのです。う〜ん、あんまり録音のクオリティーが上がって演奏のアラが露わになるのもなぁ〜...
結局D3400はお倉入りで、バスドラの収録はSM57で行っております。こちらの方がやはり数段結果がいい(私のようなトーシローにはセッティングがシビアでない分良く聞こえるのか?)ようです。
*録音係りも欲しくなる
録音担当係のリンゲル・ニシムラ氏は、ただオーディオに少々知識があって嫌いじゃないというだけでバンドのPA担当の重責を担わされてしまいました。ご愁傷様。EXITの音は彼のユビ一本にかかっているという訳です。
上手に録音するのはかなり難しい作業です。まぁ、プロとは機材や楽器や演奏や部屋や、とにかく殆ど全ての点で劣位にある訳で、CDみたいな録音は出来る筈も無いのは解っているのですが....

*どこまでヤルの?
録音の良さを並・梅・竹・松に分けると、並から梅にするのは簡単です。ラジカセで内蔵マイクで録るのをやめてカセットデッキにワンポイントコンデンサーマイクを繋いでマイク位置の工夫をすればいいんです。でも梅から竹にするにはだいぶ費用と労力と知恵と勇気が要ります。録音機材にも気を遣わなければいけません。テクニックも勉強しなければなりません。お金は10万円単位で無くなります。でもシロート仕事としては十分満足の行くレベルまで出来るような気がします。ところが、竹から松へはもう絶対にシロートの手には負えません。何せ1000万円単位でお金がホイホイ出ていくみたいです。才能も要るみたいです。そもそも松レベルの録音をするためのテクニックを身につける時間なんかありゃしません。スタジオ用のコンデンサマイクっていうのはそういう現場で使われるものなんでしょうね。だから、憧れでしかないのです。でもね、いつかはきっと自分の手でセッティングして、自分の耳でモニターして録り比べてみて、その違いを噛みしめてみたいんです。

*ベーアンとエアコンの関係
ある日の練習で、バンマスのオヤッさんが「ベースの音が悪い」と言います。確かに悪い。最初の頃はちゃんとした音で鳴ってたのに何だかジャリジャリいって音もかなり変です。いろいろといじってみたけれどもどうも直らない。そもそもセッティングなんか変えてないんだからいじって直るのは却ってオカシイというものです。「おかしいね。あんまり使ってないのにオーバーヒートしたのかな?」と口にしつつアンプのケースを触ってみるとまるで南極の青氷のように冷たい!(南極の青氷という発言についてツッコミを入れないこと)ではありませんか。丁度エアコンの吹き出し口から吐き出された冷気がベーアンのケースを直撃していたのでした。で、エアコンの温度を上げてボディーをそこらへんの荷物でくるんで暖めるとみるみる音が回復して来るではありませんか。アンプは以外と温度環境に対して根性が無いという教訓でした。

*録音鑑賞
自分で録音するようになって、音楽を聞いていても、テレビの音楽番組を見ていても、音楽そのものよりも録音機材やレコーディングテクニックの方に興味が行ってしまいがちです。どうしたらこんな録音が出来るんじゃい、とかあのマイクとセッティングは...とかに目や耳がいっちゃいます。こうなるともう音楽鑑賞じゃないし、音質鑑賞を通り過ぎて録音鑑賞ですね。
演奏曲を聞き直すために昔の(LP時代の再版モノの)ポピュラーやロック系のCDを聞いてみると、案外シャリシャリな音なのに気づきました。LPではもっといい音だったような気がするのですが、こんなモノだったのでしょうか?それともLP向けのイコライジングが施されたソースをそのままCD化しちゃったんでしょうか?...そんな、まさかねぇ。ところがこれをスタジオのPAで聞くとわりとマトモだったりするんです。スタジオのPAはやたらと低域がデカイ、変なバランスなんですが、これと妙に合ってるみたい。実際演奏の録音をこのPAでPlaybackするとベースとキックとシンセの低音部がやたらとデカくて、この音で録音バランスを決めると大変なことになるのです。

*これから...
一度、本気で「レコーディングのための録音」をしてみたいです。NEUMANNとかAKGとかの高価なマイクはとてもじゃないけど手が出ないが、RODEのNT-1あたりを使ってマルチトラックで録ってミックスダウンという事を経験してみたい。いつか叶うかもしれないそのチャンスを無駄にしないために演奏のウデを磨こうか(演奏する者としては間違った動機かもしれない)と思う今日この頃でありました。

*そしてまたマイクが...
ライブの日程も決まり、ごくごく限られた環境(設備や人材等あらゆる意味での環境)の中で、どういうセッティングで当日のミキシングをやるかということを考えているうちに、「どうしてもマイクロホンが欲しい」病にかかってしまいました。現在の手持ちのマイクはたったの3本。DIを含めても音源からミキサーへ信号を導く手段は4ch分。メンバーの人数は10人。となると、スタジオのBG1.1やBG1.0をレンタルし、その上で会場に備え付けのカラオケ用マイクを使うことになります。で、マイク3本を追加購入する決断をした訳です。追加したのはSM57LC、D1、OM−5の各1本。で、ギター系にはバンドの予算でダイレクトボックスを買いました。しかし、何故このようなバラバラの選択になったのでしょうか?それはね、SM57LCとD1はワンポイントステレオで録音する機会のためにペアで持っておきたかったから。OM−5はカタログやウェブページで見て良さそうだったし、人とちょっと違ったのが欲しかった(つまりSM58以外のものという意味)し、アルジャロやドゥービーも使っているらしいから。本当は「人と変わった」という意味では
ゼンハイザーのMD735とか、楽器にMD441なんかがかなり変わってると思うんだけど、そこまでは冒険できない(し高いしね)小市民であります。で、AUDIX OM-5ですが、これがとても気に入っています。小さなスタジオに10人も入って納豆状態で演奏するんですが、そんな中でも明瞭かつハウリングフリーで収音できます。マイクでここまで差が出るのはナゼだ!と頭を抱えることしきり。リーダーも「マイクでこんなに違うもんなんだなぁ。マイクって大事なんだな。」等と言っています。造りも頑丈だしこれはオススメです。SM57+ウィンドスクリーンもボーカルに使っていましたが、これと比べると明らかにハウリングしにくいのです。今では買い足してOM−5が2本、今年のライブまでにもう1本追加の予定です。

*マイクロホンの謎
雑誌とかテレビとか見ていて思うのですが、プロオーディオの世界の中でもマイクロホンの選択って以外と保守的なんじゃなかろうかと...
昔のドラムの定番らしき
MD421なんか一度廃版になったのに最近復活したみたいだし、スペック上特にどうということのない大昔からあるSM58なんかが音質に気を遣うようなステージで使われているのは何故でしょうか?想像するに、こういう場面でマイクロホンを選択する人が一番恐れるのは「本番でトラブルが発生する」ことだと思うのです。もし本番で故障したら、PAの担当はきっと針の筵で、周りのスタッフや演奏家からガンガン責められて大変な思いをすることになるんじゃなかろうかと思うのです。で、安全策に出る。今までずっと使っていて一度もトラブルの無い機材を選ぶってことがあるのでしょうか。スタジオレコーディングでも古いコンデンサーマイクが珍重されているようです。ということは今のマイクは昔のマイクより音が悪いということなのでしょうか?...謎だ。
てんで、無謀にも藤田さん(プロのレコーディングエンジニア)ちのホームページで聞いてみたんです。そしたら、マイクというものは楽器のようなもので、ただ特性が良いだけがいいマイクとして選択される訳ではないとのお答えを頂きました。ナルホド、納得。
それと、ダイナミックマイクで磁石に何を使うかという点で全く矛盾する2つの意見があり、これもどちらが正しいのか大疑問です。AUDIXはカタログで「他社のネオジウム磁石を使った不自然でハウリングを起こしやすいマイク」と言ってネオジウムを否定していますし、逆にPEAVEYやELECTROVOICEやSHUREは「ネオジウムだからボイスコイル径を大きくとれる」と言ってネオジウムを売り物にしています。実際にAUDIXを使っていて何も不満は無いのですが、ネオジウムマイクと比較したことが無いので解りません。本当のところはどっちが正解なのでしょうか?誰か教えて!!

*ボーカルを前に出したい
女性ボーカル陣の声量が足りない!!マイクのゲインを上げて、フェーダーを上げて、PA送りを上げて....ハウリングを起こす。これがいつものパターン。で、どうしてもボーカルの音量を上げたいと、期待を持って導入したのがコンプレッサーです。こいつでダイナミックレンジを思い切り潰して底を上げようという目論見は果たして成功するでしょうか?乞うご期待。ところで、何でDODなんていうマイナーな機材を選んだかというと、「やすい」ことが一番の理由。でもって、ツマミが多いのでいろんなことが出来そうかなと思ったのです。有名どころではdbxの166Aなんかがありますが、1万円位の価格差は大きいですよ。その差額でSM57が1本買えちゃいますもんね。ともかくじみ〜なエフェクターですが、これが案外用途が広くて奥が深い。パソコンに音声を取り込んでwavファイルを作る時なんかでもピークリミッティングに役だったりして重宝してます。

*気になる機材
最近
ヤマハのMD8がとても気になります。8チャンネル同時録音のMDマルチトラックレコーダーは正に私のために出来たような録音機だと思いませんか?他社のマルチトラックレコーダーは今ひとつ中途半端だったり、将来性に疑問が残ったり、価格が高かったりで「これだっ!」というものが無かったんです。現在バンドの編成が8〜9人。1人1トラックあてがえるのが(しかも同時録音!!)とっても魅力。しかも8トラック録音済みの状態でピンポンが出来るというじゃぁありませんか。メディアもMDだから1曲ずつ1枚保存で扱いやすい。しかも、ミキサー部分はヤマハ製ということで実績も信頼もある。難点はメディアが「良くも悪くも」MDだということ。振動の多い過酷な条件下で正しく動作するのかどうか、圧縮による音質への影響は如何なものか。それはともかくとしてもあの値段であのパフォーマンスだから是非使いたい。またまた物欲が頭をもたげる今日この頃であります。

*あぁ、PA
最近ある人の結婚式での演奏を依頼されました。場所は結婚式場の疲労^H^H^H^H披露宴会場。だから楽器はモチロンのこと、機材なんかな〜んも無い。で、全部用意しなきゃイケナイ訳です。ところが、マイクやミキサーは手持ちの機材で良しとして、PAがなかなか無い。インターネットで探しても適当なアンプとスピーカーだけを安く貸してくれるPAレンタル屋はあんまり見つかりません。かと言っておいそれと買える値段じゃありません。どう安く見積もっても250WクラスのPAで15万円しますし、ありがちなBOSEの802なんか使うと25万円コースになっちゃいます。
正直な気持ちを言うと「欲しい」んだけど、買えたところで置き場所が無い。普段の音楽鑑賞には使えない。(ただし、冬場には暖房器具の代わりになるかもしれない。)カミさんからは「いくらしたんだ!」と激しく詰め寄られる。と、いいとこナシです。
そもそもその辺の町会場の広場なんかの祭りイベントで見かけるPAってどうやって手配してるんでしょ。やっぱりイベント屋さんにオペレータ込みで借りてるのかな。

*コンプレッサーその後
DODの866を使ってみました。すると、どうしたことでしょう?思惑は見事に外れてやたらとハウリングしやすくなってしまいました。う〜ん.....
そこで、もう一度「いちから考えなおして」みました。そもそもコンプレッサーとは基本的にどういう機材なのか?そう、基本的にアンプなのです。スレッショルドレベルからの増幅率が可変のアンプなのです。入力に対してそれよりも大きなレベルの信号を出力するアンプだったのです。だから、ハウリングの元も増幅して出力します。当然入れないより入れた方がハウリングしやすくなるものだったのです。
と言うことは、ハウリングを押さえる方法としては、ハウリングする周波数近辺だけの増幅率を下げるしか無いということになります。となると、イコライザーを使うということになります。つまり、ピーッと来たらピーの周波数を大胆にカットする、キーンと来たらキーンの周波数を落とすのです。きっとこれしかありません。実際、ハウリングしてるところのフェーダーの上のLEDが点灯するような仕組みのグライコもあるんです。
そのような手当と組み合わせてコンプレッサーを使うならば良い効果が得られるかもしれないゾッ!

*ハイファイとPA
自分たちの演奏を録音なり、PAなりするようになってからずっと持ち続けていた疑問があります。前にも書きましたが、それは必ずしもリニアでハイスピード、つまり忠実度の高い即ちハイフィディリティーな機材が全ての局面において選択される訳では無いのはどういう訳だろうということです。
ハイフィディリティーということは、原音の通りに再生するということでしょう。これは、オーディオというものが誕生してから常に究極の目標として言われてきたことです。音源が発した空気の振動をマイクロホンが電気信号に変換して、更に増幅器で信号を増幅してテープや塩化ビニール板等のメディアに記録し、それをデュプリケートして配布し、聴取者のオーディオセットで電気信号に戻して増幅してスピーカーで空気振動に変換して聞く。たくさんの機材やメディアを経由して「原音」を「再生」しているのですから、目指すハイフィディリティーを実現するのは大変なことです。
で、ある日、ここで言う原音って何だろう?と考えてみたのです。
私が子供の頃、まだまだステレオセットは高価で高級なものでした。その頃はモジュラーステレオと呼ばれていたものが主流で、ターンテーブルとアンプとチューナーとスピーカーが机位の大きさの箱に纏めて作り混まれていて、木の4本足の上に載っていました。そのモジュラーステレオを買うと必ず「試聴盤」が付属していて、鈴虫の鳴き声や蒸気機関車の音が収録されていました。初めて聞くレコードが生録音のソースだったんですね。この場合の原音は鈴虫や蒸気機関車ということになります。この場合は鈴虫や蒸気機関車の発生した空気の振動をそのまま忠実に再現することが求める目的な訳です。
では、音楽の場合の「原音」って何でしょうか?優秀なバイオリニストが良い響きのホールで蕩々と演奏する。すると、バイオリンの発生した空気の振動は様々な反射音と相まって聴衆の耳に届く。これがそのまま再生出来れば良い再生でしょうか?そうかもしれませんが、だとするとそれは音楽鑑賞ではなくて音質鑑賞になってしまいはしないでしょうか。音楽再生にとっては良い音質であるとともに良い音楽である必要があると思うんです。
では、私たちのようなバンドの音って何でしょう。ヴォーカルの生々しい声が良いこともあれば、そうでなくてディレイをかけたりコンプレッサーで音圧を上げたり、あるいはわざと歪ませたりすることで「音」を「創る」作業をした結果が「原音」であるとも言えるのではないでしょうか。だとすると、マイクの特性で生の声をアレンジすることも原音に辿り着くまでの一プロセスと言えるかもしれません。
であれば、機材の選択も演出のうちの一つになりうるではありませんか。先の例のバイオリンのホール演奏は「音楽」として完成されたものだから特性の良いマイクで録音する意味は大きいでしょうが、より「音楽」として楽しめるようにと考えるとマイクアレンジで色づけした方が良い場合もあり得るでしょう。
そして、何よりPAの現場では信頼性と耐ハウリング性能なんかが大きな意味を持つことも考えられましょう。レコーディングエンジニアの藤田さんから頂いた回答にはそういった深〜い意味も含められていたんでしょうね。
*CDを作ろう
パソコンにCD−Rを繋げて音楽CDを作ることが出来るということは以前から知っていました。で、自分たちの演奏でCDを作ってみたいとはかねがね思ってはいたのです。しかぁし、CD−Rを繋ぐにはSCSIインタフェースボードが必要。SCSIインタフェースボードでは互換性云々で動かない周辺機器がある場合がままある。で、そういった場合は大抵が「相性が悪いのでしょう」で片づけられてしまう。結局ユーザーは泣き寝入りで全てのリスクはユーザーが負う。他にこんないい加減な製品ってあります?このリスクを最小にするためにはいろいろと調査が必要で、どれだけ「動作OK」のボードとドライブの組み合わせの事例を持っているかが勝負なのです。どこかの誰かが人柱になってダメ/OKの報告がされ、それが集められている場所が見つかればとても助けになります。その場所が(偶然見つかったのですが)「CD−Rマニアックス」というWWWサイトです。ボードとドライブの組み合わせの可否から、各ドライブの詳しい説明、その根拠、そして焼き混みソフトの評価まで実にこと細かに纏められていて信頼出来るサイトだと思いました。で、ここで対応ドライブが多く、安価で妙な但し書きの少ないボードをまず選び、それをターゲットに秋葉原へと出かけたのです。 ドライブとソフトをパッケージにしている大手メーカーの製品以外にショップオリジナルのセットも沢山あり、かなり安いではありませんか。ここでも「CD−Rマニアックス」から得た情報がすごく役に立ちました。かくして我が家のパソコンではこれといったトラブルも無くCD−Rが動くようになったのでした。
で、早速EXIT’98ライブをDATのアナログアウトとパソコンのLINE INを繋いでパソコンに取り込んでみます。曲目数だけwavファイルが出来上がります。それをワクワクしながらCD−Rに焼いてみます。ここまでは(面倒だけど)すごく簡単。あっさりとCDが出来上がりました。取り出した金板をCDプレイヤーに繋いで愛用のヘッドホンでモニター開始!....
音、悪いです。やっぱりバルクで9800円(今なら3000円位か?)のサウンドボードのAD変換じゃダメです。幸い良く報告されているような派手なノイズ乗りは無いみたいなんですが、とにかく如何に安く、確実にデジタルデータをデジタルのままパソコンに取り込むかが今後の課題でしょうか。あと、サンプリングレートのコンバージョンもね。
*憧れのコンデンサーマイク
つい最近コンデンサーマイクを購入しました。良くスタジオの写真なんかに出てくるサスペンションで吊ったノイマンとよく似た形のヤツです。
そう、銀色の太い円筒形のヤツ。最近seideというメーカーのこの手のマイクが格安(何たって3万円ですよ!)であちこちの店頭に並ぶようになって、どうしてもどうしてもどうして〜も欲しくなったのです。休日出勤の午前中、池袋のイケベ・パワーレック店に行くと3種類の格安マイクが並んでいました。言わずと知れたRODE NT−2、NT−1、B.P.M. CR−10、seideに混ざってAUDIXの新発売のコンデンサーマイクが一段高いところに並んで私に手招きしています。ツヤ消し黒のその姿はとっても精悍でカッコいい。でもこれを買おうと思うと2本で10数万円になっちゃいます。家を追い出される自分の姿が脳裏をよぎります。で、そこはグッとこらえて平台に積まれた方のプライスタッグの説明をとくと読む訳です。seideは本体+ソフトケース+アルミトランク+サスペンションで3万円程度。屋外で環境音の収録の用途も睨んでいる私としてはウィンドスクリーンが無いと辛いのです。店員さんに聞くと、NT−2は吹かれにすごく弱いから屋外はまず無理じゃないかということ。当然スクリーンの無いseideを屋外で使うのは無理ですね。吹かれると「ボソボソ」言うどころかダイアフラムとバックプレートが接触してバリバリ言ってしまうので弱い以前の問題だとか。店員さんのオススメはB.P.M.CR−10。スクリーンも付属しているし、特性が他のと比べてフラットだから環境向きかもとのことです。本体+アルミトランク+サスペンション+ウィンドスクリーン+マイクケーブルで4万円という価格もリーズナブルに思えます。でもシリアルナンバーのシールがショボくてすぐ剥がれそう..ってまぁそりゃ本質じゃぁないからいいか。棚の上のAUDIXに後ろ髪を引かれつつ、とりあえず1本のCR−10を抱えて店員さんとレジに行く時の気持ち、嬉しいような後ろめたいような。
帰宅してから試してみると、う〜む、確かにSM−57なんかとは大分違うゾ!深夜マイクの前で鍋の蓋を叩いたりブツブツと呪文を唱えてみたりする姿は絶対に子供には見せられません。
翌日女房が「鍋の蓋が無い」と騒いでおりました。
*AUDIXのいいところ
今年もタワー・オブ・パワーのライブに行って来ました。去年と同じく、マイクは全てAUDIX!!。ギター、ドラムはDシリーズで、ボーカルはOMシリーズです。ただし、メインボーカルだけはワイアレスを使っていました。だからカプセルが何かは不明です。AUDIXのいいところは緻密でありながら妙にスッキリした音であるところ。演奏も良かったんだけど、どんな音を出してくるのかに耳が行ってました。それにしても年寄りはスタンディングのライブなんぞに行くものではありません。ライブが終わるともう足腰がガタガタです。
で、今年のEXITのライブには自前のマイクを持ち込みでやりました。PAは小屋の人ですが、ボーカルにOM5とOM6、ドラムのハイタムにD−1を使いました。去年もそうだったんだけど、セッティングやら機材運びやらでもうクタクタで、おまけにPAも持ち込み機材で自前でやったんで音がどうこうって余裕は全然ありませんでした。でも今年はもともと結構音のいいハコだったし、機材運びも最低限だったんでじっくりとリハの音を聞いてみました。で、SM58に比べるとやっぱり密な感じで透明感があるのが良くわかりました。PAの人も「SM58より好き」と言ってましたっけ。ドラムのMID/LOW/FloorタムとバスドラがMD421,スネアがSM57でしたが、D−1を使ったハイタムだけが明らかに音が違います。ただ、D−1はあまり下の方まで取れる訳ではないのでやっぱりスネアあたりがベストマッチでしょうか。スネアもD−1を使いたかったんですが、何せスタンドのセッティングやマイクのコネクターからしてガムテープぐるぐるでとても付け替える気がしなかったもので...でもチョット残念。
このライブで意外に良かったのがサックスに使ったSM57です。このマイク、結構サックスに向いてるみたいです。