背景


HDD/DVDレコーダーを買った

 今更ながらにしてHDD/DVDレコーダーを購入した。
 SONYのスゴ録「RDR-HX72」で、まぁ中間的な性能のもの。最近の製品はどれを買っても、大抵こなれた普通の機能は付いているので、特にこだわり無くこれを買ってみた。

主な利用目的

 主な利用はVHSの代替に他ならず、地上波アナログ放送を撮っては見て消し、撮っては見て消し・・・という感じである。そんな程度の利用にはどの機種でもそんなに困らない。ついでに250GもHDDはいらない。沢山撮っても長いこと放置してから見るということはあまり無いからだ。せいぜい毎週の番組を、DVD1枚になるぐらいの容量になったらメディアに焼いてしまう。最低50G、100Gもあれば自分のニーズには合うな。

もうひとつの利用目的

 DVDレコーダーを購入した理由のもうひとつが、既存のVHSメディアのDVD化である。結構邪魔だが、全部捨てられるかというとそうでも無い。10数年も前の映画で、どうしてもDVDでほしいものは既に入手しなおしているのだが、中途半端でなかなか手に入らない作品なんかは、VHSをデジタル化してたまに見られればいい。昔自分で撮影したものは出来るだけ高画質でデジタル化しておきたい。

案外画質の悪さが気になる

 HDDレコーダーで撮った画像って、案外画質が悪い。体感的にはVHS3倍程度がようやくDVD1枚に2時間(いわゆるSPモード)入るぐらいの印象。(データ量的にはもっとVHSの品質が悪いのだが、VHSテープとデッキによっては全然VHSの方がきれいだったりするものだ)
 これはRDR-HX72の性能が悪いと言っているわけではない。どんなに頑張ってもDVD1枚4.7Gでは2時間が限度だな、という印象。

画像が悪いものをDVD化するかな・・・

 HDDレコーダーのエコノミーモード(EPとか)はギザギザのブロックノイズが目立つ。VHSの3倍だと”ぺラッ”とした画像になるけど、そんなにノイズが増える訳ではなかったので、見た目に違和感がある。
 何とか元のソースに近い画質で、なるべく長時間をDVDにしたいもんだ。が、そもそも片面一層のDVD-Rは、普通に流通しているDVD-VIDEOに比べデータ量が半分だ(ざっくりだけど)。1枚に1時間程度が普通に高画質な状態である。
 PCにデータを持って行き「DVD Shrink」等のリッピングソフトを活用すると、同じデータ量でももう少し高画質&長時間が収録できる。が、いかんせん再圧縮の時間が掛かりすぎる。VHSからダビングしてさらにDVD+RWに焼いて、PCで吸い出して変換して・・・・これは長続きしない。

最初からエコノミーモードで録画すればよいのでは?

 「最初からエコノミーモードで録画すればよいのでは?」というのが一番簡単。確かに再圧縮の時間も掛からず、DVDへ高速ダビングも可能。しかし、せっかく長く残すためにDVDへ焼くのに、ノイズが気になってしょうがない画質では、本末転倒だ。VHS3倍のまま保存したほうが絶対綺麗。
 試しにDVDの1.5倍ほど高画質である「HQ+(15Mbps)」で録画したものを、DVD化するときにEPモードで変換してみた。いきなりEPで録画するよりも若干ながら画質が良いようだ。
 どうやらこれはVBR(可変ビットレート)という機能により、2 pass encodeな最適変換を行ってくれるようだ。

検証して変換の癖をつかんでおこうかと

 今後本格的に利用していくに辺り、ココはひとつ検証して目で見てみよう。本当にいきなり低画質モードで録画してDVD化するのと、高画質→低画質変換でDVD化するのでは、どのぐらい画質の差があるもんか。

録画時間の仕様


モード 本体(250G) DVD(4.7G) DVD+R DL(8.5G) 画像解像度
HQ+ 34時間 - - 720×480
HQ 53時間 1時間 1時48分 720×480
HSP 81時間 1.5時間 2時42分 720×480
SP 107時間 2時間 3時37分 720×480
LSP 134時間 2.5時間 4時31分 720×480
LP 164時間 3時間 5時25分 352×480
EP 217時間 4時間 7時14分 352×480
SLP 324時間 6時間 10時51分 352×240
SEP 428時間 8時間 14時28分 352×240

検証


目的

 DVDメディアに保存する場合を想定し、画質と手間の面からどの方法で録画したらよいのか、考えてみる。

内容

  • 検証1 BSアナログの番組を最高画質(HQ+)で録画し、全てのモードでダビングした静止画を比較する
  • 検証2 BSアナログの同じカットを全てのモードで録画し、画質とサイズを比較する

    BSアナログなのは、同じシーンが録画できる/ダビング元として最も高画質であるため
    サンプル1 テロップが比較的多く、動きの少ないシーン
    サンプル2 テロップが比較的少なく、画面に動きの多いシーン
    検証1 方法
  • 連続番組のオープニングをHQ+で録画する
  • DVD+RWに全モードでダビングする
  • 所定のシーンをPowerDVDでキャプチャ(無圧縮BMP)
  • PhotoShopでpng化(圧縮なし)
  • LP、EP、SLP、SEPの高圧縮モードのみ画像サイズ補正。(画像解像度が小さい(480×352、240×352)ため、サイズを480×720に拡大する)
  • ※ PhotoShop加工時の画質劣化がなるべく発生しないようにした。

    検証2 方法
  • 連続番組を各モードで録画する
  • DVD+RWに高速ダビングする
  • 所定のシーンをPowerDVDでキャプチャ(無圧縮BMP)
  • PhotoShopでpng化(圧縮なし)
  • LP、EP、SLP、SEPの高圧縮モードのみ画像サイズ補正。(画像解像度が小さい(480×352、240×352)ため、サイズを480×720に拡大する)
  • ※ PhotoShop加工時の画質劣化がなるべく発生しないようにした。


    結果


     以下結果参照。各モードでの静止画をpngで記録した。

    検証1の結果

    サンプル1 HQ+を各録画モードでダビングした画像(風景の画像)
    サンプル2 HQ+を各録画モードでダビングした画像(動きの強い画像)

    検証2の結果

    サンプル3 各モードで録画(風景の画像)
    サンプル4 各モードで録画(動きの強い画像)

    検証1と2の比較

    サンプル1と3の比較
    サンプル2と4の比較

    考察


     思った以上に差が無い・・・。

     HQ+で録画して、再圧縮を実施したほうが画像は綺麗な気はする。しかし再圧縮には番組と同じ時間がかかる(同じ時間で終了できること自体はなかなか凄いのだが)。
     やはりこの手間が掛かるので、通常のTV番組なら720×480で記録でき、最も長時間のLSP(2.5時間)がお勧めか。最初から3時間を越えると分かっている場合は、あきらめてそれ以下のモードでもやむなし。
     連続ドラマ等で、「何度も見ないかも」かつ「とりあえず撮っておいていつか見る」程度の画質を問わない映像であれば、EPモード以下でも良いかも。SEPでも見られなくは無い。
     オリジナルの画像を見れば分かるとおり、低圧縮モードでは画像の解像度自体が変わる。見た目で既に1/2だったり1/4だったりする。画質の差がつきやすい要因なので、1/2だったらLPでもEPでも余り変わらないかも。同様に、1/4だったらSLPでもSEPでも余り変わらない。「なら、思い切り長時間の方がいい」

     もちろんDVDも入手しがたく、コスト度外視で保存したいならSP以上がお勧め。ただ、地上波アナログであれば、ノイズやゴーストの影響もあって、そんなに高画質で保存してもDVDよりは見劣りする。