全文はhttp://www.pref.osaka.jp/osaka-pref/iryo/guideline/index.htm
福見さん意見(要約)
前書きの中の「他のスタッフとも協力して」という部分は、協力したくとも医師側の
協力が得にくいことが現実にはあるようなので、医師側の積極的協力を求めるような
表現を加える必要がある。
3 薬剤部門
医薬品等における「誤認」「誤薬」は、病院の規模に関係なく発生しています。
薬剤による医療事故を防止するためには、病院全体として職員の啓発・教育のみならず、自院に見合った事故防止システムの導入を図ることが必要です。
とりわけ、薬剤部門については、薬剤師が日常の薬剤業務について惰性に陥ることなく、常に「危機意識」を持ち、他のスタッフとも協力して、医薬品の適正使用を図り、薬剤に係る事故防止に努めなければなりません。
(ア)処方内容の確認事項
・ わからない文字等も含め、処方医等への疑義照会は正確に行い、その内容は
必ず記録します。
(医師は常にわかり易い字で処方せんを書くようにします。)
・ 処方内容のみではなく、年齢・性別等の患者情報にも注意します。
(イ)調剤業務に関する注意事項
・ 調剤にあたっては、複数人で確認し、たとえ1人であっても再チェック(監査)します。
・ 調剤中は、電話に出る・話しをする等、注意散漫になる要因をできるだけ排除します。
・ 外用剤などには、注意文書や目印を貼付して、用法を明確にしておきます。
・ 消毒剤も用途に応じて、至適濃度(%)が異なるので、用途を確認して調製や払出しを
行います。
とりわけ、希釈する場合には、濃度に十分注意します。
(ウ)散剤、特に倍散に関する注意事項
・ 倍散の場合は、常用量の確認をしながら作業します。それでも疑義が生じる
場合は、処方医に必ず疑義照会します。
・ 配合変化などは、記憶に頼らず、医薬品集やデータベース等を活用して、必ず確認
します。
(エ)院内製剤の調製に関する注意事項
・ 院内製剤の調製に当たっては、チェックシート等を利用して1工程づつ薬剤師が
確認します。
(オ)名称、外観、包装等が類似した医薬品に関する注意事項
・ 類似医薬品名があることを認識します。
・ 名称、外観、包装等が類似している場合の医薬品については、収納場所等を工夫し、
調剤棚(台)に目印や注意喚起文書を貼付し、医薬品の取り違えのないよう最善の
注意を払います。
(カ)規格・単位に関する注意事項
・ 規格・単位が数種類ある医薬品があるので、処方内容が医薬品名と数量のみの
、 場合は規格・単位についても確認します。
・ 年齢・用量等についてもチェックします。また、用量では単位(g、mg、ml)に
注意を払います。
・ 注射剤については、同一医薬品名で、筋注・静注・皮下注など施用部位が異なる
場合があるので、注意します。
(キ)医薬品の保管場所に関する注意事項
・ 常時、温度・湿度管理などを行い、適正な保管管理を行います。
・ 外観上、品質変化のわかりにくい医薬品もあるので、外箱に記載している有効期間
又は使用期限に注意します。
・ 納品を受けた場合は、必ず発注した医薬品の規格・単位・包装の内容との確認を
行い、所定の保管場所に速やかに保管します。
・ 麻薬、医薬品である覚せい剤原料は、盗難等を防止するため、院内にそれぞれ
専用の鍵をかけた保管設備(固定した保管庫又は容易に移動できない重量保管庫)
に保管し、向精神薬は、できるだけ部外者の目につきにくいところ、あるいは施錠
可能なロッカー等へ保管します。
(ク)病棟に定数保管する医薬品に関する注意事項
・ 病棟保管医薬品については、管理担当者を決め、定期的に点検し、破損・期限
切れのないように注意します。
・ 病棟で麻薬、医薬品である覚せい剤原料、向精神薬を保管する場合は、上記
(キ)と同様です。
(ケ)その他薬物療法を適切に運用するための具体策の検討
・ 患者への与薬・注射については、薬歴管理をシステム化し、カルテとの一体化を
検討し、患者の薬剤及び他の情報を検索でき、薬物療法についての方針が確認
できるシステムを検討します。
・ 薬剤の誤認・誤使用防止及び副作用等の早期発見には、薬剤師が与薬を患者ごとに
セットで渡し、薬剤を一元管理することが望まれます。
参考:福見さん[kusuri-net:0589]