大峰・大台ケ原つまみ食い 日出ケ岳、八経ケ岳へ

 (2018年11月22日、23日) 奈良県吉野郡上北山村、天川村)


奈良に遠征しました。11月の連休を利用して奈良観光をしたいという家内の要望を受けて、それでは大峰の最高峰・八経ヶ岳、それに大台ケ原の最高峰・日出ケ岳を踏もうと、一足先に単身奈良を目指します。

11月22日、アサイチののぞみで京都に行き近鉄に乗り換え橿原神宮でレンタカーを借りて吉野は上北山村へ向かいます。大台ケ原までは長いドライブウェイを辿ります。日出ケ岳一体は周遊コースもいくつかあるのですが、生憎の雨混じりのガスの中で意気消沈して日出ヶ岳の往復のみとします。日出ヶ岳山頂(海抜1695m)には休憩舎があり風がしのげます。ホッとしてアンテナを伸ばします。平日の山頂にもかかわらず430はCQ一発で3局からコールされあっという間にヤマランポイントゲットです。山頂展望台についた温度計は零℃。たまらず戻ります。

国道169号まで下りて村営の上北山温泉で冷えた体を温めます。数人しか居ない風呂は広々として気持ちに良いものでした。ここにはこのあたり唯一とも言えるコンビニがあり、吉野の名物、柿の葉寿司を買ってみます。当方は予め橿原市市街地のコンビニで弁当類を仕入れいてたので以上でここはスルーです。

そのまま国道309号線を使うと大峰最高峰、八経ヶ岳の登山口である行者還トンネルまでは最短ルートです。トンネルを抜けた登山口で車を停めて車中泊とします。借りた車(ダイハツタント)はシートアレンジも秀逸でフロントシートが机になって、ガスストープとコッヘルを使い暖かいモノも食べられます。片側を机仕様、片側をフルフラットにしてウィスキーを傾けます。LEDランタンを消すとあたりは真っ暗です。周りには誰も居ない。頭上で渦巻くような風の音を聞きながら眠りに付きます。持参した冬用シュラフでしたが暖かくて正解でした。

* * * *

一晩中車を揺らすほどの強風そして雨が吹き荒れました。昨夜の予報では本日は晴れとのことですがどんなものか。朝0715、歩き始めます。奥駆縦走路までは尾根を直登します。風は相変わらず強いのですが、目指す稜線は真っ白です。昨日の夜半の風雨が稜線では雪だったのです。一時間弱で奥駆縦走路と合流しました。さらに進むとやがて霧氷の尾根道となり、雪に対する心の準備ができてなかったのでドキドキしながら歩きます。革靴は要らないだろうとナイロンの軽登山靴で来たのです。足元は不安ですが幸い初雪で踏み固められてもないので目下これでも問題ありません。

弥山への標高差300メートルの登りとなってルートはガスの中になりました。丁度海抜1600メートル、このあたりが雲の高さなのでしょう。俄然に路面の雪も増え吹きすさぶ寒風も半端なくなりました。凍って滑る箇所もあり慎重に歩きます。ジグザグにのぼると階段が続きこれをこなすと樹氷の合間に弥山小屋がボーッと見えました。

小屋は2週間前に営業を終えており冬季の避難小屋のみですが中に入ってホットします。小屋の中はこんな天気にもかかわらず4,5人、皆一様に疲れた顔です。ここまで3時間、ほぼノンストップでした。テルモスに入れた温かいコーヒーでホッとします。サンドイッチをひとつつまんで、そそくさと八経が岳へ。雪の縦走路、視界は20メートルあるか。無心に歩いて10:45、大峯の、そして近畿地方最高峰の八経が岳(海抜1915m)に立ちました。行者の剣にエビのシッポがついつました。

風をよけて430をつけると交野山移動の山仲間のCQが飛び込んできました。あわててコールしますがとってもらえず、どうも、ビームを振られたのかとたんに聞こえなくなってしまい残念ながら交信は諦めました。CQ一発で姫路市と豊中市から呼ばれます。5分で交信を終えて下山の途につきます。寒くてじっとしてられない山頂では有難い話です。

雪を蹴って小屋に戻ります。ここまで来たので折角なので裏手に5分の弥山のピークも踏んで430では待望の5エリアから呼ばれました。(自分が5エリア出身なので5に呼ばれると妙に嬉しいのです) 避難小屋でコーヒーとサンドイッチでチャージしてから滑らぬように下山の途につきました。

1330、無事帰還。本当は大峰山と言えば山上ヶ岳からの奥駆縦走をしたかったものですが、たまたま、奈良旅行があった事もあり、安直コースでのつまみ食いは罪悪感を感じながらの八経ヶ岳でした。それでも予想外だった雪の山を、味わうとが出来て満足してます。

洞川の温泉で体を暖めたのち宿を取っていた天理市内に戻りました。さあ明日は奈良駅で家内と合流。山も忘れて大人しく奈良・飛鳥・吉野の観光客です。

(ガスの中大台ケ原・日出ケ岳山頂展望台
がボーっと見えた)
(八経ケ岳への稜線に上がって暫く進むと
霧氷咲く道となった)
(冷たく凍るような近畿最高峰・八経ケ岳)

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