NIKON FG-20


ライトニコン、というペットネームのFG-20。
確かに小ぶりで扱いやすい。
AIニッコール28mmF2.8をつけてみた。

今は勿論製造中止のFG-20は現役当時のニコンのラインアップの中ではボディ重量で430gと最も軽い。(金属ボディの一眼レフでは今でも最軽量の部類だろう) 今でこそFE10が400gで最軽量だがこれはアルミダイキャストとはいえプラスティックの外装で質感は今一つなので除外したい。そんな訳でニコンを手にするならFG-20しかないだろう。山への相棒とするには軽い一眼レフが結果的に飽きがこないのだ・・。そんなこともあり手ごろな値段のFG-20の中古があったので購入。

やった、とうとう手に入れたニコンのカメラ!シルバーのボディに黒く型打ちされたNikonのロゴ。当時のラインアップの中では最廉価機で決して人気機種であったとはいえないがれっきとしたニコン機だ。しばらくは手にとり無意味にカシャッ、カシャッ、とシャッターを押す日々。この手の欲しい物を手に入れて悦びを味わうというあたりは、自分は小学生の頃から何も精神構造に進化が無いのだ・・。

レンズはAIニッコール 28mmF2.8の中古を一緒に求めた。しばらくして50mmF1.8も中古で入手した。この50mmレンズは販売店の話では現在のAIニッコールシリーズではなくではなくニコンEMとともに発売されたコンパクトなシリーズEのレンズとの由。確かに小型・軽量(150g)なレンズで小さなFG-20には良くフィットするし重く感じない。50mmにはF1.2やF1.4などの明るいレンズもあるが持ち歩くことを前提にすれば軽い事が最優先だ。

使い方については何の問題も無かった。FG-20の露出制御は絞り優先方式、それにマニュアル方式の二本立で AV1で絞り優先方式に慣れているので問題はない。最高シャッター速度が1/1000秒と今となってはもう遅いが実際の使用には十分実用的だ。試し撮りをして分かったのはこのカメラは測光ポイントがかなり顕著な中央重点になっており主要被写体がファインダーの外れにある場合はコントラストによっては適正な露出を得にくい、という事だった。ファインダーの中に直径12mmの円がありそこが主に測光されるので、そのようなケースでは主要被写体に向けてマニュアル露出とするか(露出記憶の機能はない)、露出補正が必要のようだった(露出補正はボディ全面の押しボタンで+2EV、もしくはASAダイアルで行う)。が、いずれも操作自体は慣れの問題だろう。シンプルで分かり易いカメラである。ただ奇をてらった感のあるセルフタイマーレバーのデザインはFG-20のマスクのイメージを決めてはいるものの実際には使いづらいデザインだ。セルフタイマーを多用する自分としてはやや難がある。

FG-20は期待通りの小さなボディで手に持った感覚は悪くない。適度な重量感で金属ボディが安心感を与えてくれる。一躍良い写真が撮れそうな気がする。そりゃそうだ、なんといってもニコンなのだから・・?リバーサルフィルムをつめて、さあ行きますか。


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