横浜市の一等三角点峰 高尾山へ新春ラン 

 (2016/1/10 横浜市緑区)


(西日を浴びる高尾山への農道。この先30mに山頂と神社)

今日の昼過ぎに丹沢最高峰・蛭ケ岳からオンエアする山仲間(JI1TLL局)と自宅から430MHzで交信することが出来ました。雪もなくハイキングシューズで飛ばせてこれた、と言うことです。私の中では蛭ケ岳とは泊まりの山、日帰りの山ではありませんが、さすがにTLL局は日帰りで踏んでくるとは凄いな、と感じ入りました。

この交信に、「自分も休日だからといってごろごろしてはいけない」と心にスイッチが入りました。今日は暦的には3連休の中日なのですが昨日も出勤、明日も出勤。今日だけが休みでしたが、何処かへ行こなくては自分が駄目になってしまう、という焦りに近い思いがわいたのです。

時は正午をすでに回っています。これから行ける場所はそうそうない。一応山と名のつくところには行かなくては。そうだ、横浜市緑区の一等点、高尾山(100m)ならいけるぞ、ということで、急遽車に自転車(東叡社ランドナー)をつんで西へ向かいました。

保土ヶ谷バイパス上川井ICを下りたあたりで車を置いて自転車で走り始めます。地図を持ってこなかったのでスマホで現在位置を確認しながら走行。 里道で迷いますが東名を無事にくぐります。岡部谷戸というバス停があります。谷戸と言う名前、確かに緩い谷で谷戸地形が目の前にあります。そんな谷戸に沿って谷をつめると一気に登って岡の上に出ます。枝道が分岐していてこれが高尾山への農道でしょう。無事に片道8km程度で神社の立つ一等点の高尾山へ。自転車で山頂に立ちます。山頂と言っても家庭菜園の広がる丘で、すぐ裏手は東工大の大きなキャンパス。しかしさすがに展望は素晴らしく、午前中にTLL局の居た蛭ケ岳もばっちりみえます。丹沢は屏風のようで立派でした。三角点にタッチして神社にお賽銭を投入。色々と願をかけてしまいます。

アマチュア無線はお手軽な430ハンディ機です。アルインコDJ-S57にRH770とはすっかり定番になってしまいました。早速バンドをスイープすると、つくば市から記念局が53程度。試しにコールすると55で取って貰えました。ロケは悪くないようです。CQを出すと横浜市鶴見区からコール。当局の超ローカルでした。と、そこへお爺さんが登ってきました。このあたりの地主だそ うで、昔は何も無かったけど今はビルばかりだ、と昔話に付き合います。

のどかで霞かかった丹沢を眺めながらぽかぽかと西日を浴びてベンチに座ってお爺さんと話していると眠気を感じるほどです。この風景はどこかで見たことがあるな・・。そうか、本です。会津や奥利根の山歩きで紀行文を書かれた川崎精雄さんの随想のひとつ「冬の雲」という短編。(1972年、山を見る日 中公文庫ISBN4-12-203441-8)冬の日の晴れた正午近く、筆者は神奈川県中部の高座郡の台地の一角、相模川の土手に立ち丹沢と富士、そして丹沢前衛の山々を眺めています。そこで偶然出あった山の老画家との交流が淡く描かれている好編です。筆者が眺めたの丹沢の冬の風景と今のこの風景、場所も時も違いますが、今この西日を浴びたシルエットとそう変わりはないのでしょう。そんなことが頭に浮かんできます。裏手の東名高速の車の音で現実にひき戻されました。

このまま車に戻るのはあっけないので、国道246に出て、そのまま南下。なかなか良いペースで走れます。横浜市瀬谷区を経由して中原街道で上川井 ICへ戻りました。全走行20km。

山登りと言うにはあまりにも情けないものですが、それでも、気になっていたピークへ初登頂。サイクリングも短いながら堪能して初詣つき?新春ランが出来ました。午後からの思い立っての行動としてはこんなもんでしょう。お陰さまで後悔のない休日となりました。


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