運動と脈拍
T.目的
運動したときに心拍数(脈拍数)が上がることは、日常的に経験している。そのことから安静時と運動時では心拍数にどのような違いが生じるか、また、運動量を変化させ被験者にかかる運動負担の違いでは心拍数にどのような差が生じるかについて調べる。
安静時よりも運動時のほうが、酸素を必要とする器官に酸素を多量に運ぶため脈拍数が増加すると考えられる。運動後は、酸素を多量に運ぶ必要がなくなり、安静時の値まで戻ると考えられる。また、運動量を増すと、脈拍数の上昇が著しくなったり、回復に時間を要したりすると予想される。
V.準備
・自転車エルゴメータ ・ストップウオッチ ・脈拍センサー (島津理化学器械:ML-H)
・理科実験用インターフェイス(島津理化学器械:MIOS-Lab)・パソコン ・計測用ソフト
W.方法
パソコンにインターフェイスと脈拍センサーをセットした。脈拍センサのセンサ部を被験者の耳に装着し、脈拍センサーの導線をクリップで服に固定した。センサ部の装着位置は脈波の波形が正常に導出されるように試みた。実験は、自転車エルゴメーターにまたがった状態で、一分間の安静、二分間の運動、二分間の安静として行った。測定後、脈波の波形より心拍数を求めグラフ化した。

D.結果と考察
脈波より各15秒毎の波数を数え、1分間あたりの心拍数として算出し、各運動負荷における心拍数の変化をグラフ化したところ次のようになった。



グラフより、安静時における心拍数は毎分およそ80回程度であるのに対し、運動時には、運動負荷を大きくするほど運動時の平均心拍数が93回、100回、128回となった。このことから、被験者にかかる運動負担が増加するに連れ、心拍数も増加することがいえる。自転車エルゴメータによる運動は、筋肉で化学エネルギーを機械エネルギーに変換して行われる。この時に使用されるATPは呼吸により生成されるため、運動時には酸素摂取量が多くなり、その酸素の運搬のため脈拍数は上昇すると考えられる。また、呼吸の増加により通常より多くなった二酸化炭素の発生や、無気的な呼吸により生じた乳酸などの物質や、呼吸による熱の発生なども心拍数の増加に関係しているかもしれない。
Y.参考文献
堀 清記,からだの働きと運動(1991),金芳堂
日本生理学会編,新・生理学実習書(1991),南江堂