(札幌市交通局)



冬、氷点下まで下がる気温の中、毎年2月には雪祭りが行われる、北海道の中心都市札幌。人口は180万人を越え、名古屋市に次ぐ全国で5番目に人口が多い市となっています。政令指定都市に指定された札幌市の交通機関の中心といえば、地下鉄と路線バス。特に路線バスは「札幌市営バス」「じょうてつ」「JR北海道」「北海道中央バス」「ゆうてつ」など数社が乗り入れており、JR札幌駅には隣接して大バスターミナルがあります。東京と同じように、車社会となった今日、市電が次々と廃止された中、1路線だけ残っています。「西4丁目〜すすきの間(8.5km)」を走るこの路面電車は、独特のスタイルをした車両が使用されています。



【歴史】
明治42年(1909年)に設立された札幌石材馬車鉄度が札幌市電の全身です。札幌市の南西部にある石切山からの石材を運搬するのが目的でした。明治45年(1912年)に札幌市街馬車軌道に社名が変更され、本格的な旅客営業を開始しました。大正7年(1918年)8月1日、北海道大博覧会が札幌で開幕するのを機に、大正5年(1916年)に札幌電気軌道と改められ、大正7年(1918年)に路面電車の運行が開始されました。昭和2年(1927年)には、札幌市(札幌市電気局)が買収し、同年12月1日より市営化されました。

1958年には、日本国内で初めて路面ディーゼルカーの運行を開始しました。また、1959年には婦人子供専用電車を開始、そして、大量輸送のために、1961年には連結車を、1963年に連接車、急行電車が登場するなど、昭和30年代には最盛期を向かえます。

しかし、昭和39年(1964年)の東京オリンピック開催頃から、モータリゼーションが進化したことにより、他都市と同様道路上でじゃま扱いされ、さらには地下鉄の開通等により、次第に路線網は縮小されていきました。現在存在する路線は、本来廃止対象となっていましたが、地下鉄東西線開業時でも、1日平均39,000人の利用客があったため、存続されました。また、近年では地球温暖化や車の排気による大気汚染等が問題となる中、路面電車が見直されており、札幌市交通局でも現在残る市電の環状化を検討しています。



【路線】
現在の札幌市電は「西4丁目〜すすきの」間8.5kmを通しで運行されています。このため、系統番号はありません。また、全線に渡って併用区間を走行し、すすきの〜創成小学校前間がセンターポール(上下線の間に一本の架線柱を立てたもの)化されています。
路線図はこちら



【料金】
170円均一で、朝7時までに乗車した場合は、早朝割引料金が適用され150円となります。また、地下鉄との乗り継ぎ割引があり、西4丁目、中央区役所前、西15丁目、静修学園前、山鼻9条、すすきので適用されています。この他、地下鉄と均一区間のバスも1日乗り降り自由の共通1DAYカード(1,000円)や、プリペイドカードのウィズユーカード(1,000円で1,100円分、3,000円で3,300円分、5,000円で5,500円分、10,000円で11,500円分使用可)も発売されています。



【画像集】
札幌市電の画像集です。全て「ひのん氏」より提供いただいたものです。また、画像は3枚程ですが、参考になればと存じます。なお、画像を直接クリックしますと、大きな画像を見ることができますので、どうぞご覧ください。

西4丁目電停から撮影した札幌市電です。2月に撮影したため、空からは雪が舞い降りてきていました。軌間は都電や函館市電よりも細い1067mmを使用しています。
1枚の大きなフロントガラスを使用した8520形車両です。札幌市電は市営バスと同じカラーリングで、緑をメインとした綺麗な色合いです。なお、8520形は、昭和62年(1987年)に登場した車両で、VVVFインバータ制御方式を採用した冷房装置付きの最新車両です。
市電はワンマン運転なので、こうして降車専用のホームがあります。奥が乗車用ホーム、手前が降車用ホームです。後続の電車は降車用ホームで先発の電車を待っています。



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