心から楽しいと思えることの幸せ

(2000.01/10)


 趣味の一つ、バイクの話です。
 学生時代、暇さえあればバイク仲間を誘っては、しょっちゅうどこかへツーリングに出かけていたものです。朝早くから日が暮れるまで、まる一日ひたすら走っているだけというのに、まったく飽きることを知りませんでした。
 時間は経過し、まわりを見渡すと、当時一緒にバイクに乗っていた連中の中でいまだに乗りつづけているのは、どうやら私一人になってしまったようです。少し残念ですけど、仕事のことや諸々の事情で毎日が忙しく、現実問題として趣味の領分へ割り当てられる時間に制限がある状況では、バイクを手放すことも致し方ないことかもしれません。

 前提として、バイクのような乗り物は無理してまで乗るものではないし、さすがに社会人ともなると学生の頃とは違って、ガソリンがつづく限りただひたすら走っていれば楽しいという感覚はなくなってしまいます。乗りつづけるには、それなりの動機のようなものが必要と言えなくもありません。

 バイクに乗るきっかけは何だったのでしょう。
 初めてバイクを走らせたのは中学生のときでした。友人の家にスーパーカブがあって、それを人気のない空き地に持っていき、友人と交代しながら順番に走らせるというものでした。たいして広くない空き地を単にクルクル回っているだけでも、自転車しか知らない中学生には面白くてたまりません。また、兄が大学入学してすぐバイクに乗るようになり、帰省した際に後ろに乗せてもらったりしたことがありました。どうやら、これらのことがバイクに親しむきっかけとなったようです。
 自分のバイクを所有するようになったのは、原付を除くと、大学の先輩から譲り受けたホンダCB250RS-ZRが初めてです。乗ってみるとこれが結構面白かったものだから完全にハマってしまい、現在所有のスズキGSX-R1100に至るまで数台を乗り継ぐことになります。

 さて。
 寒さの厳しい冬以外は通勤で毎日バイクを50Kmほど走らせているから、それこそ走行距離だけは伸びているのですが、実のところ純粋に趣味として乗っている時間は、考えてみるとほとんど存在していないことに気がつきます。
 最近はなくなりましたが、それでも年に一回くらいでしょうか、真夏の夜中、急にバイクに乗りたくなり、目的があるわけではないのに、海まで走らせて明るくなるころに家に戻ってくるという行動をとることがあります。ほとんど発作に近いです。

 日常を少しだけ忘れさせ、心地よい刺激を与えてくれる。私にとってバイクに乗りつづける理由はそこにあるようです。別に構えることなく、気軽に近所を一回りしてくるだけでも、かなりの気分転換になるものです。
 ささやかなものかもしれませんが、心から楽しいと思えることがあるのは幸せなことだと、ふと思ったりします。気の持ちようかな?


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