鳥獣法制度の変遷表



 我が国の鳥獣保護及び狩猟に関する制度は、明治6年の鳥獣猟規則制定に端を発し、大正7年の改正狩猟法が現行制度の原型をなしている。当初は、狩猟の規制に重点を置いた制度であったが、戦後は、鳥獣保護の観点からの改正が相次いで行われた。昭和25年改正により鳥獣保護区制度が導入された後、昭和38年の狩猟法改正により、鳥獣保護事業の実施と狩猟の適正化が施策の柱とされ、鳥獣保護事業計画制度が創設されたほか、名称も「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に改められた。さらに、昭和53年には狩猟免許制度の改善、特別保護指定区域制度の創設等の改正が行われ、その後2回の改正を経て、現在に至っている。平成4年には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」が制定され、現在は、この2つの法律により鳥獣の保護を図っている。
(環境庁配布資料より)
法律等
免許制度
狩猟及び捕獲の制限
区域(狩猟管理、鳥獣保護)
備考
明治6(1873) 鳥獣猟規則制定 銃猟を免許鑑札制とし、職猟と遊猟とに区分 可猟地域、狩猟期間、猟法の制限等   規制対象は銃猟のみ
明治25(1892) 狩猟規則 免許を「職猟免状」「遊猟免状」に区分し、それぞれ甲種(銃器不使用)、乙種(銃器使用)に区分 狩猟を禁止する鳥獣(保護鳥獣)を規定 私人による猟区制度創設 親制対象を銃猟から網、もちなわ、放鷹等にまで拡大
明治28(1895) 狩猟法制定 職猟と遊猟の区分廃止。免許料を免許税に改正。 保護鳥獣の販売、保護鳥の雛及び卵の採取、販売の禁止 私人による猟区制度廃止。共同狩猟地の認可制度創設。   
明治34(1901) (改正) 有効期間、年齢制限の改正    禁猟区制度の創設。銃猟禁止区域制度の創設。   
大正7(1918) 狩猟法全部改正    保護鳥獣を指定する制度を改正し、狩猟鳥獣を指定(狩猟鳥獣以外は保護鳥獣)。狩猟鳥獣の捕獲の禁止又は制限(農林大臣権限)。狩猟鳥類の雛及び卵の捕獲、採取の禁止。 猟区制度の創設(設定権者は国、道府県、郡又は市町村)。共同狩猟地制度の廃止。 現行制度の原型
昭和25(1950) (改正) 空気銃を使用する狩猟を登録制に 狩猟鳥獣の捕獲の禁止又は制限の権限を都道府県知事に拡大保護鳥獣に係る飼養許可制度の創設 鳥獣保護区制度の創設   
昭和33(1958) (改正) 空気銃の狩猟登録制度を丙種免許に改正       農林省に鳥獣審議会設置
昭和38(1963) 名称を「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に改名 都道府県別狩猟免許制度の導入。目的税(入猟税)の創設。    禁猟区制度を廃止し鳥獣保護区制度に統合。特別保護地区制度の創設。休猟区制度の創設。 鳥獣保護事業計画制度創設。都道府県鳥獣審議会新設。鳥獣保護員の設置。
昭和53(1978) 鳥獣保護法改正 狩猟免許制度を改正、狩猟者登録制度を創設(全国一律の免許、都道府県別の登録)。免許税を登録税に改正。    特別保護指定区域制度の創設。猟区制度の改正(猟区設定権者の拡大、放鳥獣猟区制度の創設)。銃猟制限区域制度を新設。   
平成2(1990) 自然環境保全法等の一部を改正する法律    鳥獣を殺傷し又は鳥類の卵を損傷する行為を制限      
平成3(1991) (改正)    かすみ網の捕獲目的での所持、販売、頒布の禁止      

小川議員質疑へ> <福本議員質疑へ
 
鳥獣保護法「改正」を考えるネットワーク へ