101<ワン・オー・ワン>

1996年/アメリカ
監督スティーブン・ヘレク
脚本ジョン・ヒューズ
音楽マイケル・ケイメン
出演グレン・クローズ、ジョエリー・リチャードソン、ジェフ・ダニエルズ

 ディズニーの傑作アニメーション「101匹わんちゃん大行進」の実写映画化作品。ディズニー自らが作ったとあって、いやがおうにも期待は膨らむ。

 結論から言ってしまえば、思っていたよりも楽しめた作品であった。もちろん気になったところがないではない。たとえば、物語を現代に設定したこともあって主役のロジャーが売れない作曲家ではなく、ゲーム・デザイナーになっていることは仕方がないとしても、話の運びでそのあたりの人物関係の説明がやや冗長すぎてしまい、本来の101匹のダルメシアンが活躍する場面が短くなってしまったことなどはそのひとつである。
 また、かなりもとのアニメーションを忠実に再現しようという努力が、そこかしこに見られはするのだが、動物たちの場面で、動物がしゃべらないのも気になった。この映画に先立って我々の前には既に「ベイブ」という映画が存在しており、そのことを考えればそれこそアニメーションと同じように動物たちがしゃべったっておかしくないはずである。ところがあくまで言葉は発しない。そしてそのことで、動物たちのコミニュケーションにより盗まれた子犬たちを助けるという部分が、アニメーションの方を見ずに初めてこの作品に接する人たちにはややわかりにくくなっているのではないかという気がするのである。さらに、アニメーションの方では、あれ程ボンゴや子犬たち、またみんなを助ける動物たちにそれぞれ個性があったのに、それも薄められてしまい、最後まで動物たちが主役にならずに終わってしまったようである。犬たちの仕草がとにかく可愛かっただけにこのあたりは本当に惜しいと思う。

 脚本のジョン・ヒューズは自身の「ホーム・アローン」よろしく、悪役が徹底的にやられるドタバタを描き出し、このことが少なからず101匹のダルメシアンを主役たらしめなかった大いなる原因ではないかと推測する。

 しかしながらそのような形で主役の座を犬たちから奪い取ってしまった悪役の、特にクルエラを演じたグレン・クローズの役者根性はかなり気合いの入ったもので、その点はこの作品の大きな収穫と言っていいかもしれない。

<MK>


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