1997年/アメリカ | |
監督 | バリー・ソネンフェルド |
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製作総指揮 | スティーブン・スピルバーグ |
音楽 | ダニー・エルフマン |
出演 | トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、リンダ・フィオレンティーノ |
まずいきなり個人的な結論をいわせてもらえば、全く楽しめない映画であった。98年の正月映画のラインナップの中で唯一単純に楽しめるはずのハリウッド映画であるはずのものが、全く映画に入り込めずにあくまで客観的に離れたところからしか見ることができなかったのである。一体なぜか。
おそらくそれは、「メン・イン・ブラック」という「黒服の男」に対する元々持っていたイメージがかなり強すぎたせいであろうと思われる。
この謎に包まれた「黒服の男」は、この映画の原作となったコミックの作者がそうであったように、いわゆるUFOや宇宙人に関心のあった者にはよく知られた噂であった。日本でも「私はUFOを見た」とか「宇宙人と遭遇した」などどというテレビのドキュメンタリー番組で、そうした「UFOを見た」とか「宇宙人を見た」などと言っている人たちの所へ「黒服の男」が突然現れ、「二度とそんなことを話してはいけない。UFOや宇宙人は存在しない」などと口止めをするのだととりあげられたりしていた。
こうした紹介のされ方が強く印象に残っているせいもあって、初めて「メン・イン・ブラック」というタイトルの映画が製作されていると知ったときは、かなりハードな内容のSFであろうと、勝手に想像していたのである。ところが悪いことに結果としては全く逆のタイプの映画であったために、せっかくの「黒服の男」といういい題材を与えられながらコメディにしてしまったことに対して憤りを感じてしまったのである。
ただ、こうした全く個人的な感情を抜きにしても、ここで描かれている内容は形を変えた「ゴーストバスターズ」であって、それ以上の何か目新しいことがあったかといえば、特撮の技術が上がっている程度で、その意味でも決して見所のある映画とは思えないのである。
よかったといえばダニー・エルフマンの音楽くらいか。それでもラップを中心とした挿入曲は趣味ではないので、うるさいくらいである。
はじめからあまり期待はしていなかったわけだが、それでもアメリカでのヒットの話を聞くと期待はずれの1本。
<MK>
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