月夜のMelody
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 (緑土なす二次創作ぷらいべったログ 1)
『兄上さまのお渡り』



「今、なんと……?」
 王は侍従から告げられた言葉に狼狽えた。
「今夜、兄上さまがお渡りになるそうです」
 つまり、足弱から王の住居を訪ねるということ。
「よろしいでしょうか?と」
「もちろんだ!お待ちしているとお伝えしろ」
 すぐに返事を送り出して、傍らの〈一進〉に聞いた。
「ど、どうしたらいいのだ?」
「は?」
「余はどのようにお迎えしたらいいのだ!」
「いつもと同じでよろしいかと」
「いつも?いつも余はどのようにしていた?」
 王は頭を抱えた。
「兄上がお好きな香をもて。着替えたほうがいいだろうか、<一進>!早くいたせ!」
「はい。すぐにご準備いたします」

 皆は兄上さまお可愛らしいと言うが、陛下も十分にお可愛らしいと思う〈一進〉だった。