| 1994年/アメリカ | |
| 監督 | マーク・ロッコ |
|---|---|
| 出演 | クリスチャン・スレーター、ケビン・ベーコン、ゲイリー・オールドマン |
重い映画である。
アメリカ映画の法廷劇は好きなジャンルの一つなのだが、勝てそうもない困難を乗り切って、裁判に勝つ、または勝ちはしないかもしれないが陪審員に対して熱弁を振るう、その壮快感。これがこの映画にはない。ここで行われている出来事が事実に基づいているというのにもその一因はあるだろう。しかしながら、実際の出来事を題材にした映画の中にも結果的に裁判で負けてしまうものもないわけではない。この映画では最終的には勝利を勝ち取るのだからその点では法廷劇の壮快感というものがあってもいいはずなのだが、その結末には救いが見いだせない。
つまらない映画では決してない。かといって面白い映画とも言い難い。良い映画なのか? どう表現するのが良いのだろうか? 自分自身のボキャブラリーのなさにもどかしさを感じてしまう。
映画の中で、ケビン・ベーコンがクリスチャン・スレーターと似たような年齢なのにずいぶん違う人生を歩んでいると話すくだりがある。このセリフがあればもっと二人の生い立ちなどで対比をさせてもいいようなものだが、そこはあっさりと流して、あくまでケビン・ベーコン中心に話は進む。必要以上にドラマチックに盛り上げようとするあざとさがないのである。このあたりはやはりなるべく事実起きた出来事を克明に描いていこうという姿勢の現れなのであろうか。
とにかくケビン・ベーコンが素晴らしい。ここ何作か個性的な役者としてずいぶんいい演技をしているが、これは最近の作品群の中では出色の出来である。
日本でもこうした話がないでもないだろう。日本の映画界でこうした題材を企画して作品に仕上げるような勇気あるプロデューサーや映画会社はいないものだろうか。文字どおり社会を「告発」する映画を、例えば今なら腐敗した官僚機構を取り上げたりすればタイムリーでいいと思うのだけども。
<MK>
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