『海は見ていた』制作開始
黒澤監督の『雨あがる』同様もう一つの遺稿である『海は見ていた』がついに映画化されることが決定し、7月18日正式に発表された。監督は生前黒澤監督と交流もあったベテランの熊井啓。日活とソニー・ピクチャーズの共同配給で2002年の公開を目指す。東京・調布市の神代植物公園に巨大なオープンセットを建設し、ジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ/エピソード2』で本格的に導入したデジタルカメラを日本映画として初採用し、撮影は既にスタートしている。
主なスタッフは撮影が奥原一男(「日本の黒い夏−冤罪」)、美術が木村威夫(熊井啓監督13作品、「ツィゴイネルワイゼン」「火まつり」「帝都物語」)、音楽が松村禎三(熊井啓監督11作品、「夢千代日記」「浪人街」「息子」)など、熊井組が中心。その中にプロデューサーとして黒澤久雄、衣装担当として黒澤和子が参加している。
主な出演者は清水美砂、遠野凪子、永瀬正敏、吉岡秀隆、つみきみほ、河合美智子、石橋蓮司、奥田瑛二ら。
黒澤明記念館のホームページ
このほど財団法人黒澤明文化振興財団よる黒澤明記念館のホームページがオープンした。内容は財団の紹介に始まり記念館および現在開館中のサテライトスタジオの紹介、また記念館建設のための募金も受け付けている。寄付をした方の名前は支援者ネームプレートに刻まれることになる。URLは、http://www.kurosawa-akira.com/。
クロサワ/炎の映画監督・黒澤明伝
「ビッグコミックスピリッツ」(小学館刊)に連載され『トラ・トラ・トラ!』問題を扱い物議を醸した「クロサワ/炎の映画監督・黒澤明伝」(作:園村
昌弘、画:中村 真理子)が平成13年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞した。
『雨あがる』日本アカデミー賞作品賞受賞
3月9日発表の第24回日本アカデミー賞において、黒澤監督の遺稿を映画化した『雨あがる』が作品賞を受賞した。またこの他にも主演男優賞に寺尾聰、助演女優賞に原田美枝子、脚本賞に黒澤明、美術賞に村木与四郎、撮影賞に上田正治、照明賞に佐野武治、音楽賞に佐藤勝が選ばれた。
『雨あがる』毎日映画コンクール受賞
黒澤監督の遺稿を映画化した『雨あがる』が毎日新聞主催の第55回毎日映画コンクールにおいて日本映画優秀賞を受賞した。ただし残念なことに日本映画大賞の受賞は逸した。しかしながら撮影賞を上田正治が、また田中絹代賞を原田美枝子が受賞した。
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