意に反して登ってしまった安達太良山 

 (2015/8/15、福島県二本松市)


今年のお盆休みは天気予報がどうも冴えない。連休の中日に数日間の雨天の予測。事前のこの予報に恐れをなして、当初考えていた八方尾根から唐松・五竜は諦め、ずるずると引き延ばし。最終的に一日の好天を選び日帰りで急遽安達太良山へ行くこととした。

二本松駅から岳温泉へ。そこでシャトルバスに乗り換え奥岳(スキー場)バス停へ。いつの間にか冬のスキーシーズンの営業を止めてしまった(本来はスキーゴンドラの)安達太良エクスプレスで一気に標高を稼ぐ。10:30.歩き始めるととすぐに安達太良山の乳首が見える。労せずしてツガ の樹林帯まで上がってしまった。久しぶりの山なのだが、ややハイペースで登り、安達太良山山頂の肩まで50分。エアリアマップでは70分、 ゴンドラ上駅での案内板には90分と書かれていたのだがここまで標高差もなくあっという間だった。

山頂稜線に立つと凄い風。さすがに、安達太良エクスプレスをして冬季運行中止に追い込んだと言うだけの強風。冬場はこの比ではないのだろう。乳首へは短い鎖場を経ますが風が強くてとても長居する気がわかなかった。直下のだったぴろい肩で、岩の陰でアマチュア無線運用。2mFM開局。石巻市と南三陸町と交信できる。やはり東北は2mがよい。

奥岳から岳温泉へのシャトルバスは14:40発なので余り時間もなく、無線は2局のみ。このまま安達太良エクスプレスで下山すればシャトルバスには余裕だが、さすがに余りにあっけないので、勢至平経由での下山とする。エアリアのコースタイムを取ると奥岳到着は14:10、バスには間に合うだろう。山頂直下の分岐から峰の辻までは気持ちよい下りが続く。振り替えるる稜線が屏風のように見える。時間重視でくろがね小屋ルートは見送りまっすぐ勢至平へ。こ こから勢至平までは標高差は余りないが石が多く歩きずらい。ツガの林に入ると溝のようにえぐれた登山道になり、足の置き場に難儀する。ほどなくして勢至平へ。

ここで頭にタオルを巻いた山慣れした風の男性に遭遇。同じペースで歩くのでみちみちいろいろな話をする。彼は地元福島へお盆休みで帰省中、この山は地元の山でよく来るとの事。年齢は自分と変わらないだろうか、茨城に住み都内まで通勤しているそうです。どうりで、言葉は地元の方らしくない。

勢至平からの道は馬車道とのことだがタイヤの轍がついており、くろがね小屋まで車が荷上げに入っているのかもしれない。沢に出て、沢沿いの遊歩道を歩いてスキー場は奥岳バス停に出た。13:40、予定より30分早く下山。とここで、男性からせっかくだから岳温泉まで乗っていきませんか?と車への同乗を薦められる。シャトルバスまで1時間待つ時間だったので、それではと喜んで同乗させていただくことにした。

岳温泉で、車を降りる。まさに一期一会。ありがとうございました。私も時々車で見知らぬ登山者を道すがらのバス停まで乗せて帰る、と言うことを したことがあったが、そんなことも回ってくるのかもしれない。

バス停前の共同湯、岳の湯(350円)で汗を流す。湯温はかなり高くとても浸かってられない湯船だ。湯の花が浮いて、気持ちよい。土湯、高湯、そして岳温泉。福島の温泉は何処も素朴さと個性にあふれ素晴らしいと思う。さっぱりして二本松駅へのバスに乗る。少しあっけなかったですがコンパクトながらも良い山だった。夏草がゆらぐ車窓は心地よく、いつしか一眠 りしていた。

安達太良山はずっと山スキーで狙っていたのだが、こんな機会もあり意に反して夏に登ることとなった。それでも全体の地形を頭に入れることが出来、今度は山スキーで是非来てみたい、そんな思いを新たにしている。

(歩き始めてしばらく、
安達太良山山頂遠望)
(山頂の乳首は近づくと
顕著ではない)
(強風に吹かれしきりと雲が動いていた) (勢至平方面へ向け下山する。山スキーには
持って来いのルートだろう)

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