セブン

1995年/アメリカ
監督デビッド・フィンチャー
脚本アンドリュー・ケビン・ウォーカー
音楽ハワード・ショア
出演ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ

 拡大公開されるような大がかりな作品ではないが、口コミによってじわじわとアメリカでヒットした作品。日本においても主役のブラッド・ピットの人気も確かに あったろうが、その内容によって、アメリカと同じような「じわじわヒット」をとばした。はたしてそのような形のヒットをするほどの魅力を持った作品だったであろうか?

 画面の暗さ、血みどろさ加減はなんとなくアラン・パーカー監督作品の「エンゼル・ハート」を思い出させたが、それもずいぶん前に見た印象なので、雰囲気が似ていると断言できるほどほど確かなものではない。
 ただ猟奇的な殺人が行われるという共通項はあるが、この作品では実体のある犯罪者が殺人を犯しているのだという確かな違いがある。こういった傾向の作品は「羊たちの沈黙」をはじめ、最近になって増えてきたようだ。現実の社会でも目立って顕在化してきており、その意味においては単なる娯楽作品として乗り切れないものも感じる。その点では「羊たちの沈黙」の方が視点をうまくずらしており、アカデミー賞受賞も納得の娯楽作品になっていると思えるが、この作品ではやりきれない感じが拭いきれない。
 実際、この作品を見終わってのそのやりきれなさに、この作品の何がこんなに「じわじわヒット」として人を引きつけたのか不思議がる向きもあった。想像するに、観客はこういった内容の映画に飢えていたのではないだろう。だとすれば本当に世紀末的世の中だ。それよりもむしろただ楽しいだけのハリウッド映画とは違う空気の感じられる映画に飢えていたのではないだろうか。なにより、アメリカでのヒットがそれを裏付けるような気がするのだけれど。そしてそれにブラッド・ピットというアイドル的役者が主演していることのギャップが、見る前の期待を大きく違う方向へと動かされて、口コミによって広がっていったのではないだろうか。

 役者では、ブラッド・ピットよりもモーガン・フリーマンの方が、当然ながら目を引く。

 個人的には、おすすめかどうかと言われるとちょっと悩む映画。

<MK>


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