ファースト ステップ ガイド


Logger32の主な機能、インストールの仕方、最初の設定等について解説します。これからLogger32を使ってみようかという方々はご一読下さい。(Logger32 ver2.6.0以降)
詳細はオリジナルのヘルプ、或いは日本語ヘルプをご覧下さい。

Logger32はLogger(16ビット版)、Zakanaka等で有名なK4CY Bob Furtzerが開発したロギングプログラムです。コンテストで使うことは目的としていませんが、ごく基本的な機能、例えばシリアルナンバの送出の機能を備えています。
日本語による入出力は出来ませんが、メニュー、エラー/ワーニングメッセージを日本語表示にすることが出来ます。


Logger32のHPはこちらです。


主な特徴
Logger32のインストールと最初の起動
LogPrintのインストール
Logger32の基本的な設定
子windowの基本的な設定
日時、周波数表示
他のロギングプログラムからログデータをimportする
Tranceiverとの接続
Tranceiver制御の具体例
Logbook Entry Windowの便利な使い方
Logger32のUpdate手順


主な特徴

(1)外部のプログラムとはADIF形式でログデータをやりとりすることが出来ます。
現在、一部のロギングプログラムを除けばADIF形式でログファイルのImport、Exportがサポートされています。

(2)リアルタイムでQSOデータを入力する画面(Logbook entry window)、QSO済データの一覧画面(Logbook page window)等たくさんのwindowがあります。それらは好みに自由によりカスタマイズすることが出来ます。(項目の表示有無、行/セルの背景色、Worked/Confirmedの色、項目の表示順等々)

(3)DXに関する主要なAwardを管理することが出来ます。JCC、JCGも含みます。各Awardについて、オペレータ別、QSLの 種類別(紙QSL、LoTW、eQSL)にその状況を表で表示します。必要に応じて印刷することが出来ますが、印刷する場合はExcelがインストールされていないといけません。

(4)各種トランシーバ、アンテナローター、アンテナ切替器とのインターフェースを備えています。各機器とはcomポート、LPTポート、USB経由で接続されます。

(5)CWキーヤーを内臓しています。またWinKeyとのインターフェースを備えています。

(6)PSKエンジン、MMTTYエンジン、MMVARIエンジンを内臓しています。各種デジタルモードでの運用が出来ます。Sound cardとトランシーバのインターフェースが必要です。

(7)Telnet、Cluster経由のDXスポットを表示することが出来ます。勿論DXスポットの送出も可能です。

(8)多目的に使える地図を表示することが出来ます。(グレーライン、DXスポット、衛星軌道等々)

(9)ログ、ラベル印刷機能はありませんが、外部プログラムのLogPrintを使えば殆どの印刷をすることが出来ます。LogPrintはLogger32と一緒に配布されます。

(10)CD ROMをサポートします。

(11)インターネット接続によるGoList、QRZ comのサービスを利用することが出来ます。

(12)LoTW、eQSLをサポートします。申請に必要なファイルを作成したり、ダウンロードしたQSLリポートを入力することによりQSLフラグを更新することが出来ます。

(13)HamCapをサポートします。

(14)DVK機能を内蔵しています。

(15)複数のCall(オペレータ)、複数のログを使い分けることが出来ます。例えば、ja1nlxとja1nlx/qrp、Logger32(デフォルトのLogbookファイル名)、DX、QRP etc


その他にも色々な機能がありとてもここに書ききれません。これだけ豊富な機能がありながらフリーウェアですから、先ずは一度お試しになったらどうでしょう。更新も継続して行われていて、何処まで進化するのか予想も出来ません。



Logger32のダウンロード

下記のWebから必要なファイルをダウンロードすることが出来ます。

http://www.logger32.net/program.html

Logger32には2種類あります。
・Upgrade版
・Fullインストール版
始めての方は必ずFullインストール版をダウンロードします。ダウンロードしたファイルはzip形式で圧縮されていますから解凍します。



Logger32のインストールと最初の起動

インストールする前にお使いのOSをWindows updateにより最新版に更新することをお勧めします。これをやっておかないとインストールの途中でエラーになることがあります。但しPCの使用環境で違います。

解凍後に出来たファイルのsetup.exeをクリックするとインストールが始まります。インストールされるディレクトリは、デフォルトではC:\logger32となります。勿論任意のディレクトリにインストールすることが出来ますが、今後のためにデフォルトのディレクトリにインストールすることをお勧めします。


(注意)
Logger32のインストール途中でエラーとなる場合があります。お使いのPCの環境条件でエラーの出方も違い、その対策も一様ではありません。

(1)Path or file not found
WindowsXPの場合に見られるエラーです。この場合にはこちらの対策を参考にして下さい。
場合によっては過去のインストール失敗による「ごみ」が原因となることがあります。Windowsのフォルダを検索し、頭に"Logger32"がつくファイルがあれば削除します。
(2)何等かのファイルが使用中
常駐アプリケーションがいたずらする場合に見られるエラーです。この場合はPCをsafe modeで起動しておいてLogger32をインストールします。
safe modeは、PCを必要最小限の機能で動かすものです。とりあえず不要な常駐アプリケーションなしで動きます。
(3)ファイルが古い
この場合は、お使いのOSを最新版に更新します。(Windows update)
(4)その他
何等かの理由でダウンロードしたzipファイルが壊れている場合、また解凍時に壊れる場合もあります。この場合には、再度ダウンロード、解凍してみます。



Logger32のショートカットをデスクトップ上に作ります。

Logger32のショートカットをクリックしてLogger32を起動します。最初は以下の画面が表示されます。


使用するCallを入力して、その下の”I will −−−"をクリックします。Main windowをフルサイズにし、幾つかの子windowでとりあえず不要なwindowを"X"で閉じておきます。残った子windowを適当な位置に配置しリサイズします。

上図は、上段にLogbook page window、中段左からLogbook entry window、Previous QSOs window、Cluster window、下段左からDX spot window、Worked/Confirmed window、Map windowを配置した例で、各windowのサイズを少し変更してあります。

ここで一休みしてLogger32を終了します。念のために、もう一度Logger32を起動すると今度は上の例のwindowがいきなり表示されることを確認しておきましょう。


LogPrintのインストール


LogPrintは下記からダウンロードします。
http://www.logger32.net/support.html
LogPrintには2種類あります。
・Upgrade版
・Fullインストール版
始めての方は必ずFullインストール版をダウンロードします。ダウンロードしたファイルはzip形式で圧縮されていますから解凍します。
setup.exeをクリックするとLogPrintのインストールが始まります。LogPrintのインストールディレクトリも任意です。
Logger32を使うのであればLogPrintも必須のツールです。ログの印刷、QSL関係の印刷等これがあれば十分です。そこでLogPrintをLogger32のメニューから起動出来るようにしておきます。

Logger32を起動します。Tools/Utility program setupをクリックします。Setup windowでUtility menu itemにLogPrintと入力します。BrowseボタンをクリックしLogPrint.exeのパスを選択します。最後にApplyボタンをクリックして終了します。

Logger32のMainメニューからUtilitiesをクリックします。先ほど登録したLogPrintがプルダウンメニューに表示されたいますのでクリックします。LogPrintが起動します。



Logger32の基本的な設定


(1)Callの設定
最初の起動時にCallを入力しました。その他必要に応じて、例えばja1nlx/qrpのように別オペレーータを登録することが出来ます。Logbook entry window上でマウスを右クリックし、Change operatorをクリック、新たなCall(オペレータ)を指定します。Logger32では、このCall(オペレータ)別に、例えばPrevious QSO、Worked/Confirmed、Award等の状況を表示させたりすることが出来ます。

(2)自分のQTHの設定
自分のQTHは緯度/経度、或いはグリッドを入力して設定します。Map上の自分の位置とかDX局までの距離とかの計算、表示に使用されます。なるべく正確な値をいれることが重要です。
Logbook entry window上でマウスを右クリックし、Setup、My QTH Lat/Longをクリックします。

(3)PC日時の設定
PCの日時は、必ずJSTで設定します。Logger32の日時はUTCで扱われますが、PCのタイムゾーンの設定をもとに自動的に計算されます。

(4)バンド、モードの設定
各バンド内の周波数と、そこで使用されるモードの関係を設定します。最初はデフォルトの設定表が表示されるので、必要に応じて修正します。Logger32(正しくはPC)をトランシーバに接続して使用する場合は、この設定が重要です。例えば、DX spot window上の14.081KHzのスポットをクリックすると、トランシーバは14.081KHzにQSYし、モードはこの設定テーブルによって決められたモードになります。
  14.000〜14.070  CW
  14.070〜14.080  PSK31
  14.080〜14.100  RTTY 
  この場合、モードはRTTYになります。

(5)メニュー、エラー/ワーニング表示の言語設定
日本語の入力は出来ませんが、メニュー、エラー/ワーニングメッセージを日本語表示にすることが出来ます。こちらから配布される1041.dllをLogger32のディレクトリにコピーします。英語表示に戻す場合は、1041.dllを適当な名前にリネームします。


以上は自分の好みに関係なく最初に必要な設定です。



子windowの基本的な設定
ここからは自分の好みで設定の内容が違ってきます。以下の説明はその一例です。

(1)Logger32のMain window
  Main windowは最大化します。
(2)各子windowの選択、位置、サイズの調整
  各子windowはMain window上段のツールボタン、或いはMainメニューのViewから選択します。




  上段にLogbook page window、中段左からLogbook entry window、Previous QSOs window、Telnet window、下段左からDX spot window、Worked/Confirmed window、Tracking windowを配置し、適当な大きさに調整した例です。設定の内容はLogger32.iniファイルに保存され、Logger32の起動時にその内容に従って表示されます。

(3)Logbook page window
  最初の起動時に最も違和感を感じるのがコラムの表示順でしょう。この表示順を変更するにはLogbook page window上でマウスを右クリックします。Grid layoutをクリックします。

  @表示させたいコラムの白いBoxにチェックを付けます。
  A最下行の白いBoxでDXCCコラムの表示の方法を指定します。上の例ではDXCCコラムはARRLのPrefix名で表示されます。
  B項目名が2ツ表示されていますが、右側が実際に表示される内容です。これは自由に書き直すことが出来ます。
   例えば、上の例ではQSL_RCVDがRとして表示されます。ここも好みにより自由に変更して下さい。
  C以上でとりあえずApplyボタンをクリックして今までの設定を保存し、このwindowを閉じます。Logbook page windowの表示を確認して下さい。
  Dもう一度Grid layout windowを呼び出します。
  E最後にコラムの表示順です。このwindowで左上から左下、更に右上から右下にチェックのついたコラムが順番に表示されます。順番を変えるには移動したいコラムの矢印上にマウスをおき、目的地の黄色いBox上にドラッグします。
  F若干慣れというか、コツがいりますが、何度かやってみればすぐに要領が分かると思います。また一度設定してもいつでも変更可能です。最後にApplyボタンをクリックして設定を保存します。
  G同様にPrevious QSOs windowも表示するコラムの選択、順番の設定を行うことが出来ます。Previous QSOs window上でマウスを右クリックしGrid layoutを選択します。


(4)Logbook entry window
  @Call、Sent、Rcvd、Name、Cmntフィールドは常に表示されます。
  Aこの他にUser-1〜User-7の各フィールドは任意に用途、表示の有無を設定することが出来ます。

 

  BUser-4、5、6にPWR(TX_Pwr)、VIA(QSL_VIA)、JCC(JCC)を割当、表示した例です。
  CLogbook entry window上でマウスを右クリック、setupをクリック、setup user fieldをクリックしUser field-4を選択します。

   一番上のBoxには表示させたいフィールド名を入力し、次のBoxにはADIFのフィールド名を選択します。次のBoxは最大文字数ですが通常はゼロにします。次のBoxにはこのフィールドの初期値を入力します。この初期値を常に表示する場合には最後のBoxにチェックをつけます。

  DLogbook entry window上でマウスを右クリック、setupをクリック、show user fieldをクリックします。表示するUser fieldを選択します。フィールド名はCで設定した内容で表示されています。

  ECmntフィールド横のボタンをクリックするとCmnt→QTH→Addrと切替えて使うことが出来ます。



日時、周波数表示の設定
Logger32の各windowで使用される日時、周波数表示の設定をやっておきましょう。

(1)Date format
(2)Time format
(3)Frequency

Mainメニューからsetupをクリックして選択します。夫々プルダウンメニューから好みの表示フォーマットを選択します。



他のロギングプログラムからログデータをimportする
最低限必要な設定をしました。この状態ではまだLogger32のログデータは空っぽですね。ここでの選択肢は2ツあります。

(1)今まで使っていたロギングプログラムからログデータをimportする。
(2)今までは手書きのログを使っていた。それを1件ずつ入力してゆく。

先ず(1)の場合の手順を説明しましょう。
Logger32がimport出来るのはADIF形式のログデータのみです。最近のロギンプログラムはADIF形式のexportをサポートしていますが、CSV形式とか他の形式でのみexport可能な場合は問題です。ファーストステップガイドの範囲を逸脱しますので説明は省略しますが、ADIF形式でexport出来ないロギングプログラムをお使いの場合は、筆者までお問合せ下さい。

Logger32へのimportは1回では100%上手くゆかないと覚悟して下さい。
色々なケースがありますが、DXCCの判別がおかしい、QSLのフラグがおかしい、WPXのprefixがおかしい、import出来ないログデータがあった等々です。この時に一番手っ取り早いのがLogger32のLogbookを削除してしまい、原因をよく確かめてもう一度importすることです。
Logger32の1ツのLogbook(ログファイル)は、4ツのファイルで構成されています。最初に出来るLogbookのファイルは、Logbook32.isd、Logbook32.isf、Logbook32.isl、Logbook32.ismです。そのほかにそれぞれのLogbookには関連する複数のファイルがあります。Lgger32のディレクトリを確認してみて下さい。
試しにこの4ツのファイルを削除してみます。そしてLogger32を起動、終了した後でもう一度Logger32のディレクトリを見て下さい。再び先に削除した4ツのファイルが生成されているはずです。

@今まで使ってきたロギングプログラムからログデータをADIF形式でexportする。
AexportしたファイルをNotepad等で開き以下を確認する。
 -1)DXCCフィールドの有無
 -2)PFXフィールドの内容
 -3)IOTAフィールドの有無
 -4)Freqフィールドの有無
BLogger32を起動し、MainメニューのFile、Import logs、ADIFをクリックします。@でexportしたファイルを選択します。
C既存のログデータへの追加ではなく、空のLogbookへのImportの際に注意が必要な幾つかのオプションを指定します。

  Flag QSOs with ・・・
    通常はチェックしてはいけません。チェックすると、DXCCフィールドの無いQSOデータのDXCCは""(DXCCに無効)としてimportされてしまいます。

  Ignore PFX field ・・・
    通常はチェックしておきます。本来PFXフィールドはWPXのPFXですが、ロギングプログラムによってはここにDXCCのPFXを埋めているものがあります。チェックしておけばこれを無視し、正しいWPX PFXを生成してimportしてくれます。

  ADD IOTA numbers ・・・
    チェックしておくと、IOTAフィールドのないログデータをimportした時にIOTAを判別し生成してくれます。但しやれる範囲です。
  その他QSL関係のフラグも要注意です。すでに処理の終わったログデータのimportですから通常はチェック無しにします。

DStartボタンをクリックします。

  複数のオペレータ(call)を使用する場合は要注意ですが、最初ですから黙ってOKをクリックします。OperatorフィールドのないQSOデータに対して"JA1NLX/QRP"を埋めますよ、という意味です。

Eimportが終了すると次の何れかが表示されます。先ず、何かエラーがあった場合、

 これは、importした後で全く同じデータをimportしようとした場合です。エラーデータはLogger32のディレクトリにBad.adiとして生成されます。個々のQSOデータにはエラー原因が記述されているので原因を全て取り除いて再度importします。但しBad.adiはimportできないので、何でも良いのでリネームしてからimportします。

 次は正常にimportが終了した場合、

 
FImportされたログデータをチェックします。どうですか?
  -1)DXCC PFXがおかしい
     元ネタのADIFにはDXCCフィールドがありますか?正しくADIFぼDXCCナンバがありますか?
     元ネタのADIFにDXCCフィールドが無かった場合は、仕方ありません。時間をかけてLogger32のLogbookで修正してゆきます。

  -2)周波数フィールドが空っぽ
     元ネタに無ければ仕方ありません。尚、Logger16を経由してimportするという裏技はありますが。元ネタに周波数フィールド有、バンドフィールド無の場合はLogger32がバンドを自動補填します。
     周波数、バンドフィールド共に無い場合はエラーとなりimportされずにBAD.adiに記録されます。



さて次は(2)の場合、手書きの「紙ログ」を見ながらLogger32にQSOデータを入力します。数千、数万件のQSOデータを入力するのは大変な時間がかかります。暇を見つけては、のんびり、慌てず入力しましょう。Logbook page window上でマウスを右クリックし、プルダウンメニューからAdd QSOを選択します。

@各フィールド間の移動はTABキーを使います。
Aフィールド内の項目移動は矢印キーを使います。
BFreqは、各モードの一番低い周波数を自動挿入します。(バンド、モードの設定による)
CDXCCとなっているフィールドは、Select ADIF fieldで選択した項目に応じて使い分けることが出来ます。上の例ではDXCCナンバーが自動挿入されます。
D必要に応じてQSLのフラグ付けにチェックをつけます。
E最後にADD QSOボタンをクリックして登録します。



Transceiverとの接続

Logger32はTransceiverと接続することにより大変使い勝手が良くなります。
(1)Tranceiverの周波数、モードを取り込んだり、逆にTranceiverの周波数、モードを制御する。
(2)PCのSoundcardを利用したデジタルモードの運用。

ここでは(1)の幾つかの注意点と基本的な設定を説明しましょう。

?お持ちのTranceiverがPC接続のインターフェースを持っていますか?

   私はICOMの古いTransceiver、IC-750とIC-731を持っていますが、IC-750にはこの外部接続機能はありません。少なくとも最近のTransceiverは全てこの機能を持っているはずですが、古いTransceiverの場合は要注意で、最悪諦めなくてはなりません。

?PCとのハード的な接続方法はどうですか?

   PC側はcomポートを使用するのが原則です。Transceiver側はメーカーによる違い、機種による違いがあります。
   @Transceiverにcomポートを備えている場合は、直接シリアルケーブルで接続することが出来ます。(例)Elecraft K2、Kenwood TS-480、TS-570、TS-870、TS-2000等
   AIF232タイプで、レベル変換器を経由してPCと接続します。Transceiver側は6Pのアクセサリコネクタは使用されます。(例)Kenwood TS-450、TS-850、TS-950等
   BFIF232タイプで、レベル変換器を経由してPCと接続します。(例)Yaesu製Transceiver、但し一部の機種では@のタプが使用されています。
   CCI-Vタイプで、レベル変換器を経由してPCと接続します。Transceiver側は3Pのミニジャックが使用されます。(例)ICOM製Transceiver

   @以外はレベル変換器が必要です。メーカーからオプションで販売されているもの(ICOM CT-17等)、Tranceiverメーカー以外から販売されているケース、自作するケースがありますが、先ずはTransceiverの取扱説明書を読んで下さい。


?PCにはcomポートがありますか?

   Transceiverとの接続にはcomポートを使用するのが原則です。
   USBインターフェースも原則使用可能ですが、先ずはcomポートで全ての機能を確認されることを強くお勧めします。
   USBインターフェースを使用する場合は、Transceiver、レベル変換器との間にUSB/シリアル変換器を使うことになりますが、必ずしも全てのUSB/シリアル変換器がうまく動作する保障はありません。
   但し、例えばmicroHAMのCW Keyer等のようにUSBインターフェースを前提に設計されているような場合はこの限りではありません。


では実際にLogger32を設定してみましょう。

Mainメニューからsetup、Radio、Radio-1 configuratonをクリックします。尚、TransceiverはRadio-1、Radio-2と別々に設定することが出来ます。例えば、TS-850は80m専用でRadio-1、Elecraft K2は40m〜10m用でRadio-2として使うような場合
です。

  Com port
   使用するcomポートを選択します。
  Baudrate
   通信速度ですが、Transceiverの取扱説明書を参照して下さい。TransceiverのBaudrateと、ここで設定するBaudrateは同じでないといけません。
  Radio
   Transceiverを選択します。Kenwood製は、TS-480、TS-590、TS-950以外は機種共通に"Kenwood all"を選択します。Icom製は"IC-731"、又は"not IC-731"を選択します。Yaesu製は機種名を選択します。Elecraft製は K2、或いはK3を選択します。
  Databits
   Transceiverの取扱説明書を参照して下さい。
  StopBits
   Transceiverの取扱説明書を参照して下さい。
  Parity
   Transceiverの取扱説明書を参照して下さい。
  Data file
   
  Set DTR high
   レベル変換器の電源をDTRラインから供給する場合にチェックします。レベル変換器の取扱説明書を参照して下さい。
  Set RTS high
   レベル変換器の電源をRTSラインから供給する場合にチェックします。レベル変換器の取扱説明書を参照して下さい。
  Polling interval
   Logger32がTransceiverの状態(周波数、モード等)を聞きにゆくコマンドを出す頻度で、例えば1000msとすれば1秒ごとに、300msとすれば0.3秒ごとにTransceiverの状態を聞きにゆくことになります。
   一般的には頻繁に聞きに行けば、Transceiverの周波数表示の追従性が良くなりますが、機種によっては(古い機種)、あまり頻繁に聞きにこられても困る、というような場合もあります。取扱説明書を参照して下さい。
  Icom address
   Icom Transceiverに割当てられたアドレスです。取扱説明書を参照して下さい。
  Use narrow CW filter
   Transceiverによります。Logger32がTransceiverをCWモードに制御する場合、デフォルトでCWナローフィルタに切替えます。
  Show Radio Debug Window
   Radio Debug Windowを表示します。 


最後にIcom製のTransceiverに限っての制約ですが、Tranceiverは"tranceiveモードオフ"にして下さい。そうしないとLogger32はTransceiverからの応答データを正しく受信出来ないことがあります。



Transceiver制御の具体例

Logger32とTransceiverを接続すると、Transceiverの周波数をLogger32のLogbookに取り込むことが出来るようになります。
また、Logger32からTransceiverの周波数(バンド、モード)を制御することも出来るようになります。

(1)DX spot windowのspotをクリックすると、Transceiverはそのスポットの周波数に制御されます。この時のモードはBand/Modeテーブルで設定したモードとなります。

(2)Logbook entry windowのCall欄に周波数を入力しEnterキーを押すと、Transceiverはその周波数に制御されます。この時のモードはBand/Modeテーブルで設定したモードとなります。周波数の入力形式はLogbookに表示された形式です。

(3)Logbook entry window上でMouse wheelを前後に回転すると、予め設定したステップでTransceiverの周波数を上下に微調します。
ステップの設定は次のようにします。
Logbook entry windowの周波数表示上でマウスを右クリックし、プルダウンメニューからステップを選択します。



Logbook Entry Windowの便利な使い方

実際の操作で一番頻繁に使用するのはLogbook Page Windowです。
その基本的な設定は前項を参考にして済ませて下さい。

(1)ショートカットキー
 フォーカスがLogbook Entry Windowにある時は以下のショートカットキーが使用出来ます。但し設定によっては使用出来ない機能もあります。

 @Ctrl+D
  DX Spotを送出します。DX SpotのCall、周波数はLogbook Entry WindowのCall欄、周波数欄に表示されているCall、 周波数となり
  ます。Call欄がブランクの場合はLogbook Page Windowの末尾に表示されたQSOデータのCall、周波数となります。
 ACtrl+L
  QSOデータをLogbookに登録します。Enterキーも同等です。
 BCtrl+C
  入力したデータを全てクリアします。
 CCtrl+P
  自動判別したDXCC Prefixを変更します。
 DCtrl+O
  自動判別した相手局の地域を変更します。(相手局のZone/現地時間、相手局までの距離/ビーム方向等に影響)
  (例)W1AAはデフォルトではVoncorde NHと判別しますが、実際はW6からのQRVの場合です。
 ECtrl+G
  Golist Lookup Windowを開きます。
 FCtrl+R
  CD-ROM Lookup Windowを開きます。
 GCtrl+Q
  QRZ.com Lookup Windowを開きます。
 HCtrl+E
  QSOの終了時刻をセットします。
 ICtrl+S
  QSOの開始時刻をセットします。
 JCtrl+M
  Manually Add QSOs Windowを開きます。
 KCtrl+T
  2台のTranceiverが接続されている場合、交互に切り替えます。(Radi0-1、2)
 LCtrl+V
  View DX Mapを表示します。


(2)入力欄のフォーカス移動
 TABキーで移動します。移動する欄、移動の順番は、Setup TAB orderで設定します。
 (Logbook Entry Windowで右クリック/Setup/Setup tab order)

(3)Tranceiverの周波数制御
 Call欄に周波数を入力しEnterキーを押すとTranceiverはその周波数にQSYします。
 モードはBand/Modeテーブルで設定したモードになります。

(4)Tranceiverの周波数微調
 Logbook Entry Window上でMouse Wheelを前後に回転すると、予め設定したステップでTranceiverの周波数を微調します。
 Logbook Wntry Windowの周波数表示付近でマウスを右クリックし、プルダウンメニューから希望のステップを選択します。

(5)以前のQSOデータから必要なデータを引っ張り出して埋める(自動補填)
 Logbook Entry Windowで右クリック、Setup/Setup QSO Maskでチェックした項目が自動補填の対象になります。 


Updating Logger32

Jim Hargrave W5IFP
Aki Yoshida JA1NLX(訳)

Logger32の基本的なUpdate手順を説明します。
Update、或いはフルインストールを始める前に必ず以下のことをやって下さい。
1)ユーザーファイル、Logbookファイルのバックアップをとること。
2)LogファイルをADIFファイルでexportしておくこと。

Logger32のUpdateには、(1)File upgradeと、(2)Full installのやり方があります。


<Logger32 ver3.4.0以降のUpgrade手順>

Logger32のHPから、lgr32upgrade(nnn).zipをダウンロードして解凍する。解凍先はLogger32のフォルダ以外で分かりやすい一時フォルダにします。ReadMeファイルを見て特別な指示がないかチェックする。

1)ユーザーファイル、Logbookのバックアップをとる。更にLogファイルをADIFファイルにexportする。
2)Logger32を終了する。
3)最初に解凍して得られたUpgrade.zipをLogger32のフォルダに解凍する。
4)IOTA、CountryデータベースをUpgradeする場合、最初に解凍して得られたDatabases.zipをLogger32のフォルダに解凍する。
5)Logger32を起動し、そのバージョンナンバが(nnn)であることを確認する。
6)もしIOTA、CountryデータベースのUpgradeを行った場合は、Recalcを実行する。


<Logger32 ver3.3.0以前のLogger32からUpgradeする場合、或いは新しくFull installを行う場合の手順>

1)ユーザーファイル、Logbookのバックアップをとる。
2)LogファイルをADIFファイルにexportする。(これは必須です!)
3)Logger32を終了します。もし今のLogger32をUpgradeする場合は4)、そうでない場合(Full installの場合)は5)に進む。
4)4ツのLogbookファイルを削除します。デフォルトのファイル名で使用している場合は、Logbook32.isd、Logbook32.isf、Logbook32.isl、Logbook32.ismです。(これは必須です!)
5)Logger32のHPから、lgr32full(nnn).zipをダウンロードします。
6)適当な一時フォルダに解凍しsetup.exeをクリックします。setup先は今まで使っていたLogger32のフォルダ、或いは別のフォルダを指定することも出来ます。
7)Logger32を起動します。自分のcallsignを入力し使用条件の許諾をすると空のLogbookを表示します。
8)ステップ2)でexportしたADIFファイルをimportします。この時のエラーはBAD.adiとしてlogger32のフォルダに書かれますが、その原因の多くはstateとcountryの記述の間違いに起因します。ヘルプのADIF2 compatibilityの項を参考にして修正します。修正したらBAD.adiのファイル名を変更して再度importします。

(訳者注)
よくある記述間違いの例をあげます。

<state:2>AK <DXCC:3>291 これは正しくは<state:2>AK <DXCC:3>006 (AlaskaのDXCCはW/K(291)ではなくKL7(006)です)
<state:2>HI <DXCC:3>291 これも正しくは<state:2>HI <DXCC:3>110
US-County nameでよくある間違いは、St Louis、Saint Louisですが、正しくはSt.Louis (St+ピリオド+Louis)

周波数フィールドのないモノ、モードフィールドのないモノ等もあります。

特に最初にあげたstateとcountryの組合せは、Logger32 ver3.4.0以降にADIF2準拠になったことから厳しくチェックされます。ver3.3.0以前からver3.4.0以降へのupdateは注意が必要です。当然のことですが他のロギングプログラムからのimportも注意が必要です。


<Full installを行った時にうまくinstallされない場合>

PCとOSの組合せ、OSの状態等、その原因はいつも同じではありません。Upgrade版、Full install版もそのリリース前には開発者グループ、ベータテスターチームがテストを繰り返して問題ないことを確認しています。これらの事前チェックは様々な環境条件で行われています。万一installがうまくゆかなかった場合は、次のことを試してみて下さい。

1)safeモードにしてinstallしてみる。
2)OSを最新状態にする。(Windows update)
3)ダウンロードしたzipファイルはLogger32フォルダではなく他のフォルダに置くこと、そこからsetup.exeをクリックすること。
4)Full installの場合は、それまでのLogger32フォルダのファイルを全て削除してみる。




以下続く