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11日目
元箱根(箱根宿)〜箱根峠〜三島宿
2001年12月8日(土)
曇ときどき晴れ
前回は、日没と勝負をしながら、箱根東坂に挑戦しました。真っ暗な元箱根に着いた時、本当の東海道はこれから。そう思い、京まで東海道を歩き通すことを決意しました。そしてこの日、京へ向けて新たに出発することになりました。最初の難関は箱根峠。標高846メートルは東海道筋の最高地点。ここを越え、西坂を下って三島に至るのが、今回の行程です。京までの道のり、どんなことが待ち受けているのか、期待しつつ芦ノ湖をスタート。

[10時31分] ケンペル・バニー碑、[10時37分] 賽の河原
箱根湯本からバスで元箱根へ。そして前回終了した地点に立ちました。前回は真っ暗で何がなんだかわからない状況でしたが、すぐ近くにケンペル・バニー碑(写真右上)がありました。また、この辺りは杉並木になっていて、関所までの間は、こうした杉並木の中を度々歩くことになります。

ケンペル・バニー碑を出発すると、すぐに遊歩道は車道に合流し、そのまたすぐ先で国道1号線に合流します。この付近に「賽の河原」という石仏群(写真左下)がありました。箱根にはこうした石仏群が各所に存在しています。東海道筋でも、この先度々お目にかかれます。

石仏群を後に、一路箱根関所を目指します。この日は曇り空なので、残念ながら富士山を見ることはできませんでしたが、この辺りから芦ノ湖を見ると、ポスターなどでよく見る、芦ノ湖が一望でき奥に富士山、右手に赤い箱根神社の鳥居を見ることができます。
 

[10時43分] 葭原久保の一里塚、[10時44分] 箱根旧街道杉並木
  国道1号線をしばらく進むと、左側にいよいよ箱根杉並木への入口がありました。日光へ向かう日光街道と共に有名な杉並木です。その手前の草むらに、ひっそりと一里塚の碑が建っていました。「葭原久保の一里塚」で、日本橋から24番目となります。
10時44分。いよいよ杉並木へ。真っ直ぐ空へ向かって伸びた杉の並木道。これまで東海道沿いの並木といえば松でしたが、箱根は平地よりも寒いため、比較的寒さに強い杉が植林されたそうです。松並木とは違った趣のある杉並木。今も昔もここは変わらず時が流れているといった感じです。この杉は幾人の旅人を見守ってきたのでしょうか。

[11時20分] 箱根関所跡
杉並木を越えるとそこは関所跡。箱根関所は観光地としても有名で、建物があるはず・・・・・・、しかし、いざ関所に行ってみると建物がない。しかも工事中。いったいこれは・・・。どうやら、発掘調査が行われた後、正しい位置に建物を復元することになったそうで、今はその工事を行っている最中だとか。
また、今まであった建物は、観光用に復元したもので、実際の位置ではなかったそうです。ということで、門柱だけがここに関所があったことを物語っているので、復元が完成する頃に訪れることを心に誓いつつ、門柱を撮影して先に進むことにしました。

[11時28分] 箱根ホテル(本陣跡)の楓
関所を過ぎると国道1号線に合流します。国道沿いには土産物などの店舗が軒を連ねており、その中に箱根ホテルがりました。駐車場には1本の楓の木が植わっていますが、この箱根ホテルのあるところが、箱根宿本陣跡です。現在は、観光地化されているため、宿場の面影は全くありませんが、この辺りが箱根宿の中心だったと思われます。

東海道とは関係ありませんが、この辺りはもう一つの名所です。毎年1月2日〜3日にかけて行われる箱根駅伝。その箱根側のゴール、及び復路のスタート地点もこの辺りです。箱根ホテルの先の右側には、箱根駅伝にまつわる様々な案内板や碑がありました。

[11時41分] 石畳
しばらく国道の歩道を進み、左側に毘沙門堂が見え、国道が緩やかに右にカーブをする手前の交差点を斜め右に進むのが東海道です。しばらくはアスファルト舗装道を進みますが、やがて正面に遊歩道が見えてきます。東坂最後の石畳で、箱根峠へ向けて一気に外輪山を上ります。遊歩道の入口付近には石仏群があり、これらを横目に先へ進むと、すぐに石畳になっていました。箱根石畳というと、どうしても芦ノ湖までの東坂のイメージがりますが、ここにも残っていたとは。感激していたのもつかの間。こちらの石畳も非常に歩きにくく、しかも狭い。最初は左側に平らな箇所がありましたが、先へ進むにつれ、写真左下のような石だけの道になってしまいました。また、途中国道の下をくぐるなど、「道」というよりは「川」をさかのぼっているといった感じです。

東坂の果て
東坂石畳道の最後は、強烈な階段でした。ほとんど直角に近い崖を急な階段で一気に上ると、妙なところに出ました。箱根新道へ入るインターチェンジ。しかも歩道がない。いったいどうやってこの先を進めばいいのやら。幸いにも交通量が少なかったので、車がこないのを見計らって反対側へ横断。しかし、渡ったまではよかったが、歩道はなく、さらに結構深さのある側溝が・・・。せめて歩道だけでもほしかった・・・。そんな危険地帯をさっさと後にして箱根峠を目指します。国道に合流するとゆるやかな上り坂が続き、やがて東海道最高地点、標高846メートルの箱根峠に着きます。峠からは眼下に芦ノ湖が一望でき、箱根路のハイライトともいえるでしょう。

[12時05分] 箱根峠
標高846メートルの箱根峠。東海道筋では最高地点となるこの峠は、神奈川県と静岡県の県境でもあります。ここからいよいよ静岡県。東海道は静岡県内に最も多く宿場があり、三島宿はその先端。ここから白須賀宿を越えるまでが静岡県内となります。

峠を越えると下り坂となります。しばらく国道の歩道を進むと、右側に「箱根旧街道入口」と書かれた小さな看板があります。ここを右に。アスファルトの舗装道をしばらく進むと、今度は左側に分岐します。ここから先は西坂の石畳道となります。

[12時19分] 西坂石畳道への分岐
分岐してすぐに、ちょっとした休憩場がありました。ここを過ぎると写真右のように、笹のトンネルの中を進むことになります。石畳道なのですが、枯葉が石を覆い、足には心地いいクッションになっていました。国道からもだいぶ離れているようで、車の音はせず、笹が風で揺れる音がとても心地よい響きとなっています。西坂はひたすら下り。東坂のような、沢越えのアップダウンはありません。

兜石の石碑
やわらかな日差しと笹の葉の揺れる音、やわらかな腐葉土の上を歩く心地よさによってしまっていると、兜石なる石碑がたっていました。危うく逃すところでした。あぶないあぶない。

兜石とは豊臣秀吉が小田原城攻めの時、兜を置いて休んだ石のことをいうそうで、元々ここにあったようです。今は周囲に石はなく、ただこの碑がかつて兜石があったことを伝えています。

[12時37分] 接待茶屋
ひたすら坂を下っていくと、やがて見晴らしのよい国道に出ました。歩道を少し歩くことになりますが、すぐに右へ入っていくのが東海道です。旧道入口付近には「接待茶屋」の案内板がありました。この辺り、かつては接待茶屋があったようです。横断歩道があり国道の反対側へ渡ると、そこには接待茶屋跡の碑がたっていました。

[12時40分] 山中一里塚
旧道入口に一里塚がありました。山中一里塚で日本橋から26番目となります。片側だけですが、立派な塚が残っています。一里塚の周りは森になっていて、おなじような盛り土があるので、見逃してしまう可能性がありますが、旧道に入ると左側に案内板があり、一里塚であることがわかります。

ここから西坂は森の中を通り抜けることになります。アップダウンはあまりなく、ひたすら下っていくその道は、街道の雰囲気を楽しむというよりは、自然豊かな遊歩道といった感じです。

後半へ続く
西坂は東坂のようなアップダウンは少なく、森林浴をしながらハイキングができる、そんな感じの道です。箱根八里後半の西坂も、以外に楽しめるルートではないでしょうか。この先、山中城趾などの史跡が多く出てきます。西坂後半はこちら



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