やっぱりリブDHUが好き〜番外編


DHUをゲットした編

 往年の名機、DHU(DEC HiNoteUltra 別名:ハイトラ)をゲットした。DHUとは、Windows95が出始めた辺り、1995年において、バカ高い値段で知られたスリムノートである。

 もちろんながら今(現在2001年01月、つまり21世紀)では相当スペック落ちがする機種である。VAIOやLibretto、スリムノートや小型ノートですら数Gバイトのハードディスクを搭載し、数百MHzという速度でブン回る。
 DHUは違う。

DX4/75MHz
24MB MEMORY
504MB HDD
PCMCIA TypeII×2
65500色表示モニタ
PS2ポート搭載
外付け4倍速CD-ROMドライブ、16bitサウンド機能
トラックボール

・・・・とまぁ、正確な仕様はこちらを参照していただくとする。

どうがんばっても貧弱である。

 およそWindows98SEがインストールできたとしても、メールとブラウザ程度しかまともにインストールできないんじゃないかと思うスペックである。そしてその通り。
私がDHUに求めるところは、フレッツISDNになってから、終日立ち上げっぱなしでメールを送受信するメール端末君としてが第一そして唯一の目的である。
 だからそんなにすごいスペックより、いつ壊れても別にいいじゃんな機種で、とりあえず使い慣れたWindows98SEが動き、メールとブラウザがインストールできて、ついでにそこそこの表示能力を持っていて、意外と気になる低周波が少なければそれで良いのである。

 ところで、ゲットしたものは、このような物たち。

DHU本体(標準添付バッテリー死亡らしい)
ACケーブル
MobileMedia(CD-ROMと16bitサウンドを拡張、ウーハースピーカ)
 とりあえず、さっくりと秋葉原で専用FDDを買ってくる。もちろんながらジャンク品。

さて、OSのインストール・・・

 Windows98SEをインストールしたい。リブレットやCF-11で培った(?)、古いマシンに新しいOSをインストールするノウハウとしては、こんな感じ
  1. FDDでDOSを起動
  2. DOSでPCMCIAカード経由のSCSI-CD-ROMを認識させる
  3. ハードディスクフォーマット
  4. Windows98SEをインストール
 だいたいこんな流れで、大抵のパソコンのクリーンインストールをやってのけるのであるが、実にこのDHU、DOSで起動してCD-ROMを認識させるのが異常に難しい。
 もうこれ以上試すパターンは無い・・・と思うぐらい一通り設定をしたが、CD-ROMが動かなかった。これは次にクリーンインストールするときに直面したくないので、是非最初にクリアして専用の「DOS+CD-ROM動くぜバージョン」の起動ディスクを作ってしまいたいのだが、継続して調査することとした。

 しょうがないので、今となってはその方法すら忘れていた「Windows95 FDD33枚組」のインストールディスクにて、ちまちまとWindows95をインストールした。
 その後MobileMediaのCD-ROMにて、Windows98SEのCD-ROM内容をHDDにコピー(いや、別にいつも使ってるPanasonic KXL-DN745Aでも良かったけど)。
Windows95系の全ファイルを削除して、Windows98SEをインストールした。

 なんといってもWindows98SEが動くかどうかすら不明なので、とりあえず動作を確認したかったのだ。
 結果的に今のところ古いノートPCにWindows98SEを入れたときによく見られる、小電力周りの不具合が出る物の、実用にはほとんど支障がなかった。
 とりあえず、Windows98SEインストール後、LANカード(TDK LAK-CD021BX)にて部屋内LANに接続したが、無事にネットワーク端末となりにけり。


バッテリー・・・死亡だが

 ノートパソコンでバッテリーが使えなければ、デスクトップと割り切ればよい。
 名言であるが、この時代のパソコンのバッテリーが生きている事の方が珍しい。大抵死んだ状態で放置されている。死んだ状態といっても「消耗」か「充電できない」状態があるが、今回のDHUは後者「充電できない」リチウムイオンバッテリーであった。

 これに関しては最初から諦めていた。充電できなくてもAC電源で動くことの方が、メール端末君には重要な機能だからだ。
※そう言えば、リブ20はAC電源では動かないがバッテリーでなら動き、かつAC電源で充電は出来ないという、とんだ不条理な状態の物をもらったが、やっぱり復活を諦めた事があった。
 さて、そんな諦めていたバッテリーであるが、この週末にインターネットで世界中のDHU関連のページを探しまくった結果、「rivive」なるDHU専用のバッテリー復活(・・かもしれない)ソフトが有ることを知った。これは「過放電しすぎて、充電する事自体に必要な電圧が確保できなくなった状態のバッテリーを復活させることが出来る」らしいソフトで、DECを買収したCompaqのページで現在もダウンロード出来る。ちなみにここ

 付属のドキュメントを読むと、どうやらバッテリーのリビジョンによって可能か不可能らしい。「xxxxxx-xxxxxx B01」という物が対象で、A01だとだめらしい。幸いB01出会ったため、早速実行したらばあっさり充電ランプが点灯した。
 すごいぞDEC。こんな所に充電ランプが有ったのか!と、どうでもいい感想を持つとともに、こんな地味なユーティリティをついでに開発している姿勢に少し感心した。>DEC(買収されたけど)

 その後フル充電したところ、ちゃんとバッテリーが働いている。バッテリーだけでも動いている。当たり前だが。これは一度試してみるべきだ。

 しかしながら本体時計を司る電池は完全に逝かれている模様。リブレット70の場合、「PCを48時間起動させておくと、本体電池の充電が完了する」という事があったが、通電状態を続けていれば本体時計の狂いも無くなることを当面は期待しておこう。


DOSでPCMCIAカードを使う

 動いた。PCMCIAのSCSI経由でDOSフロッピー起動でCD-ROMが動いた。

何のことかというと、これが出来ないと、真っ新なHDDにフロッピー以外でOSすらインストール出来ないってこと。
 今までリブレットやCF-11は、どうやら運良くいつもの「DOS+CD-ROM動くぜバージョン」の起動ディスクで新しくOSがインストール出来ていただけだった。これは、PCMCIAを制御する機能がたまたま「intel82365または完全互換品LSI搭載」だっただけらしい。

 PCMCIAを動かすには、どうやら2通りあって、

直接制御できるASPIマネージャで制御する方法
カードサービスを介してASPIマネージャで制御する方法
らしい。いずれにしてもASPIマネージャはPCMCIAカードに標準添付しているのだが、後者の場合は標準添付品だけでは起動しない。

忘れないように各ノートPCのLSI制御について調べる方法を書いておこう。


【PCMCIAのLSI制御に関するチェック方法】
a:\>debug<Enter> ←1
-o 3E0 0<Enter> ←2
-i 3E1<Enter> ←3
-83<Enter> ←4
-q<Enter> ←5

 1←MS-DOSの「debug.com」を起動(MS-DOSの標準ユーティリティ)
 2←I/Oポート「3E0」に「00」を書き込み
 3←I/Oポート「3E1」の内容を読み出し
 4←「8x」であればintel82365または互換性のあるLSI
 5←終了処理

 これでintel系のチップ互換品かどうかが分かる。互換品なら、通常PCMCIAカードに標準添付されるASPIドライバ(Panasonic KXL-DN745Aの場合は「ASPISMGR.SYS」)だけで制御が可能らしい。リブやCF-11はどうやらこのタイプ。

 さて、この時intel系のLSIチップじゃない場合は、通常ノートPCに「カードサービス」が標準添付されているはず。DHU CT475は上記4番で「FF」が返された。DHUは「CardSoft」という物が別途バンドルされていた(らしい)。
 しかるにこのソフト、初期のWindowsマシンでOSをフロッピーにバックアップした程度ではバックアップされることはない。いやぁフロッピーでWindowsを再インストールするなら、これで良いんだけど、今はCD-ROMが無ければ手も足も出ない時代なので、このCardSoft(そのうちDOSドライバ)を世界中のサイトから探して別途調達した。
 この製品、米国SystemSoft社(日本の大戦略の会社とは違う)としては、現在販売されていないが、世の中には便利なサイトもあるもんだ。ここで発見した「Cardsoft.zip」。

 ここからダウンロードしたファイルの中にある、

CS.EXE
CSALLOC.EXE
SSCIRRUS.EXE
の3つが必要。
これらカードサービスプログラムを使って、config.sysをちょこちょこ書き換えて、、、、、ようやくCD-ROMが動いた。。。

 実に1週間、楽しませていただきました(笑)。


 やっぱ未知の機種が動くと達成感があるなぁ・・・・・って、これ、もう1台同じのもらったけど、何に使おう(笑)。


本体時計がダメなとき

 だいたいにして、長期間倉庫に放っておかれたノートPCは、本体の時計が1903年になっていたり1980年になっていたり、「1903年にパソコンってあったっけ?」と一人馬鹿な疑問を投げかけたりして。
 ご多分に漏れず頂き物のDHUもトンでもない日にちになっており、バッテリーをはずした状態ではCMOSの情報自体を記憶できなかったのですが、DHUの場合バックアップ電池を交換するのは簡単でした。

 必要な電池はボタン電池「CR1220」。体温計や電卓用として売られています。ちょっとした家電屋、カメラやなんかには有りました。
 CR1220は、DHUのバッテリーをはずすと、DHUを後ろから見て左側にシールが貼ってあり、いかにも取り外せそうな部分を押すと、ボタン電池が出てきます。
 これを交換して終わり。日付やBIOS設定なんかはこれで保持されます。


HDD換装〜といっても規格外!?

 DHU-CT475のHDDは12.7mm厚/2.5インチの内ネジタイプである。秋葉市場の流通量としては、旧タイプのHDDであり、やや少ない。運良く売られていたらそれを購入するのも良いけど、「やっぱりリブが好き」な私として、ここは一つリブレット標準品の「9.5mm厚/2.5インチHDD」を付けてみた。

 HDDの換装といっても、余り簡単ではなかった。換装と言うより分解♪。
手順はこちらがとても参考になりました。
 さて、9.5mmのHDDを装着するには、ストッパーとしてHDD下部にスポンジを両面テープ(!)でくっつけてHDDの基盤とDHU本体の金属部分の4つの突起が接触しないようにする。ついでに9.5mmが12.5mm程度の厚みを持つ程度のスポンジとする。
 次に左右にぶれないように電源部方向にも薄いスポンジを挟めて1G程度の衝撃ではぶつからない程度にスポンジを挟めた。
 この後は通常と同じようにくみ立て直し、FDISKをしておしまい。無事9.5mmHDDが利用可能となった。
 1.6GBとなったDHUは、メイル君としてより有効な使い道になるだろう。


参考とした勝手にリンク集

コンパックによるDigital製品のサポートページ
DHU用最新&最終(?) BIOS 1.42(なんとY2K対策済み)
バッテリー復活ユーティリティ「revive」のダウンロード(米コンパック)
Digital HiNote Ultra Fan Page
DHUのファンページ。情報豊富、特に掲示板は現在も活発。過去ログは宝の山!
POWERLOAD
詳細不明だが、各種DOSの起動ディスクから周辺機器ドライバまで、博物館的にダウンロードが可能となっている。開発者向けっぽいが、実に有益。PCMCIAをDOSで認識させる「CardSoft」はここでダウンロードした。

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