ドイツ鉄道サイクリング事情


ドイツでは自転車を分解せずにそのまま車内に持ち込めるので鉄道を使ったサイクリングが容易です。これはドイツばかりではなくスイスやフランスでもそうですのでヨーロッパでは一般的なのでしょう。列車の種類によっては持ち込みは出来ませんが、基本的には終日・曜日を問わずに持ち込み可能です。日本でも一部サイクルトレインなどの試みはあるようですが、新幹線は無理にせよ中・近距離列車や首都圏の列車ででもせめて土・日・休日は分解せずに自転車を持ち込めるようにしてくれればどんなにか良い事か、と思います。

駅の造り

(駅構内では
押して歩きます。
Dusseldorf駅)
(ホームでも同様。
ケルン中央駅)
(乗客用切符(左)と自転車用切符(右))

少なくともHbf (Hauptbahnhof=中央駅)を名乗る大きな駅ではホームに上がるのにはエレベータやエスカレータ、ないしは階段の横に荷物用のコンベアがあるので自転車を持った身には大変便利です。もちろん担いでもOK。また駅によってはスロープもありバリアフリーが進んでいます。(これは駅ばかりではありませんが) とはいえ腕力の大きいドイツ人は重そうな大きな自転車を軽々と持ち上げて階段を昇降しています。

駅によってはコンコース・地下通路は広いですがさすがにそこを走って乗っている人は見た事がありません。(同様にプラットフォーム上も)このあたりは最低限のマナーなのでしょうか。


切符、運賃

行き先までの本人の運賃に追加して自転車用のキップを購入する必要があります。購入は自販機ででも可能。行き先(駅名が数字で表されており、その数字を自販機にインプット、自転車の場合は  Fahrrad  (自転車) ボタンを押すのみ。 運賃はDusseldorfからRemagenの場合(RE=快速列車の場合)、本人は15.6Euro、自転車は4.5Euroでした。絶対額は安いですが意外と割高です。自転車代も距離によって変わります。尚、ドイツの鉄道運賃は特に長距離列車の場合、直前(乗るとき)に買うのと予め数週間前に買うのでは価格が異なります。Superpreis25 (25%引き)やSuperpreis50 (50%引き)と言った企画モノ切符が買えるので切符は事前に買うほうが良いようです。また別にグループチケットがありこれは5人までのグループであれば割安な一枚の切符で乗る事も可能です。


自転車持込の列車の種類

ドイツ鉄道(DB = Die Bahn)のサイトのどこかにでも自転車の持込に付いての説明があるのかもしれませんが自分がデュッセルドルフ中央駅のInformationカウンターで聞いた情報を整理すると下記の通り。

ICE (インターシティ・エクスプレス) ドイツ版新幹線。これは当然ながら持ち込みは不可能。
IC (インターシティ) 日本で言うところの特急列車。カウンターの話では事前予約を持って持込が可能。
EC (ユーロシティー) 国際特急。ドイツ国内ではICと同等の扱い。であれば自転車は予約で持ち込み可能なのでしょうか。要確認。
RE (レギオナル・エクスプレス)中距離快速列車。自転車持込可能。
RB (レギオナル・バーン) 中距離普通列車。自転車持込可能。
S-Bahn (エス・バーン)短距離通勤列車。自転車持込可能。

またDBの管轄外ではありますが

U-Bahn (ウー・バーン)地下鉄。デュッセルドルフのU-Bahnでも自転車を持ち込んでいるのを何度か見ているので持込可能なのでしょう。自転車運賃の有無は不明。地下鉄とは市の中心以外は路面軌道、さらに郊外では専用軌道となります。

まとめますと超特急・ICE以外は自転車を分解することなく持ち込めるという事になります。ICであれば予約しての持ち込みは可能。ICはドイツ全土の鉄道網をほぼ網羅しているのでその気になればドイツ中自転車で何処にでも容易に行ける、という事になるのでしょうか・・・。また敢えてICEに乗る場合でも、皆さんかなり大きなトランクなどを持ち込んでいますので、想像ですが輪行用に分解して輪行袋にでも入れた自転車なら持込は可能でしょう。(そもそも輪行という文化がない(必要ない)のでパックされたそれが自転車だろうと誰も想像出来ないでしょう。)

(夏はサイクリングのベストシーズン
集団で楽しそう。バイエルン・
ヴェルツブルグ中央駅にて)
(デュッセルドルフ地下鉄。この
状態で自転車を持ち込もう
としていますが・・。)
(ボン中央駅にて。ハノーバー
行きのICE(ICE1)をバックに)
(デュッセルドルフ中央駅にて。
こちらはフランクフルト行きのICE2)

自転車車両

自分はREへの持込みしかやった事が無いので他の車種の場合はわかりません。REの場合、車両によりますが最近主流のダブルデッカー(2階建て)では先頭ないし最後部の車両の1階部分の半分が自転車用スペースとなっています。車両の外に自転車マークが書かれているのでそれと分かります。椅子は折りたたみ式があるのみ。皆さん自転車をデポしたらワイヤ-鍵でロックして本人は他の車両(2階)でゆったりと座る、と言う事をやられています。またREによっては自転車マークがついていない車両編成もあり、その場合は仕方なく自転車はデッキに置いておきましたが車掌・乗客からも苦情はなく問題ないようでした。

ICの場合も自転車用車両が編成の中に組み込まれているようです。自分が見た車両は吊フックで自転車を吊り上げるような仕組みも含まれておりスペース有効活用をしていました。

ドイツではありませんがフランス・パリ郊外の中距離列車では満員の車内でしたがデッキに自転車があり、誰も苦情を言っていません。またスイスでは同様に自転車用車両が連結されていました。自転車に対しての考え方が日本とは違うようです。

(2階建て車両の1階部分に自転車
スペース有り。ここは折り畳み式椅子。)
(スペースの無い車両の場合は
デッキに置いておきました)
(自転車車両には
その旨のマーク有り)
(こちらはRBの電車ですがしっかり自転車の
マークが描かれていました。)

(記載2007/03)


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