メキシコの最終日、カンクーン市内でいろいろ土産物探しをしながらうろうろしていた。大きなスーパーで粉末ジュースを買ったり、アンティークショップでアクセサリーを値切ったり、目の血走った大麻売りの兄ちゃんに声をかけられたりしていたが、気がつくと飛行機の出発時間まで残り1時間を切っていた。市内から空港までは車で20分はかかる。これはやばい。そこで、今までできるだけタクシーの利用を避けていたのだが、カンクーン空港までタクシーで行くことにした。
大通りに出て、流しのタクシーを止める。一応、乗る前に空港までの値段を聞いてみる。
「Cuanto cuesta A aeropuerto?」(空港までいくらですか?)
「Ciento pesos」(100ペソだよ)
本にも10ドルくらいだと書いてあったから、大体そんなもんだろうと思い、タクシーに乗り込んだ。メキシコシティのビートルタクシーとは違い、結構新しいワゴンタイプの車両だ。乗り心地も良く、広い一本道を飛ばしていく。やはり20分ほどして、空港の入り口に到着。残り30分ちょっとだ。あせって100ペソ紙幣を手渡し、カウンターに急ごうとすると、運転手が何か言っている。「100ペソでは足りないのか!?ここまで来てぼられるか〜?」と、一瞬あせったのだが、運転手は20ペソ返してきた。どうやらおつりらしい。
今までの海外旅行の経験では、タクシーで最初に言ってきた金額よりも安く済んだ、なんてことはなかったので、驚くとともに、メキシコの人の正直さに感心してしまった。
結局、その後カウンターに行って搭乗券をもらうと、出発時刻までまだあと2時間あった。
なんのことはない、まことが飛行機の出発時間を間違えていたのだった。
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