上田芳雄『薬のリスク管理』 薬事日報社 新書 1000円
第一章:リスク
第二章:重大リスクの事例研究
第三章:リスク管理
第四章:医薬品研究におけるリスク管理
第五章:医薬品の開発プロセスにおけるリスク管理
第六章:医薬品の安全性確保とリスク管理
第七章:製薬企業の責務とリスク管理
『月刊薬事』2000年11月号(Vol.42/No.12)
「特集 医療事故防止対策への取り組み」
2章の薬物療法に関連した研究から
【薬剤使用に関わるプロセス】
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(1)処方
必要とされる薬剤を評価して適正な薬剤を選択する
患者ごとに薬物療法の計画を立てる
治療上望ましい反応・効果を想定する
(2)調剤
調剤指示を点検する
指示に従って調剤する
薬剤を調合して用意する
薬剤を患者に適時に提供する
(3)投薬の管理
しかるべき患者に正しい薬剤を提供する
指示された用法で適時に投薬する
患者に服薬について説明する
患者を含めて薬剤服用の管理をする
(4)モニタリング
患者の反応をモニターして記録する
薬剤有害事象を検知して報告する
選択された薬剤、服薬方法、投与回数と投与期間を再検討する
(5)システムと運営管理
医療スタッフ間の協力関係とコミュニケーションを維持する
患者の薬物療法の計画を点検管理する
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同書の記載から
”英国の教育病院の先天性心疾患センターに入院した小児682人を対象
とした研究は、看護婦、医師、薬剤師によって441件の薬物療法に関連
するエラーが報告されており、そのうちで処方上のエラーは 68%にの
ぼり、これに次いで投薬管理上のエラー(25%)、薬剤供給におけるエ
ラー(7%)となっていたと報告している。”