デジタルカメラ MITSUBISHI DJ-1 使用感想
三菱のデジカメ「DJ-1」を購入しました。DJ-1は、亜土電子工業(T-ZONE)と三菱電機によって共同開発した「DJ-1000」を、MITSUBISHIブランドで販売しているもののようで、両機種はボディカラー以外は全く同じものです。
最近のデジタルカメラは、100万画素を越えるメガピクセル機が当たり前となりました。今後もこの動向が続き、メガピクセル機の高性能化・小型化・低価格化が進むと思われますが、あえて機能を絞り込んだ、あまりにも個性的なこのデジカメについて、使用してみた感想を書きます。
MITSUBISHI DJ-1
※本画像はricoh DC-2Lで撮影しました。
スペック
種類 | デジタルスチルカメラ |
形名 | DJ-1 |
撮影素子 | 1/5"CCD(総画素数25万画素) |
表示解像度 | 320×240(標準)、504×378画素(高解像度) |
記録メディア | コンパクトフラッシュカード(15MBまで) |
データ方式 | 独自仕様 |
最大記録枚数 | 約15枚(2MBのメモリーカードの場合) |
レンズ | F2.8 f=5.4mm |
撮影可能距離 | 50cm 〜 無限遠 |
測光方式 | TTL測光方式 |
露出制御 | 自動 |
電子シャッター | 自動(1/60 〜 1/15000) |
電源 | 単四アルカリ乾電池(LRO3)×2 |
使用条件 | 温度:0℃〜40℃ 湿度:30%〜80%(結露しないこと) |
外形寸法 | 111.2(幅)×64.6(高さ)×19.8(奥行き)mm |
質量 | 約80g(乾電池およびメモリーカードを含まず) |
付属品 | コンパクトフラッシュカード(2MB)、PCMCIAカードアダプタ、ハンドストラップ、ソフトケース、単四アルカリ乾電池×2本、画像ビューアソフト(DJ-1 Viewer) |
購入時付属のパーツ
※本画像はricoh DC-2Lで撮影しました。
接合部
※本画像はricoh DC-2Lで撮影しました。
DJ-1のスペックについて
まずはじめに一言。余計なものは一切ついていません。それより、必要なものもついてません。デジカメといえばCASIOの「QV-10」で築いた標準的な機能「液晶モニター」すら、付いていません。本体に付いているのは電源スイッチと、ファインダー、撮影ボタン程度です。しかもそのファインダーですが、ファインダー越しに見ている画面の範囲と、撮影された画像に多少(多少だろうか・・・・・)のずれがあります。
画質も、最大限ほめても、最低限の実用程度と考えて下さい。私がすでに持っているデジカメ「RICOH DC-2L」が、如何に高感度で高機能で、しかも楽しい機種だったか改めて認識させられました。ましてやメガピクセル機なら・・・。
でも、そんなのどうでも良いことなんです。DJ-1は本当にポケットに入ります。しかも薄くじゃまになりません。これほど携帯性に優れたデジカメは、今のところ他にありません。
そのような理由から、「スペックについてはどうでもいい」と割り切れる人が使われた方がいいです。もし1台目のデジタルカメラをDJ-1に使用とされている人がいましたら、私はおすすめしません。しかし、デジタルカメラをすでにお持ちで、機能面で「割り切る」ことができるユーザには、2台目としておすすめです。過剰な期待はしないに越したことはないです。
撮影した画像
デジタルカメラは、カタログスペックからは実際に使った感覚が把握できないことがしばしばあります。実際にDJ-1で撮影した画像をお見せします。
なお、撮影時には独自形式(*.dat)でコンパクトフラッシュカード(CFカード)に記録されています。このサイズは128KB固定のようです。噂ではビデオ入力をそのままの形式で保存しているとか。固定なので2MBのCFカードでは、どんな画像を撮影しても15枚までです。ちなみに私が撮影した中では、15枚ではなく14枚でCFカードが一杯になっています。
少し変わっているのは、記録時には固定で128KBのファイルサイズである点です。パソコン上で変換する時に、ソフトウェアで低解像度「320×240」か高解像度「504×378」を選択し、それを保存すると画像の大きさが変化します。
標準解像度 320×240で変換した画像(27KB)
高解像度 504×378で変換した画像(59KB)
ごらんの通り、DJ-1の画質は、お世辞にも「綺麗」とは言えません。しかもこの画像は、順光(逆光じゃない時)の場合のものです。少しでも逆光になると、次のような画像になります。
逆光失敗例1
逆光失敗例2
一体何を撮影したかわかりませんが、画像処理ソフト等でガンマ補正をすると、以下のような画像になります。
失敗例2を「ガンマ補正」
せっかく撮った写真なので、こういう場合は加工してしまいましょう。
失敗例2を「白黒加工版」
色合いが死んでしまいましたので、目をつむって白黒写真にしてしまいました。
地下鉄の中で撮影
案外暗い印象がある地下鉄の中ですが、試しに撮ってみたところ、何とか撮影できました。って、地下鉄で写真撮ることなんてあんまりないですけどね。
以上見ていただいたように、画質は悪いながらも、何とかちゃんと撮影出来そうと思われたでしょうが、正直言って暗所・逆光はかなり弱いです。
例えば昼間室内で、窓を背景に人を撮影した場合など、よほど運(腕か?)が良くないと顔が識別できないくらいで撮影されます。その辺は期待してはいけないのかもしれません。
電源について
カタログスペックでは、使用できる電池は単四アルカリ電池(LRO3)のみです。単四マンガン電池は使えないと書いてあります。
私がデジカメを好きな理由として、コストを気にせずに好きなだけ撮影できると言う点にあります。このため、電池などもニッカドやニッケル水素などの電池が使えなければ、ランニングコストが気になって仕方有りません。
そこで、DJ-1でも単四形の充電池を使ってみることにしました。
購入したものは、以下のようなものです。
- maxell MC-34
- maxellの単四形「Niccad Ace」(KR-AAA) 1.2V 250mAhの、いわゆる普通のニッカド
単四形アルカリ電池が1.5Vに比べ、ニッカドは1.2Vのため、動くかどうかは不安がありましたが、なんら問題なく動いています。
今のところ数十枚しか撮影していないので、最大撮影可能枚数がわかりませんが、カタログスペックでは、単四形アルカリ電池では100枚程度持つようですので、ニッカドでもそれ以上の枚数は大丈夫と思います。
今回新たにPanasonicの単四形「P-4NPS (1.2V 250mAh)」を購入してきました。おそらく動作上は大丈夫だと思いますが、動作確認次第お知らせします。
なお、DJ-1ユーザの方で、ニッケル水素やそれ以外のメーカの充電池をご利用(動作確認済み)の情報が有れば、ご一報下さい。ここで一覧表を作りたいと思います。
付属ソフトについて
DJ-1にはパソコン上(Windows3.1、95)上で動作するViewer「DJ-1 VIEWER」が付属しています。標準付属のバージョン1.0では、1ファイルずつjpgまたはbmpに変換するため、面倒くさくて使いものになりません。ここはラッキーなことに亜土電子工業からDJ-1000用のバージョン2.0が公開されていますので、即ゲットされるのがおすすめです。ポイントはファイルの一括変換が可能になっている点です。亜土電子工業では、独自記録形式(*.dat)がPhotoshop4.0以降で直接読み込み可能なPlug-inも提供されています。機種名は違いますが、中身が全く一緒なのでこの辺は有効に使わせてもらいましょう。
ただバージョン2.0でも1点だけ不満があります。せっかく一括でファイルをjpgに変換できるのに、その時に解像度の指定ができないです。今のところ元のdatファイルを取っておき、一括で変換した後に気に入った画像を高解像度で残していますが、たるいです。詰めが甘いというか。。。。おしいです。
*.datの形式が分かれば、独自に変換プログラムを作ってしまうことも考えましたが、やっぱめんどーだし。運用でカバーですね。
そもそも高解像度なのかどうかも怪しいです。320×240の画像を、画像処理ソフト等で504×378の解像度に変更しても大して変わらないです。
いずれにしてもこの点については、一括で高解像度の出力ができるようなバージョンアップを望みますが、もう古い機種だからしないでしょうね。
私なりにフリーソフトでこのような変換ができるものを探していたのですが、未だ見つかっていません。DJ-1ユーザの方で、*.datファイルの変換に関し、何か情報をお持ちの方がいましたらご連絡いただけるとありがたいです。
その他
だいたいDJ-1を使ってみた限りでは、このような点をみなさんにご報告できると思います。これからDJ-1を買う人や、今DJ-1を利用しているユーザの方の参考になれば幸いです。
このページは、私がDJ-1を買おうと思ったときに、インターネット上でユーザの声を調べようと思ったのですが、なかなか情報が無かったこと(特に充電池の件など)があって、恐らく世の中にはこのような情報を必要としている人もいるのではと思い作成しました。
もし、ここで書いている情報以外にご質問などが有れば、私の分かる範囲でお答えしますのでお気軽にメール下さい。
緊急特集 画像復調ソフト「DAT2BMP」のご紹介
- 更新日:平成12年01月18日(火)
- 「DAT2BMP」なるソフトがあります。DJ-1・DJ-1000のDATファイルを、BMPに結構いい感じで画像を復調してくれる、DOS用ソフトの紹介を作者の方からいただきました。こんな前々世代のデジカメのツールを作られただけでも偉い!
とはいえ、私もDJ-1を毎日持ち歩いて(本当に持ち歩いているだけで、持ち歩いているのも忘れていたが)いる一ユーザとしては、これは使ってみるしかないと思い、早速試用させていただきました。
- 作者のHARUYAさんに敬意を表して--->ダウンロードはこちら
- 製品付属ソフトによる変換
夜の蛍光灯下で部屋の中を撮影したものです。フラッシュもないくせに、明るすぎてややハレーション(白飛び)気味です。
- オプション無しで変換
オプションを付けずに変換したところ、やや黄味が強いです。
- /slオプション
平成12年01月21日(金)
/slオプションではやや緑味が気になります。
平成12年01月22日(土)
HARUYAさんから、/uオプションと/lオプションの色味を調整されたものをいただきました。/slオプションも赤味を抜いていただいたようですが、目視では判別付きません・・・むむぅ。
- /suオプション
平成12年01月21日(金)
/suオプションでの画像は、今度は少し赤味がかかります。
平成12年01月22日(土)
β232版です。赤味が抜けて自然な色味になりました!
- 結論として、どの画像が良いかを判断するのが難しいです。各種のオプションは、撮影した状況に応じてお好みで変換する事がベターです。この画像の場合、/suオプションの色調に似ていると思われます。雰囲気はこの位暗めです。
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- ※/uオプションについては、私が蛍光灯下で撮影した画像に「緑味がかかる」と言ったら、作者のHARUYAさんから、オプションを追加したベータ版の供給をいただきました。
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- これらの補正は、PaintShopやPhotoShopの画像ツールでいろいろと試すことはできるのですが、なにぶん人生80年、貴重な時間は節約しましょうということで、一発変換できるコンセプトが◎。私はこういう単一目的の一発処理ソフトがとても好きです。
- 平成12年01月21日(金)
- おまけ〜順光で撮った画像
順光で撮影し、DAT2BMPで画像復調しました。いい感じです。
(C) Fu 1998,2000